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「理解」するということ-1/24 ダモクレスの金塊


ダモクレスの金塊面白かったですね!(いつの話!?)
\\\٩(*⌒∀⌒*)۶///


ほぼ完成してた記事を放っておきすぎて2か月ほど経ってました。
化石記事見つけた。見つけたよー。

以下は2か月前の私が書いてた内容です。
タイムカプセル的な感じで、もしお暇があれば、ぜひ。





めちゃくちゃ今更ですが、ダモクレスの金塊です。最高公演。
私はこの最高公演の話を、考察を、構造の話をしようとしています。
構造なんてないですよって言われたら私の妄想でしかない話しすぎてしまうんだけど、受け取った上でのアウトプット、したくてさ・・・



ダモクレスの金塊!


面白かった〜〜〜!!!!!
\\\٩(*⌒∀⌒*)۶///



舞台の幕が上がりシン…とした空気の中始まる一条家の会話。
しっかりと演劇でありながら所々笑いもある。それこそフライヤーみたく、ベースの濃紺に淡いオレンジや蛍光イエローがマーブル状に混ざり合ったような、柔らかくも硬くもある物語だった。


何から語らいか。
物語のことも書きたい、でもまずは
「登場人物」について思ったことを書いちゃおう。



登場人物について

兄弟の2人ペアとして呼ばれた一条家、財前家、宝来家。

定点計画さんのラジオ「定点計画のポコネッケ」でも司馬さんが話されていた「このペアが一番しっくり来た」というこの配役。


この兄弟がそれぞれ「兄」と「弟」が正反対に書かれていることに私はワクワクしていました。

ちょっとだけ書いてみるね。



一条 翔平(ピュート:ポイントさん)
・普段小説を読む
・父親が遺した一つひとつを大切にしたい
・部屋に戻る
視野が広い(合間に父親が遺した本を読んだり、父親の亡骸を見つめている)

vs

一条 慶和(オフローズ:カンノコレクションさん)
・絵がないと本を読めない
・高く取引されている本でも枕にする
・部屋に戻らずソファ(椅子)で寝る
・物事の一点に驚く


などなど。
このまま他の一家のことも書くか!一旦!


財前 智也(ピュート:竹内さん)
・物事を論理的に考えて動く
・頭の回転が速い、二手先を読む
・背後に立つような声色
・人の心の隙間に入り込む
金塊というより兄に報いる方法を手に入れようとしている

vs

財前 愛貴(オフローズ:明賀さん)
・物事を感情的に考えて動く
・その場で状況を考える
・声を荒あげる
・暗示にかかりやすい
・大金が手に入ることを心待ちにしている


宝来 俊介(オフローズ:宮崎さん)
・飄々として喧嘩腰、人を焚きつける
・言葉のカウンターがうまい
・前に出て話題を仕切ることができる

vs

宝来 高德(定点計画:三部さん)
・一度懐いた相手にはベタベタ
・責められると言い返せない、自供する
・兄の後ろについていくタイプ(どうするんだよ、と兄に聞くなど)



といったところ。
私がこう見たいから、といった意味合いも含めて対照的な部分を並べさせてもらいました。


ダモクレスの金塊、兄弟構成はもうこのペアでないといけなかった気さえする。

司馬さんの意図があるかどうかは分からないんだけど、兄弟のうち一人は必ず眼鏡なんだよね。
いつもは眼鏡をしているポイントさんが眼鏡を外していたり、
キャラ的にも似合うけどいつもはかけていない竹内さんが眼鏡をかけていたり。
登場人物の構造的な美しさを勝手に感じてたよ~~すごい。


兄弟を描くことにおいて劇中でも「顔が似ていない」ことがピックアップされてセリフもあったけど、色んな所で対照的な登場人物たちだな~って思った。


「兄弟にしては似ていない」が「こんなにも対照的に違う」で物語生かされてるようで好きだった!

思いついた順に書き連ねていく。


財前 智也が求めたものは何だったのか問題。



これです。


登場時から人の心の隙間に入り込むことを得意とした財前 智也さん。

落ち着いた口調、考え方で感情派の兄をなだめたり心理分析によって人の印象に残りその証言をさせる姿が印象的だった。


金塊を求める兄弟として集められた6人。
でも、その中で財前 智也が求めたものは金塊よりも「兄に報いる方法」だったんじゃないかと思う。


「僕はですね、幼い頃からこのクソボケダメ兄貴のせいで人生を棒に振ってきた! ずいぶん割を食ってきた! だから僕は決めたんです。このクソボケダメ兄貴のようにはならないとね!」


この発言が財前智也の語る”金塊を手にする資格”。

金塊が欲しいというよりかはだいぶ兄に感情が寄っているように見えた。

愛貴「そうだ智也。お前の暗示で俺のIQめちゃくちゃ高くしてくれよ」
智也「(指パッチン)クソボケダメ兄貴」
愛貴「クソボケダメ兄貴~」
智也「いけェ~~~!!!」


一条 翔平さんが所有権を放棄し、
「翔平さんが見つけた真実以上のものを見つけられたらいけるんじゃないの?」と財前 智也自身が提案するものの、兄の提案には一切乗らないこの描写。

金塊を独り占めしようとしたのも「兄の思い通りにはさせないため」という部分に比重が寄ってる気がします。


財前 愛貴さん、声を荒上げて感情的に動く男性。
それはきっと幼少期から変わらず、それを弟はずっと見ていた。

喧嘩っ早い面を持ち、その立ち振る舞いのおかげで「アイツ財前 愛貴の弟だぞ」と吹っ掛けられた経験も、もしかしたら少なくはないんじゃないかな。

「ずいぶん割を食ってきた」と語る財前 智也さん。
金塊を独り占めしようと試みたと言っていたものの、明確に何に使うかは語っていなかったと思う。

目的もなく動く人だとは思えない。突発的に動くのは兄のすることだから。


心理学者になるべくコツコツ勉強して大学院に進学して博士課程を修了し、大学や各種研究機関で研究活動をしている、その理由は?


