見出し画像

カイロ国際ブックフェアに行ってきた!


先日のこと、毎年1月下旬から2月下旬にかけて、ナスルシティにある国際展示場で開催されている「カイロ国際ブックフェア」に行ってきました。

赤いマークが会場。
バスで30分強の場所にあります。

入場料はなんとたったの5LE(約25円)!

見渡す限り本本本...…本好きにはたまらない空間。
本もいっぱい、人もいっぱい!

エジプト国内はもちろんのこと、シリア、レバノン、イラク、サウジアラビア、クウェートなどの中東地域、モロッコやチュニジア、スーダンなどのアフリカ地域の出版社・書店が一同に会するイベントです。
政府機関や財団、各国大使館などが出展しているブースもあります。
日本のブースもありました!

日本国際交流基金カイロ支部のブース。
ひらがなや漢字を書いてみよう!というイベントには長い列ができていた。
エジプト軍のブース。
キーホルダーや艦船のプラモデルなど、
軍事アカデミーのグッズも売っていた。

広大な敷地内にはスナック&スイーツ&食事ができる屋台や雑貨店も並び、家族連れで賑わう一大イベントになっています。
ありとあらゆるジャンルの本が並び、見た限りでは20~70パーセントオフ(!)の割引をしているところも多かった印象でした。

こんな感じで割引やセールがある。
さすがエジプト開催、アブダビの書店だが古代エジプト関連の本が充実。


大きな書店であればクレジットカードも使えますが、ブースのほとんどは現金払いです。とはいえ、敷地内には移動式ATMもあるので安心です。

行き方


①UBER、②バス(オートビースと呼ばれている)、③マイクロバス(8人乗り前後のミニバン)で行く方法があります。

①UBER:一番簡単だが割高。時間帯にもよりますが、片道120LE前後。
②オートビース、マイクロバス:運賃は7.5, 11.5, 20LEのいずれか(2024年1月現在)。
ダウンタウンから出ている路線は、タフリール広場から北に少し歩いたところにあるラムセスホテル前の広場、Abdul Monieb Riadから出発します。
マイクロバスが大量に停車しているので、場所はすぐ分かります。

バスステーション、アブドゥル・ムニーム・リアドの場所。

路線

Mwasalat社のM5(カイロアメリカン大学行)、あるいはCTAのブックフェア行ポスターが貼られているバス(多数)
「マアラド・クトゥブ(ブックフェアのこと)に行くか?」と聞くと確実です。
車掌が「マアラド、マアラド、マアラード!」と叫んでいるのでわかりやすいです。

Abdul Monieb Riadを出た後は、ナセル駅前、ラムセス駅、アッバースィーヤ駅等を経由して会場まで向かいます。

帰り方

帰りは、会場を出たところで待つオートビース、マイクロバスに乗ることが出来ます。
運転手が行先を叫んでいるので、それを聞き分けて目当てのバスを探します。
例えばダウンタウン方面なら、
「ラムスィース、ラムスィース!(※ラムセス駅行き)
「アッバースィーヤ、アッバースィーヤ!
(※メトロのアッバースィーヤ駅を経由してダウンタウン方面まで行く)などの叫び声が聞こえます。
夕方18時過ぎの時点でも次々とバスが来ていたので、乗れないということはなさそうでした。マイクロバスだと15LEほどかかります。

ブックフェア内部に潜入!!

ここ数年のブックフェアではアプリが導入されており、チェックしたい出版社や、欲しい本をアプリ上でリストアップすることができます。
目当ての書店・出版社がどのフロアにあるのかもわかるようになっているので大助かり。
なにせ、これが分からないと広大な会場で当てもなく彷徨うことになります…。

こんな感じのアプリ。
アラビア語にしか対応していない。
ホール2に出店していた出版社。
恐ろしい数が揃っている。これがあと4つも…。

会場では子供向けの本を扱った書店も多く、家族連れで大賑わいでした。
アラビア語の絵本や写真集などは、インテリアやお土産にもよさそうです!
エジプトでの開催ということもあり、古代エジプト関係の本や写真集も充実。
記念に買って帰るのもいいかもしれません。

東京でいう神保町のようなカイロの古本屋街、アズバキーヤも出展しており、1冊10LEや20LEの本が並んでいるエリアは人気のあまり大混雑でした。

イスラーム神学や法学を学んでいると思しき学生の集団も多く、宗教書や法学書、クルアーンが並んだ書店にはアジアからアフリカまで、色々な国からやってきた学生が本を購入していました。

昨年のブックフェアの写真。
クルアーン専門の書店もたくさん!
クルアーン用の書見台や栞、本にかけるカバーも売っていて、見て回るのが面白い。

私も研究に使えそうな本を探すつもりで来ていたので、大量の法学書やクルアーンの解説書(タフスィール)を買っている学生と思しき人達を見て親近感がわきました。

多くのブースでは書店主本人が店番しているので、「こういう本が欲しい」と伝えるとどこからともなく探し出してきてくれることも多く、アラビア語の練習にもなります。

昨年のブックフェア。
何故か「生き甲斐」という本が人気。
イスラーム建築についての本を出してもらった。
棚と言わず床と言わず大量に本が並ぶ。
漫画のコーナーも!
「マンガ」とアラビア語で書かれている。
カイロの神保町的なエリア、アズバキーヤのブース

食の楽しみ

ブックフェアの会場はとにかくだだっ広いため、会場1つを回るだけでも熱気と人並みでへとへとになります。
そんな時は外の広場に並ぶ売店での買い食いが気分転換に!

フライドポテトとチキンのクレープ。
エジプトでは、クレープといえばスイーツよりも
食事系の方が多い。

シャワルマやクレープ、ハンバーガー、ピザなど手軽に食べられるものから、ガッツリと食べられるチキンや牛肉のグリル定食なんかもありました。
コーヒーとスイーツを楽しめるCilantro, El-Abdといったチェーン店もあり、休憩に合わせて食べたいものを選ぶのも楽しいです。
おすすめはザラベーヤという揚げドーナツ!山のように盛られた丸いドーナツに、チョコソースや粉砂糖、シロップといったトッピングを選んで注文します。ドーナツ自体はそれほど甘くないので、パクパク食べられてしまいます。

粉砂糖たっぷりのザラベーヤ!
ザラベーヤスタンド。
ポップな字体がかわいい。ワッフルもあった。

どんなものが買えるのか?

私は昨年も今年も3~4日間通い、それぞれ40冊近く購入しました。 
例えば、今年は新刊本を中心に30冊ほど買いましたが、それでも合計3万円もしないくらいの値段で購入できたのでかなり安いです。
これでも、年々書籍の価格が高騰しているというのだから驚きです。
たしかに、ベイルートやバグダード、湾岸系の海外の出版者の出版社の本については、高めの値段設定のようでした。

今回買ったもので一番高いものだと、新刊本の小説が1冊500LE(2500円弱)、写真左の「Minarets of Cairo」という写真集&研究書に至っては、なんとセールで300LE(1500円弱)でした!

カイロの都市史・建築史、アラビア語史料の校訂本、アラビア語教本、歴史小説などなど。
このときは新刊本を中心に購入。
これだけ買って合計1万円しないくらい!

特にびっくりしたのはエジプトの出版社。
6冊近くも買って1000円もしないというところがありました…!
中古では無いにしろ昔出版されたものの在庫ということもあったのかもしれませんが、それにしても安かったのでびっくりです。

この時期にエジプト旅行に来ることがあれば、少し足を延ばしてブックフェアでアラビア語文化に浸るというのもおすすめです!

平日でもこの賑い!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?