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修徳高校が私を甲子園に連れて行ってくれた話

夏。高校野球が始まった。
昨年の夏、世間は清宮くんブームの真っ只中であった。
清宮くんを一目見ようと、東東京大会には多くの人が訪れていた。
朝起きて、適当なタイミングで神宮球場に向かう。
「今日も良い日差しだ」と観客席に腰をかける。

すると、何やら氷と高校名が書かれた団扇が支給された。
球児のお母さん達が、猛暑の中の観客を気遣っての行動である。
感謝の念を抱くとともに
「修徳高校」と書かれた団扇を手にした私は
無条件で応援団の一員になったのである。

試合は準々決勝。

修徳高校ー東亜学園
9回2アウト。
修徳高校7ー1東亜学園という展開。

あとアウト1つ。

その1つが大きかった。

いつまでも1つのアウトが取れない。

サイレンが鳴り響く。

修徳高校7ー10東亜学園。
9回2アウトからの、東亜学園の一挙9得点の大逆転劇。
参照記事「高校野球ドットコム」:http://www.hb-nippon.com/sp/tokyo/report/1710-hb-tokyo-game2017/16820-summergame

あれだけ元気の良かった修徳高校応援団も、
ただ呆然とするしかなかった。

試合後
すっかり修徳高校側の人間と化した私は
球児たちが出てくるのを関係者とともに待っていた。
やがて監督、球児たちが帰り支度をして出てきた。
バスに乗る前に監督と主将の挨拶があった。

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無条件に溢れ出る涙。

全力でプレーする高校球児がいて
それを支えるチームメイトや友人、家族、恋人、後輩、高校野球のファンがいる。
全然野球なんかに興味がない私が高校野球を観に行く理由は
高校野球は感情の集合体だから。
高校野球は球児たちとその家族、友人、後輩、恋人が作り上げた青春の1ページだから。
全然関係ない第3者もその1ページに載りたくなっちゃう位その青春は熱くて尊い。

私はその年、修徳高校がみたかった景色はどんなものかと思い
甲子園の開会式を観に行った。

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それから一年。

2018年夏。
修徳高校が再び甲子園を目指す。

7月18日。
4回戦 淑徳巣鴨0-11修徳
5回コールド。

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修徳高校の夏は、まだ終わらない。


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