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シリコンバレー研修:DAY8

人間が運転しない時代:Woven by TOYOTA 

事実上の最終日、開幕 


二つあるWoven by TOYOTAのうち招待されていない方のオフィスに訪問するという珍プレーから始まった8日目のWoven by TOYOTA訪問。急遽時間を伸ばしてもらうなどの対応を頂いた。江坂さんに担当していただき、説明をなどをしていただいた。 

 見学などに必要な署名を済ませるとまず、スマートフォンを回収されてしまった。そんな、さながらエリア51の様なセキュリティから、TOYOTAが開発などに真剣に取り組んでいるのかを感じることができた。しかしながら、こんな事情から体験談に臨場感のある写真が添えられないのは許していただきたい。 

いざ、技術と触れ合う

 
 スマートフォンを回収された後、我々は4台の開発車両に案内された。右から、ノーマルのLexus LS、レベル4自動運転の実験装備を装着した同車種、自動運転用の路面記録設備を搭載したToyotaプリウス、最新の生成AI技術を搭載したToyota bZ-4Xが並んでいた。そのさながらモーターショーの様な光景に、我々はその頃降り始めた雨は気にも止めずにその車両の説明を受けた。 

レベル4自動運転設備搭載車


まず、レベル4自動運転設備搭載車の説明を受けた。この車は、LexusのフラッグシップセダンであるLSの屋根やフェンダーにカメラ,レーダーを搭載したものでなんと常時電子レンジ2つ分の電力を消費すると言う。この車両の搭載するレベル4自動運転とは、「特定条件下における完全自動運転」のことを指し、これはすなわち、車両が自動走行中に何かしらの問題が発生した場合、操作をドライバーに委ねることなく完全にシステムが車両を停止させることができる、特定の範囲であれば運転手がいなくても、遠隔システムの監視があれば走行できる状況のことを言う。未収録の道でも完全自動運転を行う完全自動運転(レベル5)の一歩手前と言われるこの技術は、「Waymo」、「e-Palett」など実現されつつあるが、市販車には未だ搭載されていない。 

その技術を可能にするレーダーの視界もモニターから確認できたのだが、それは我々の一挙手一投足捉えるほど正確に広範囲を見渡していた。きっとそのレーダーは、そんなただならぬ雰囲気を発する車両の運転席でLSに標準装備されるマッサージシートに夢中だった我々の姿も捉えていたのだろうか… 
 

道路データを取得する車


 その次は、屋根に肥大化したルンバの様なカメラを載せたプリウスの話を聞いた。これは先述のLSベースの自動運転車の自動走行のための道路データを取得する車だとの説明を受けた。その莫大なデータを貯めるハードディスクの容量はなんと実に13テラバイト。しかもその量のデータのアップロードには途方もない時間がかかるため、ハードディスクを交換しつつデータを取り続けるという。自動運転実現のためにいかにリソースを割く必要があるのかを身をもって体感した。 

 最後の車の屋根に、カメラやレーダーはついていなかった。最後のbZ4Xには、車載システムに生成aiが組み込まれており、ドライバーの感情を認知する、など色々な機能があるのだが、自分が特に驚いたのは、指を追う技術である。車内の幾つものカメラが、ドライバーの指差した先を認識するのだと言う。実際、自分が指を左右に振ると、その動きを感知してダッシュボードをledの光源が指に呼応するように左右に移動した。その機能を生成AIと組み合わせ、指さした先にある建物について教えてくれる、指差しながら指の先のホテルの料金を聞けばそれを教えてくれるなどして、車の知能化に貢献していくようだ。 

 そしてちょうど強まる雨を気に留めざるを得なくなった頃、交流の場は室内に移った。 

会話セッション 


この室内セッションで、こちらが用意した事前質問への回答、質問タイムを実施した。事前質問は「レベル5自動運転実現への障壁について」(以下質問①)「電気自動車が必ずしも環境に良いとされなくなった現代において電気自動車の真の価値とは」(以下質問②)の二つだ。

①レベル5自動運転実現への障壁

質問①についての江坂さんの答えは、自動運転におけるレベル4とレベル5の違いの説明から始まった。レベル4は収録済みの範囲を走行し、何か問題があればコントロールセンターが操作を代行してくれるが、レベル5では収録されていない、知らない場所をコントロールセンターの助けなしに走行しなければいけない。だから、レベル5の実現までのハードルは高いのだ。自分はてっきり実用化されないのは法整備が整っていないからだと思っていたから、本当に勉強になるなと、ノートの上のペンを走らせた。 


