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⑦モモナとちびウサギ

「まずは、おもちをどうぞ…………」
ほんのりと甘く、優しいおもちの香がモモナの口いっぱいに広がります。
するとまるるが黄色く光り始めました。
「わあ!モモナの幸せな気持ちがほわ~っと伝わってくるよ」
「ほんとにおいしい。ぎゅ~っと、幸せが丸めてあるみたい」
その時、周りからワッと歓声が上がりました。

どこから現れたのか、小さなウサギたちが、飛びはね飛び跳ね、踊っています。
「お師匠さん、良かったですね」「おもちの心がちゃんと伝わっています」
「嬉しくて涙がでます!」「嬉しくて飛びそうです!」「嬉しくてシッポが伸びます!」
「みなさん…………。あの、この子達は………ウチの弟子で、
その……一緒におもち道を歩いてくれる同士なんです。」
「もっとたくさんの人に!」
「もっとおもちを!」
「届けおもちの幸せ!」
「あ、お茶をどうぞ」

「……お騒がせしてすみません、それで、あの……あらためてお願いがあるんです」
小さなウサギたちの耳が一斉に師匠の方に向きます。
「まるるさんを見てひらめいたんです。卵型の鏡餅をウチの……ウチの……名物にしたいって」
小さなウサギたちは拍手をしたり、肩をたたき合ったり大喜びです。
「まるるさん、モデルになって下さい、お……お願いします」
「もでる?」
まるるが今度は桃色になりました。
「七色……そうです!七色にします」


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