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【爆速】2022年ドラフト会議12球団支配下採点【ドラフト採点】

 2022年のドラフト会議も終わりました
 皆さんの贔屓球団は良いドラフトが出来たでしょうか?
 地元の選手はどんな球団に指名されたでしょうか?

 いろいろ気になる点はあると思いますが、今回12球団分の支配下選手のドラフト解説と手前味噌ながら採点をさせていただければと思います。
 全球団のファンに満足していただける内容を目指して、長い時間をかけて準備させていただきましたので、どうぞお楽しみください。

資料の見方

(例)横浜DeNAベイスターズの戦力偏差値と補強ポイント、U25ピックアップ選手まとめ

 今回、分かりやすく補強ポイントをお伝えするために資料画像を添付しています。
 資料画像には「ポジション別偏差値」「補強ポイント」「U25ピックアップ選手」の3つの情報を載せています。

 「ポジション別偏差値」は、各ポジションにおけるwRAA(*1)とUZR(*2)を合算した値から標準偏差を出し、そこから偏差値となるように計算しています。
 学校現場などで使われてご存じのとおり、50に近づくほど平均値に近くなっており、50より高ければそれだけ他球団より傑出しており、反対に低くなればそれだけ他球団に劣っていると解釈出来ます。

 なお偏差値60.0を超えたポジションは太赤文字。補強の必要性がありそうなポジションは太黒文字で表記しており、「補強ポイント」も太黒文字で書かれたポジションを取り上げています。
 捕捉ですが、今年はセリーグで村上宗隆選手が優れた成績を残し、一人で傑出しすぎてしまった関係で"セリーグ三塁手"に関しては、他のポジションよりも特に、本来の選手たちの働きよりも低く偏差値が出ているように感じています。あらかじめご了承ください。

「U25ピックアップ選手」は、筆者が個人的に将来有望だと思う若手選手を抜粋しています。今年度25歳以下で、1軍成績を優先しつつ2軍成績も参考に選考しました。
 得点に影響はしませんが、補強ポイントの選手を指名しなかったチームのドラフトが悪いという訳ではなく、こういった有望選手がいるからこそドラフト会議では優先度を低くしても、狙いとして間違っていないのだ。という風に解釈していただけるように参考に乗せています。

(*1) ポジション別wRAAに関しては『日本プロ野球RCAA&PitchingRunまとめblog』(https://ranzankeikoku.blog.fc2.com/) 様の数値を引用しました。
(*2)UZRに関しては『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/op/index.aspx) 様の数値を引用しました。

採点結果

①94点 オリックスバファローズ
①94点 東京ヤクルトスワローズ
③91点 東北楽天ゴールデンイーグルス
④87点 広島東洋カープ
④87点 北海道日本ハムファイターズ
④87点 千葉ロッテ
⑦86点 横浜DeNAベイスターズ
⑦86点 読売ジャイアンツ
⑨80点 中日ドラゴンズ
⑨80点 福岡ソフトバンクホークス
⑪77点 阪神タイガース
⑫76点 埼玉西武ライオンズ

詳細採点&解説

①94点 オリックスバファローズ

(得点内訳)選手評価44点+補強点5点+爆発力45点

(指名選手)
1位 曽谷龍平(白鴎大) 投手
2位 内藤鵬(日本航空石川) 内野手
3位 齋藤響介(盛岡中央) 投手
4位 杉澤龍(東北福祉大) 外野手
5位 日高暖己(富島) 投手

 オリックスは公言通り、曽谷龍平(白鴎大)投手を獲得。最速152㌔の威力のある直球が自慢の左腕だが、カットボール・ツーシーム・スライダーなど変化球も多彩でリーグ戦ではノーヒットノーランも記録した。今年の左腕の中で、文句なしのナンバーワン投手と言っていいだろう。投手王国オリックスでも開幕1軍の席を争うこと間違いない。 
 更に会心と言えるのが2位指名の内藤鵬(日本航空石川)。高校通算53発を誇る右のスラッガーで、高校生ながらその打撃能力は大学生や社会人に混ぜても遜色がない。オリックスに貴重な高い長打力を供給出来る選手だ。
 その他に指名した選手達も高いポテンシャルを備えた選手ばかりで、若い戦力で強くなるチームカラーを体現したような指名となった。

①94点 東京ヤクルトスワローズ

(得点内訳)選手評価44点+補強点10点+爆発力40点

(指名選手)
1位 吉村貢司郎(東芝) 投手
2位 西村瑠伊斗(京都外大西) 外野手
3位 澤井廉(中京大) 外野手
4位 坂本拓己(知内) 投手
5位 北村恵吾(中央大) 内野手