②電気自動車の真の価値とは

そして質問②。江坂さんは「トヨタモビリティコンセプト」を紹介する動画を見せながら説明してくれた。モビリティのカーボンニュートラルには電気自動車以外にも、水素など、色々な選択肢を設ける必要がある、電気自動車は単にガソリンを電気に置き換えるだけでなく、そのバッテリーを生かしてインフラの一部になる必要がある、そもそも車輪が4つついていなくてもいい。など、トヨタ自動車が世界の自動車会社のリーダーとしてこの問題にフレキシブルに対応しようとする姿が見えて、車好き、トヨタ好きとして嬉しさを覚えた。 

まとめ 

これまでずっと海外企業を見てきて、将来海外で働くビジョンを想像する時は潜在的に海外企業のことを考える様になっていたが、この訪問で、日本企業に勤めながら海外の支部で働くという道を知ることができた。また、これまで会ってきた人たちがたびたび言っていた、「海外を知る前にまず日本を知ること」と言うのを、今回シリコンバレーにおいて日本企業に訪問できたことで体現できたと感じ、シリコンバレー研修一同、一歩成長できたと思う。 

編集者:4年 藤庵 純嵩


WiLの琴章憲さん

この時代で生きる秘訣:琴章憲さん



ついにシリコンバレー研修ラストの訪問!!大トリはWiLで働いている琴章憲さんです。

琴さんってどんな人?


琴さんは、WiL(World Innovation Lab) というシリコンバレーと東京を拠点に国内有数の大手企業とパートナーシップを組み、日米を中心に有望なベンチャー企業の発掘・育成・投資を行っている会社で働かれている日本人です。高校3年生の頃にアメリカに移住、ローカルな生活を見た際にアメリカで通用する人間になりたいと思ったことをきっかけに現在も最先端を走るシリコンバレーで生活出来る人になったそうです。

今を生きるための新しい概念とは

現在、AI (After Internet) 技術が発達している世界ですがBI (Before Internet)との概念の違いに気付く大切さを教えてくました。まず、BIの場合何か課題を達成するときに目的型になるそうです。スタートからゴールに辿り着くことを目的として例えば山登りをするのがBIの概念です。AIは展開型になるため常に何かを達成・課題に向き合うため、そもそも本当の課題とは何か深く考えサーフィンのように、波を探してタイミングを捉え緊張感を持つことが大切になってきます。私もゴールすることだけを目的にせず、そこから何か発展できることは無いか考えていきたいです。

現代大切な“LTE“について 

現代で活躍するにおいて大切な3つ言葉、Love・Thanks・Enjoy、合わせてLTEを心がけることの大切さについて教わりました。自分がどのように人に貢献できるか常に考え人に提供をし続けることでこの3つは自然と身についてくるそうです。
これ言葉は私がどんな行動をすることで誰に対して貢献できるのかを考えるきっかけをくれました。

“Yes、And “/ “Yes,but“

誰かにどこか行かないかと誘われた時なんと返答しますか?知らない間に相手を否定をしている場合があるのです。これを身近に感じるために琴さんはワークショップを行ってくれました!

隣の人とペアになり1人は〇〇に行きませんか?と聞き相手が ”Yes、And” (いいですね、さらに…)と”Yes,but” (いいですね、でも…)の2パターンを返答し続ける体験をしました。この体験で “Yes,but”は肯定しているようで否定しているため、新しく発展することがないことに気づきました。一方、”Yes、And”の場合肯定した上で発展した会話ができるため批判や否定のない安心した空間となります。

琴さんはこのワークショップを通して、”Yes、And”の良さを教えてくれました。
このように、日々のちょっとした会話でも誰のことも否定や批判をしない人間になれるよう「Yes, And」を使い続けたいと思います!

大切だと思った琴さんの言葉


・誰も見ていないところでの行動はとても大切
・「チームへの貢献」
・変化のスピードを早く
・自分が貢献できることは何か考える
・自分の“内“を知ろう
・得意領域を知る
・苦手なものが得意になるまでやる

編集者:3年 熊﨑凜

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