感情的に動く兄・財前 愛貴を自分の手のひらで踊らせ操るためだったんじゃないかと思う。


でもさ、
好きの反対は「嫌い」じゃなく「無関心」なんですよね。


財前 智也さんはずっと財前 愛貴さんをずっと恨んできた。
ずっと関心を持ってきた。
大学6年間を使い、人に催眠術をかけられるほど努力をしてきた。


もう今は覚えていないのかもしれないけれど、
幼少期にはお兄ちゃんのこと、大好きだった瞬間はあったんじゃないかなぁ。


大好きだったのにお兄ちゃんの後ろについて行ったら大変な目にばかり遭う。何も考えずに動く兄の余波は弟に響いていた。
財前智也は兄のせいでずいぶんと「割を食ってきた」。


意識的にでも無意識的にでも、財前智也が「兄を支配したい」という思いで金塊を求めていたのかもしれないと思うと、人間としての歴史と愚かさと愛おしさを感じるよね…………



特に対照的というほどではないけれど、それに対して
一条家の仲の良さ、微笑ましくなっちゃうよね!


一条翔平「かわいいやっちゃで」
が愛情表現として光っていた一条家。
実はあれポイントさんのアドリブらしいですよ。(引用:インスタライブ)



父親・しゅうぜん氏の行動


しゅうぜんさん、余命を宣告されて「息子たちに会いたい」と思って今回の遺産を血のつながった息子たちに渡す、って言ってるけど、
今日(こんにち)よりも前にそれぞれの息子へ正体を隠した状態で会いに行ってると思うんだよね。


翔平「シラクサさん、以前お会いしたことありますよね?」
「……何のことだか」


これは一条 翔平が職業柄「一度見た人の顔は忘れない」という特殊スキルを持っているから本人に言及できたこと。

「鼻が利く」というスキル持ちの一条 慶和は過去に顔を合わせていたとしても忘れてしまっている。

だとしたら?
生き別れた息子ただ一人にだけ会いに行っているとは考えにくい。
もしそうなら他の息子に会いに行かない理由が別途必要になる。


そして「息子たちに会わなければ」と今回の集会をおこしたことに矛盾が生じる。もし一条翔平にのみ会いに行っていたとしたら一条翔平にだけ「理解」されれば良いはずなので。


きっとしゅうぜん氏は事前に息子全員へ顔を見せている。そう思う。

だから遺言書を開封すると言って集めたあの夜、しゅうぜん氏は既に息子全員の顔を知っていたし、それを覚えているはず。


「翔平さんのお母さんはさぞお綺麗なんでしょうね」


しゅうぜん氏のこのセリフ。
全てを知った後にこのセリフを振り返るとなんとまぁ自己満足に言ってみたセリフだこと。
知ってるだろ……綺麗なこと、知ってるだろ…!



もはや惚気かもしれないこのセリフ、妻のことを息子がなんていうのか聞きたかったのかもしれない。

「シラクサ」さんの名前自体が「ダモクレス」の引用、「ダモクレスの剣」が元となっている「シュラクサ(日本語訳:シラクサ)から来てることから、登場人物にも意味ありそ~! ってテンションあがっちゃった



一条翔平のバーに一度訪れていることからして、結構直接的に顔を合わせているんじゃないかなぁ。
一条 慶和にはペット捜索を依頼しに事務所を訪れているかもしれない。
財前 智也には、財前 愛貴には……





しゅうぜん氏としては息子たちの目の前に現れるわけにはいかなかった。
「シラクサ」として正体を偽らなければ息子たちと遺産の話をできなかった。

なぜか。
羨まれる権力と栄華は同時に命の危険を伴うから。


「ダモクレス」と言えば「剣」、ギリシア神話で語り継がれる「ダモクレスの剣」がある。

タイトルから、しゅうぜん氏のセリフから必ず関連しているこの神話。

「生きている」間ずっと、椅子に座り続けている間ずっと、天井から剣を吊るされているような生き心地だったんだろうな。


そしてそれを"理解"するとは。
最後に「君は私を理解できるか?」の問いかけは、主人が死んだとしても尚、任務を遂行し続けることができたからこそかけた声だったのかなぁ。



とかね🌟


智也「駿介さん、ずいぶん冷静なんですね」

ここ、眼鏡同士で性格も比較的に通ってる二人がばちばちなのたまらん


えへへ、最後のここ書いたの次のオプトーバーが発表されてからだから内容薄くなっちゃった、へへ……



オプトーバー8!!!!!
永遠と楽しみ!!!!!!!!





(次回、『エンティティ・オブ・ザ・デッド』でお会いしましょう。)

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