  単独1位指名で吉村貢司郎(東芝)を獲得。最速153㌔の直球と鋭く落ちるスプリット、カットボールを高度に操り、コントロールも上々。先発でも救援でも開幕1軍を狙っていける本物の即戦力投手と言って差し支えないだろう。ヤクルトは先発スタッツを大きく落としており、3連覇に向けて万全の準備を整えた。
 3位の澤井廉(中京大)は大学生屈指の打撃力を持った外野手。ヤクルトの弱点となっている左翼手を一転して強みに変えてしまうようなスケールのある選手だ。
 西村瑠伊斗(京都外大西)・坂本拓己(知内)もポテンシャル溢れる高校生で、将来チームの柱となりうる選択。
 この球団は来年に留まらず、長期的な黄金期を作ることを見据えている。

③91点 東北楽天ゴールデンイーグルス

(得点内訳)選手評価40点+補強点20点+爆発力31点

(指名選手)
1位 荘司康誠(立教大) 投手
2位 小孫竜二(鷺宮製作所) 投手
3位 渡辺翔太(九州産業大) 投手
4位 伊藤茉央(東農大北海道オホーツク) 投手
5位 平良竜哉(NTT西日本) 内野手
6位 林優樹(西濃運輸) 投手

 競合の末、荘司康誠(立教大)を獲得することに成功。188㌢の長身に、リーグ戦で154㌔を計測する直球が持ち味ながら、140㌔も超える高速変化球を複数操ることが出来るなどロマンと即戦力性を兼ね備えたハイブリッドな人材。先発投手の高齢化に歯止めのかからない楽天にとってこれ以上ない選手だろう。
 2位以降も小孫竜二(鷺宮製作所)・渡辺翔太(九州産業大)・伊藤茉央(東農大北海道オホーツク)・林優樹(西濃運輸)といった即戦力の投手を複数枚獲得して更に投手陣の整備をすすめながら、強打の二塁手、平良竜哉(NTT西日本)内野手も獲得するなど、明確に来年使える戦力を獲得しに来た楽天。
 雪辱をバネに、本気で来年の優勝を狙っているというメッセージに他ならないだろう。

④87点 広島東洋カープ

(得点内訳)選手評価28点+補強点18点+爆発力41点

(指名選手)
1位 斉藤優汰(苫小牧中央) 投手
2位 内田湘大(利根商) 内野手
3位 益田武尚(東京ガス) 投手
4位 清水叶人(健大高崎) 捕手
5位 河野佳(大阪ガス) 投手
6位 長谷部銀次(トヨタ自動車) 投手
7位 久保修(大阪観光大) 外野手

 公言通り斉藤優汰(苫小牧中央)投手を獲得。188㌢の恵まれた身体から、ベース上で伸びてくる直球、鋭く曲がるスライダーを操る本格派の高卒右腕。今年は高校生投手で唯一の1位指名となったが、底が見えないポテンシャルに加え、癖が無いフォームから投げられる最速151㌔の速球は、他の大学生投手を差し置いて数年後に1軍のマウンドに君臨している姿も想起させる。
 益田武尚(東京ガス)・河野佳(大阪ガス)といった東西のガス会社からエース級の投手を指名し、今年苦しんだ投手スタッツの改善も同時に進めるなど、新井新監督へのパスも万全である。
 再びの黄金期を作るため、高校生と即戦力を上手く絡めたバランスの良い指名となった。

④87点 北海道日本ハムファイターズ

(得点内訳)選手評価44点+補強点12点+爆発力31点

(指名選手)
1位 矢澤宏太(日本体育大) 投手
2位 金村尚真(富士大) 投手
3位 加藤豪翔(ニューヨークメッツ) 内野手
4位 安西叶翔(常葉大菊川) 投手
5位 奈良間大己(立正大) 内野手
6位 宮内春輝(日本製紙石巻) 投手

 ドラフト前に目玉として注目されていた矢澤宏太(日本体育大)を、なんと単独で獲得。小柄ながら投げては左で150㌔、野手としては打って走って守れる中堅手として、爆発的な身体能力を備えた二刀流。投手として指名されたがどんな風に起用するのか?というワクワクが尽きない。この先、客を呼べる選手になること間違いないだろう
 サプライズはまだ続き、ニューヨークメッツから加藤豪将を3位で獲得。直前に阪神とのトレードで内野手を2人放出した事案が、ここに繋がっていたとはとんでもない伏線回収である。
 金村尚真(富士大)・安西叶翔(常葉大菊川)・奈良間大己(立正大)といった選択も秀逸で、宮内春輝(日本製紙石巻)でサイドハンドのリリーフも補強するなどソツの無い指名となった。
 BIGBOSS改め新庄監督率いる日本ハムが、パリーグのダークホースとなりうるか。

