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あおぐろいそら

川べりをずっと歩いていられる長い道
さっきまでの夕焼け大盤振る舞いももう終い
背丈が父親の腰くらいの男の子が
川をのぞく手すりにもたれ、二人して居る
通りすがりに聞こえてきた声は
「ねえ、空があおぐろいね」
「そんな言葉は無いよ、青黒いだなんて」

あったのだけど、私達のうち誰も知らず
男の子は青黒い、を創り出し
あおぐろい空を出現させた
それから日の暮れる度、あおぐろい空を見ている
一番の初めにそれを発見した人と、その間の何人もの女の子男の子たちと
ビーズのように繋がって

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