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うさぎちゃん -12-

あんなに心を焦がしてうさぎちゃんと会えなかった日々は何だったのだろう。今日は何と3回も遭遇したのだった。

こんなにラッキーだと、却って単純に喜べない複雑な気分だ。やはり、多少は焦らさせる方が、彼女の特別感が増すというものだ。同時に、私はどうもこんなにも身勝手な人間なんだと呆れる思いである。

とは言え、今日は何が素晴らしかったかというと、異なる角度からスケバンのうさぎちゃんと遭遇できたことだろう。最初は3メートル離れた斜め横、次は5メートル離れて正面、そして三度目はうさぎちゃんが1メートル先に背中を向けて私の目前で座っている。

これは「うさぎちゃん360」とも言えるこれまでに一度もなかった奇跡である。

もしかして、スケバンのうさぎちゃん、地味にアピってるのかな。などと、有りもしないはずの都合の良い解釈をするあたりがおっさんの烙印を押される由縁だろう。

火をつかわない蒸気式タバコを吸うようになったうさぎちゃん。
もう、ライターの火を貸すことはできないが、私の心はいつも恋い焦がれて煙がくすぶっているようだ。

次なる手は、その蒸気式タバコってどこで買ったんですか?と語りかけてみる、とか。
いかにもわざとらしいが。

ハァ?そんなのネットで調べろやコノクソ親父。

そもそも、そんな会話ができるよりも遥かに手前にいる我を憂い、またひとつ、ライターでタバコに火をつけた。
焦げる匂いと焦がれる想い。。。

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