④87点 千葉ロッテマリーンズ

(得点内訳)選手評価44点+補強点13点+爆発力30点

(指名選手)
1位 菊地吏玖(専修大) 投手
2位 友杉篤輝(天理大) 内野手
3位 田中晴也(日本文理) 投手
4位 高野脩汰(日本通運) 投手
5位 金田優太(浦和学院) 内野手

 外れ1位指名で菊地吏玖(専修大)投手を獲得。東都2部ながらゲームメイク能力の高さを評価され大学日本代表にも選出された右腕だ。伸びのある直球を制球良く投げ込み、スライダー・フォークも切れ味鋭い本格派のピッチャーで、吉井新監督の元で佐々木朗希と共に次世代の屋台骨となれるか。
 2位で友杉篤輝(天理大)内野手を獲得するなど、大学野球界が誇るスピードスターで、明確に穴となっている遊撃手を塞ぎに来ていることにも注目。
 4位の高野脩汰(日本通運)左腕も、左右問わず直球でねじ伏せられるパワータイプの左のリリーバーで、補強ポイントにもぴたりと合っている。
 将来性豊かな既存戦力と、即戦力の期待が持てる新戦力のコラボレーションで来季の飛躍を期待出来そうだ。

⑦86点 横浜DeNAベイスターズ

(得点内訳)選手評価40点+補強点11点+爆発力35点

(指名選手)
1位 松尾汐恩(大阪桐蔭) 捕手
2位 吉野光樹(トヨタ自動車) 投手
3位 林琢真(駒沢大) 内野手
4位 森下瑠大(京都国際) 投手
5位 橋本達弥(慶応大) 投手

 単独1位指名で松尾汐恩捕手(大阪桐蔭)を獲得した横浜。松尾は元遊撃手で高校から捕手を始めたのだが、持ち前のセンスでメキメキと捕手技術を向上させた。高校通算38発の長打力も光る。攻守にバランスが取れており今年のNo1キャッチャーに相応しい。長年の課題とされていた捕手に、トッププロスペクトを送り込む形で解決の糸口を見つけていこうという表れだろう。
 吉野光樹(トヨタ自動車)・橋本達弥(慶応大)といった即戦力投手補強は勤続疲労のたまる投手陣へのカンフル剤に。林琢磨(駒沢大)は大学では二塁を守っているが、高い身体能力と守備能力を活かして遊撃手としての活躍も期待が持てる。
 チームの弱点に対して確かな回答を用意したドラフトとなった。

⑦86点 読売ジャイアンツ

(得点内訳)選手評価36点+補強点10点+爆発力40点

(指名選手)
1位 浅野翔吾(高松商) 外野手
2位 萩尾匡也(慶応大) 外野手
3位 田中千晴(国学院大) 投手
4位 門脇誠(創価大) 内野手 
5位 船迫大雅(西濃運輸) 投手

 阪神との競合の結果、浅野翔吾(高松商)を獲得。小柄ながら優れた身体能力と、広い甲子園をものともせずホームランを放つパワーが持ち味の高校生外野手。U18でも活躍し、打撃だけなら”和製アルトゥーベ”との声も。今は中堅手を守っているが、三塁手や捕手など可能と監督が太鼓判を押すほどの爆発的な身体能力から魅せるプレーは、巨人軍における新たな華となるはずだ。
 田中千晴(國學院大)のような190㌢の高いポテンシャルを持つ長身投手や、船迫大雅(西濃運輸)といったサイド気味から150㌔に迫る直球を投げる即戦力リリーフなども獲得しており、Bクラスへ沈んだ来季への積み上げも欠かしていない。
 反撃、そして栄光への足がかりになる指名となった。

⑨80点 中日ドラゴンズ

(得点内訳)選手評価36点+補強点13点+爆発力31点

(指名選手)
1位 仲地礼亜(沖縄大) 投手
2位 村松開人(明治大) 内野手
3位 森山暁生(阿南光) 投手
4位 山浅龍之介(聖光学院) 捕手
5位 濱将乃介(NOリーグ福井) 内野手
6位 田中幹也(亜細亜大) 内野手
7位 福永裕基(日本新薬) 内野手

