EP7 SKの離脱

5月に入り僕たち非F中軍団(僕、ノッポのH、FT、BB、少年N、SK、KW)はますます結びつきを強めた。ライングループをつくり、毎日とめどない話をしていた。というかその大半がノッポのHが気に入らないクラスの人への批判を述べ、他のメンバーがそれなりに同調するというものだった。その批判の多くが「授業中質問するのがうざい」とか、「頭悪いのに粋がっているからうざい。」といった、彼のものすごく主観的な物差しだった。なさけないことに、僕も含め他のメンバーはグループから逸脱するのを恐れていたので、その批判が的外れと感じても同調するしかなかった。

上のようなエピソードからもわかるように、このころ僕たちのグループはノッポのHが主軸となっていたのだった。それは彼が持っているリーダーシップや思ったことを恐れず言える性格、そして体格のよさ、校内で地位の高いサッカー部に所属していること、国立中出身で学力が高いことなどに起因した。つまり、相対的に優位に立つ面が多いのだ。それゆえこのグループでは彼の是非の非にいかに触れないかがメンバーの発言や、行動する上で最も考慮するうちのひとつであった。(ほかにも、うかつに自分の夢などを語ると現在の学力とその乖離を指摘されクラッシュにあうとか、反受験・反テスト的なことを言うと馬鹿認定されるなどあった)。しかし、ノッポのHの是非の基準は極めて感情的でわからない部分があったので、他のメンバーにとって安全策は同意をすることであった。

そんななかSKがついに地雷を踏んだ。SKはグループ内でことさら自分がギターを弾けることを誇示したり、Twitterやlineのタイムラインにおいてロマン主義的な発言を繰り返したりした。空の写真とともに「風を感じたいんだ。」とか、「自分は変わるのだ」などといってアカウント名をSKβとしたりなどである。また、彼はあまり冗談がきかず、なにか少し冗談を言われても所謂マジレスをしてしまうことがよくあった。そうしたことがノッポのHの非に触れ、やがてSKはノッポのHに嫌われるようになった。ノッポのHはグループで行動するときにSKを巻く行為をするようになり(置いていく、彼を避ける)、彼のやることなすことに対して徹底的に陰で批判をしていた。彼がグループ内で発言するときも重箱の隅をつつくような形でクラッシュをしていたのだった。

そして、ついにSKを除いた6人のライングループが出来た。ここではノッポのHがSKについての批判を加え、皆がそれに同調するようなことをしていたのだった。今思えば、これに同調してしまった自分を本当に情けなく思う。SKも次第に6人との温度差を感じ、ノッポのHの痛烈なクラッシュも恐れてグループから離れるようになった。

SKの中学からの親友だったはずのKWも僕らのグループがSKを避けるとともに避けはじめ、そしてSKも次第にKWを避けるようになった。この様子を傍から見て、僕は友情とは何かがきっかけでこんなにも簡単に崩れ去るものなのかと思った。そして、その脆さとそれにすがることの恐ろしさを感じたのであった。

SKは非F中軍団から離脱した。そして、この出来事によってノッポのH以外のグループの皆が第二のSKになるまいとさらに委縮することとなった。

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