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二律背反

就職が決まったあたりから、かなり自分のライフスタイルを変えるようなことがいくつもあった。
今までの自分のひとつとして存在していた、文章を書く私は、その辺から鳴りを潜めていた。というかそもそも、文字を綴るのは、負の感情からによるものが一番多く、次点で一人で長時間すごした後のモラトリアムで。
これからもっとそのような時間は少なくなる。なんならそんなこと考えてる暇なんて無くなっていくだろう。
でもこれも私だ。放置していた身で言うことでもないが、老後までこの私とは一緒にいたい。

人と関わり合い、一緒に過ごすことはとても魅力的なものであった。中毒になるほどにそれに甘えた。
そう、中毒になったのだ。黙々と何かに打ち込むことは終ぞ無くなってしまった。常に誰かの声を欲し、他人の存在がある現状が当たり前だと思うほどになってしまった。決して何も誰も悪くない。ただそうなってしまっただけで。

非常に、非常に、気色が悪い。
他人は他人だろう。私は私のためにあるのだろう。
何を甘えたことをしている。私は。

私の生はただ私のために。過程において必要なら、他人のために何かを為すこともまた良いだろう。しかし、それは本筋ではないことをゆめ忘れるな。
私が私を全うするために、必要なことをただこなせ。
容赦せず完遂しろ。
執念深さと集中力が私の一番の取り柄だろう。
今の私と過去の私を両立すること。
ただそれだけでいい。私の概念を広げろ。

私を取り囲む人間関係ににこやかに笑いかけつつ、冬の朝の海辺にノスタルジーを感じるようなこと。周りの人間と関わりつつ、表現を仕事として一生していくと決めた以上は、矛盾した2人の私を別側面で同時運用しなければならない。
幸せの絶頂でありつつ、不幸のどん底に居るべきだ。

もうさすがに眠い。以上とする。