 沖縄から初のドラフト1位指名となる、仲地礼亜(沖縄大)投手を獲得。
 最速151㌔の糸を引くような直球に加え、鋭く曲がり落ちるスライダーが奪三振を量産する快速右腕だ。昨年の選手権大会で彗星のように現れ、敗れはしたものの堂々たるピッチングを披露。その後も好投を続けスカウトの信頼を勝ち取り、中日はそんなシンデレラボーイを高く評価したのだった。
 更に村松開人(明治大)・田中幹也(亜細亜大)・福永裕基(日本新薬)など即戦力の内野手を多数獲得し、立浪監督のオーダーにこたえる指名となった。
 今年は最下位に沈んだ中日ドラゴンズ、新戦力と共に浮上なるか。


⑨80点 福岡ソフトバンクホークス

(得点内訳)選手評価36点+補強点9点+爆発力35点

(指名選手)
1位 イヒネ・イツア(誉) 内野手
2位 大津亮介(日本製鉄鹿島) 投手
3位 甲斐生海(東北福祉大) 外野手
4位 大野稼頭央(大島) 投手
5位 松本晴(亜細亜大) 投手
6位 吉田賢吾(桐蔭横浜大) 捕手

 1位でイヒネ・イツア(誉)内野手を獲得。両親がナイジェリア人とあって、身体能力は高いというよりも、全く規格が違い比較対象が存在しない印象を受ける。これで身長は183㌢と長身であり、遊撃手を守るというのだからロマンの塊である。今宮の後継者を長らく探してきたソフトバンクだが、彼の高い壁に挑戦し、超えていける期待が持てる選手だろう。
 2位以降では大津亮介(日本製鉄鹿島)や、松本晴(亜細亜大)といった即戦力投手に加え、甲斐生海(東北福祉大)・吉田賢吾(桐蔭横浜大)と打撃力自慢の選手も獲得。王座奪還を目指す準備も整えた形だ。
 育成球団のお株をオリックスに奪われつつあるソフトバンク、今年のドラフトで順位と共に巻き返しなるか。

⑪77点 阪神タイガース

(得点内訳)選手評価32点+補強点5点+爆発力40点

(指名選手)
1位 森下翔太(中央大) 外野手
2位 門別啓人(東海大札幌) 投手
3位 井坪陽生(関東第一) 外野手
4位 茨木秀俊(帝京長岡) 投手
5位 戸井零士(天理) 内野手
6位 富田蓮(三菱自動車岡崎) 投手

 抽選に外れてしまったが、森下翔太(中央大)を獲得。恵まれた体格から強烈なスイングを生み出す外野手。中堅手を守るほどの身体能力も兼ね備えている。大学時代は下級生から試合に出るものの伸び悩んでいる時期があったが、大学最終年にて遂に開花した。若手外野手の有望株も多い阪神だが、超人・糸井の後釜の最右翼となるのではないか。
 2位からは門別啓人(東海大札幌)・井坪陽生(関東第一)・茨木秀俊(帝京長岡)・戸井零士(天理)と高校生の素材を多く獲得するドラフトとなった阪神。2位の門別は長身で最速150㌔を計測する左腕投手であり、希少価値の高い投手だ。圧倒的な投手力を誇る阪神に更なるエース候補が加わる事となる。
 岡田新監督の元で、将来性豊かな小虎達はどのように成長していくだろうか注目だ。

⑫76点 西武ライオンズ

(得点内訳)選手評価32点+補強点8点+爆発力36点

(指名選手)
1位 蛭間拓哉(早稲田大) 外野手
2位 古川雄大(佐伯鶴城) 外野手
3位 野田海人(九州国際大付) 捕手
4位 青山美夏人(亜細亜大) 投手
5位 山田陽翔(近江) 投手
6位 児玉亮涼(大阪ガス) 内野手

 西武ライオンズJrにも所属していた蛭間拓哉(早稲田大)外野手を、一途な愛で獲得した西武ライオンズ。高い身体能力で中堅手を守り、かつ東京六大学リーグで12本もの本塁打を積み上げた野球エリートの蛭間選手は、向上心も一流。実力や性格の面でも西武の今後のチームの中核を担う事を期待出来る。
 甲子園を沸かせた山田陽翔(近江)投手を5位で獲得出来た事も非常に明るい材料だろう。投手としては小柄だが、身体操作に優れる右腕は150㌔に迫る直球に多彩な変化球を操る事が出来る。
 戦力の流出に喘ぎそうなチーム状況ではあるが、若い選手達が希望の光となるか。

