どうもみなさん、だまてんです。僕はとても複雑な思いで、３月１日を迎えることになりそうです。それはなぜかって話を今日はしていこうと思います。ぜひ最後まで読んでください。ついでにスキもよろしくねっ(*´з`)

・JRAの新たな試み
もうみなさんはご存知かと思いますが、３月１日からJRAは新ルールを適応します。それは「女性騎手恒久２キロ減制度」です。中身は簡単ですが一応知らない人のために説明すると、「女性騎手はこれからずっと斤量が２キロ軽くなります」ということです。ちなみに勝利数によって４キロまで軽くなります。それが一体何を意味するのか？
競馬ではレースごとに「斤量（きんりょう）」といって57㎏とか55㎏とか「馬の負担重量」が決められます。それがどうやって決められるのかはまた別の機会に話すとして、その斤量がレースに結構影響してくると考えられています。よく言われるのが例えばマイルだと「斤量1kg＝0.2秒（1馬身）」と言われています。距離が1200になれば半馬身で長距離になれば２馬身といった説もありますが、はっきりとした根拠がないとはいえ影響があることは確かです。事実としてフランスでは2017年に斤量２kg減の制度を実施していて、その効果で騎乗数は２倍以上で勝利数は３倍以上になりました。ちなみにフランスでは女性騎手が多く全騎手のうちの６分の１が女性騎手です。さすがにここまで変化が出てしまうとチート級と判断されて2018年には1.5kg減に下げられました。もちろん全て知った上でJRAは2kg減を選択してるので、女性騎手にチート級に結果を出させたいといったことがわかると思います。

・その制度の意図は？
JRA競走部番組企画室の柏田秀治室長は「過去の女性騎手は十分な騎乗機会を与えられず早期引退してきた。藤田騎手だけでなく、今後デビューする女性騎手が長く活躍できるように設定した」と、この制度を実施する理由を明かしています。JRAの女性騎手は現在は藤田菜七子騎手しかいません。なぜ今こんな制度が実施されたのかを個人的な見解ですが話していきたいと思います。それは簡単に一言でいうと「JRAが売上を増やしたいから」です。JRA唯一の女性騎手としてデビューからずっと注目を浴び続け、またテレビへの露出も他の騎手よりも圧倒的に多い藤田騎手の今後の活躍が、今後のJRAの売上に大きく影響してくることは目に見えています。最近の例だと、G1のフェブラリーSのときにコパノキッキングに騎乗したときです。売上は前年よりも17％増加、来場者数は21％増加しました。藤田騎手だけのおかげではないはずですが、影響はかなりのものだと思います。その後の佐賀競馬で騎乗したときも来場者が多く増加し、売上はなんと２倍以上にもなったそうです。もう完全にアイドルジョッキーというような状態です。JRAからすると、これは利用しない手はないといったことでしょう。しかしこれは、本当に良いことなのでしょうか？誰も損しない話なのでしょうか？

・「女性騎手」とは？
藤田騎手は現状では乗鞍が増えてきたものの成績はまだ若手同士で争うほどで、実力はおせじにもまだ「リーディング上位に入れるほど上手い」とは言えません。しかし今回の制度が実施されるにあたって騎乗依頼が殺到しているようで藤田騎手に合わせたローテも組まれるほど人気爆発中だそうです。もちろんこれは「減量が魅力」なのであって、藤田騎手に頼みたいといった依頼とは少し違うように感じられます。乗鞍が増えれば藤田騎手が勝つ可能性や経験値を得る機会も増えて成長につながるのも事実です。しかしこの「減量の魅力」にとりつかれた馬主厩舎サイドは藤田騎手を見ていませんし、騎乗数増加による集客増加や売上増加を狙うJRAも藤田騎手のためを考えているわけではありません。藤田騎手は以前「騎手になりたかったのであって、女性騎手になりたかったわけではない」と言っていました。これはかなり大事な言葉だと思います。アイドルジョッキーとしてではなく一人のジョッキーとして結果を出し強くなりたいといった思いが感じ取れます。まだ若いですし、大人の欲望に振り回されてジョッキーとして戦えなくなってしまうのではないかと不安になってしまいます。勝負の世界で男女で待遇を変えてしまうのは、本気で戦いに来てる女性騎手にとっては複雑な思いではあるはずですし、これで重賞で勝ってもどうしても「軽いから」といったことを言われてしまいます。女性騎手を「客寄せパンダ」として使う気まんまんのJRAですが、多方面からのプレッシャーに負けずに彼女なりのペースで腐ることなく、ジョッキーとして一流を目指して頑張ってほしいと応援しています。フェブラリーSでインティが勝ったとき、真っ先にカメラで抜かれたのはコパノキッキングでした。それが女性騎手の扱いの全てを物語っているのではないでしょうか。