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【MTG】イコリア:巨獣の棲処リミテッド最速考察

3か月振りになります。妥協の嵐です。前エキスパンション「テーロス還魂記」では発売日直前という名目で記事を記載しましたが、今回からより早いタイミングで考察記事をアップしようと思います。

「発売後の考察記事」の精度はプロプレイヤーの人たちにかなわないので、スピードを売りにしていこうと思います。ファ○通の最速攻略本の立ち位置を目指します。

1.キーワード能力のおさらい

1.1.変容

嘶くナール

今回のエキスパンションの目玉ともいえるキーワード能力ですが、もともとクリーチャーであるカードを他のカードと合わせて運用する能力である以上、本来個別に場に出すカードを重ねるイコール、単純にアドバンテージを損失する行為になります。注目すべきは「変容時に誘発する能力」が手札一枚分に見合うかどうか、単独運用した場合との損得勘定の駆け引きになります。

プレイ時の注意点としては「人間は変容できない」「変容先(既に場に出ているクリーチャー)をスタックで除去すると素出しの状態で場に出る」「ブリンクすると全員ばらけて戻ってくる」といったところでしょうか。

ちなみに、変容持ちクリーチャーは各単色ごとに3~4枚程度、プラス対抗2色と対抗3色にほぼ等分で配置されています。


1.2.人間と「人間でない」クリーチャー

翼膜の虎

『変容』と対になるといってもいい今回のキーワード種族「人間」ですが、どちらかというとイコリアの変容生物と人間の共存をモチーフにした能力が目につきます。このため、デッキにしても盤面にしても、可能な限り一緒に運用した方がより大きな恩恵を受けることが出来そうです。

例外として、アーキタイプこそ後述しますが、白黒の2色カードのみ、やたらと人間を推してきます。また、人間以外の種族参照としては、《孤児護り、カヒーラ》を使用する際の参照種族を気にすれば事足ります。

孤児護り、カヒーラ

1.3.相棒

巨智、ケルーガ

2色の組み合わせ1つずつ、計10枚が用意されています。ただ、相棒を相棒としてデッキ外からプレイする際の「縛りルール」については、リミテッドではほとんどが達成できないような条件ばかりですので、ここでは無視して、通常のクリーチャーとして運用してしまって問題ないと思います。

1.4.サイクリング

ドラニスの刺突者

プレイできないカードをサイクリングして手札を潤滑させる、という名目は過去と同じ運用になるのですが、今回のサイクリングは色マナの指定が少ないため、より簡単に発動することができます。これについては単純に事故を防げる可能性が上がった、という全プレイヤー共通の恩恵になります。

なお、サイクリングを持つカードは全色にありますが、割合としては白青赤に多く黒緑に少ないため、アーキタイプとしてはジェスカイのキーワードということになります。

1.5.キーワード・カウンター

結晶の巨人

以前のエキスパンションでは「ターン終了時まで〇〇を得る」となっていたものの一部が、永続的にそのキーワードを得られるようになりました。

これに関しては「普段より便利になった」くらいのイメージでいいです。「カウンターを乗せると1ドロー」のような恩恵があるカードもなく、他パーマネントのカウンターを管理するカードも《オゾリス》くらいなので。

オゾリス

1.6.飛行・瞬速・威迫・トランプル・警戒

クオーツウッドの壊し屋

MTGではおなじみのキーワード能力ですが、今回の有効2色のマルチカードではこれらの能力を参照しています。

今更飛行を改めて重要視することもありませんが、例えばドラフトの際に2択で迷った場合の判断材料くらいにはなるかと思います。

1.7.パワー4以上

眷者の居留地》のトリガーです。覚えておかなくてもいいですが。

眷者の居留地


2.環境の評価

2.1.クリーチャー

サヴァイの剣歯虎

パワーとタフネスの合計値の平均は以下の通りとなります。

2マナ=4
3マナ=5
4マナ=7
5マナ=9

3マナ・4マナ・5マナにそれぞれ開きがあるため、純粋に「中型はマナコストが高い方が戦闘能力が高い」と判断することができます。《狩り立てられた悪夢》だけ例外です。

狩り立てられた悪夢

また、前エキスパンション「テーロス還魂記」のリミテッドで注目された《激浪の亀》に何かの味を占めたのか、このエキスパンションにも1マナ0/5の《神盾の海亀》がコモンの壁として収録されています。

神盾の海亀

調べてみると、5以上のパワーを持っているのは全レアリティを見ても5マナ以上しかなく、唯一《雲貫き》が変容4マナで唱えられるだけです。そのため、前回同様「亀は壁として非常に硬く機能しやすい」と言えます。

薄暗がりのセンザンコウ

これが3マナ1/5の《薄暗がりのセンザンコウ》になると、1マナ上相当のマナレシオしか止まらないため、自身のパワーが1しかないことも相まって、採用は厳しいと思われます。これは、《晶殻ガニ》にも言えることですが、こちらは瞬速とのシナジーが期待できます。

晶殻ガニ

最も、この環境は接死カウンターを乗せたり、誘発能力や+1/+1カウンターなどのサイズアップが比較的容易に発動する環境(と思われる)ため、あっさり突破される可能性もあります。筆者が亀に引っ張られ過ぎているだけかもしれません。

夢尾の鷺

なお、飛行については白、青のコモンに多くありますが、パワー3以下、タフネス4以上が多いので同じ色同士だと睨み合いやすく、赤と緑のコモン到達持ちクリーチャーはどちらも5マナ(うち1種類は前述の《雲貫き》なので変容だと4マナ)のため、こちらは逆に土地が止まると殴りきられてしまう危険が高いです。

ハエ捕り長首

2.2.除去

平和な心

前述の変容の解説でも話した通り、オーラと違って変容先のクリーチャーを対処しても「フィズらない」ため、たとえソーサリーであろうと確定除去の方が推薦されます。また、《平和な心》や《捕獲球》は変容した際の誘発能力までは防ぎきれないため、従来に比べると相対的にカードパワーを低めに換算せざるを得ません。(殴れないクリーチャーに変容する可能性は高くないですが、誘発能力使いたい+他が人間だらけということもありますので)赤のダメージ除去系のインスタントも同様に心もとなく、3種類の格闘に関してはサイズアップがありません。

血液凝固

これらを加味して、環境最強のコモン除去は消去法で《血液凝固》を個人的には評価しています。また、変容で唱えたクリーチャーを対処できる打消し呪文、特に2マナで構えることのできる《本質の散乱》はいつも以上に強いと評価しています。

本質の散乱

まとめとしては、今環境はクリーチャーが比較的強い環境であり、マナレシオは守備よりで、それを変容・サイクリングの誘発能力やキーワード・カウンターなど各色の得意分野を駆使して戦っていくアーキタイプ色の強い環境だと考えます。


2.3.色毎の評価

主にコモンのカードを中心に評価していきます。発売前なので完璧に主観です。

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