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採点基準(見たい人向け)

 今回採点基準を設定するにあたっては、一部で加点方式を採用しています。

≪内訳≫ 選手評価得点(80点)+補強ポイント得点(20点)+爆発力得点(+α点)

 選手評価得点(80点)

 得点の内で多くを占めるのがこの選手評価得点ですが、実はここの採点では最もチーム別に得点差が付いても20点ほどとなっており、おおよそ30点~50点の間程度で収まるようになっています。

 選手評価に際しては現時点での能力評価とさせていただいていて、例えば先発投手であれば”1年目で”「規定到達」「ローテ」「谷間」「2軍ローテ」「育成」等という風に分けさせてもらい、与えられた得点を割り振るというようにしています。
 また、選手評価得点は各チーム上位4名までを評価対象としています。
 対象を支配下全選手に広げると、多く選手を取ったチームが必然有利になりやすかったり、あまりマイナーな選手になりすぎると参考となる映像や資料が見つからず適切な評価が出来ない事など考えられます。
 なおここで評価出来なかった、1年目の実力に乏しい高卒選手や、下位指名の選手に関しては後述の"爆発力得点"で評価することでバランスを取るようにしています。

 補強ポイント得点(20点)

 一般的なネットユーザーにおけるドラフト採点などでは最も評価の対象にされやすい「補強ポイントを指名出来たか」という命題ですが、今回の採点基準では低めに設定しています。
 結論としては補強ポイントを埋めたからと言って、”1軍で活躍出来なければ効果は薄い”ということです。

 例えば1軍に”救援投手を補強したい”という補強ポイントがあったとして、指名された選手が敗戦処理を中心とする選手ばかりではどうでしょうか。
 実際のニーズは"勝ちパターンを任せられる投手"や、”セットアッパー・クローザーを任せられる投手"であったにも関わらず、「とりあえず大学生や社会人の投手を指名出来たので、1軍の救援補強に成功した」という事にはなりません。
 また、補強ポイントを埋めることが出来るのは、決してドラフトだけではないという事には留意が必要です。戦力外獲得・トレード・外国人獲得や、今年は"現役選手ドラフト"も開催されます。
 それゆえドラフト会議は補強ポイントを埋めるという意味では有意義な戦力補強の場ですが、「目的の一つであって全てではない」と言えます。

 一方で補強ポイントの選手を指名することそれ自体は、成功すれば大きくチームを前進させるターニングポイントになる事も多く、あくまで選手評価を採点のベースとしながら、補強ポイントの選手を指名出来たということに対して5~20点ほどの範囲で割り振りをしています。

 爆発力得点(+α点)

 "爆発力"というあまり聞きなれないフレーズですが、一般的には"ポテンシャル(潜在能力)"・"ハイシーリング(天井が高い)"などと言われるポイントです。語呂の良さと分かりやすさで爆発力という単語を使っています。
 前の2つが100点の中で評価を付ける数字であれば、爆発力得点はそこへプラスの評価を付ける事が目的になっています。
 選手評価得点の欄でも触れましたが、高校生選手や5位以下の選手に対する評価の肝になる部分です。

 この爆発力得点では年齢・身長・身体能力を参考に、最大限どの程度の選手までスケールアップするかを想定して採点しています。
 最高評価は1人10点ですが、その下は5点、その下は1点とかなり極端な評価をしています。
 ドラフト指名される選手である以上、"爆発力"という点では魅力的な選手は多いですが、しかし多くの選手が爆発することなく毎年NPBから去っています。「誰の目から見ても明らかに魅力的である」選手以外は、大成出来ないリスクも加味しつつ得点を抑える狙いです。

終わりに 


 さて、おおよそ以上のように採点をしていますが、個人の独断で行う以上、完璧な採点・配点というものは不可能ですので、出来るだけ考慮しつつ慎重に採点をしているつもりですが、ご期待や思想に添えない部分は多々ございます。悪しからずご了承ください。
 
 ここまで気合を入れたドラフト採点は実は初めての試みになるのですが、毎年各種媒体でドラフト採点をしている方たちに負けないよう、納得感があるように作成する事。
 かつ、今年のドラフト会議の評価を知りたい人に、いち早くお届けすることを目標に、1か月かけて準備をさせていただきました。

 みなさまお楽しみいただけましたでしょうか?
 楽しんでいただけた方には、Twitterのリツイート機能やその他SNSのシェア機能でお友達の野球ファンにもお届けしていただければ、感謝感謝✨です。

ではまた。

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