[KIWAコラム#001」働く、を再考する
どうしたら、働くモチベーションを維持できるのだろうか?
誰でも一度は考えたことのある主題だとおもう。
今日は、働く身体と働く音にヒントを得ようと思い、
実感していることを書いてみた。
2015年京都_
働く人の奏でる音の美しさに最近、ココロを奪われ採集しています。
1つ目のお気に入りは、西陣織の機織りの音。
こきみ良く、優雅で、厳しさもある。そして、どことなく悲しさも含まれ。なんとも愛おしい。
現在は、機織り機の音しか採集できておらず、今後は手織りの音も採集して行きたいところ。
2つ目のお気に入りは、京都市内に巡回するお坊さんの朝のお勤めの音。
3人1組で町の中を歩き回り、ある一定のサイクルに伴って「オーイ」と発声しつづける。3人の発声がカノンのように早朝響き渡る。
遠くから迫ってくる度にゾクゾクと得体の知れない恐怖感と緊迫感、恐いもの見たさで見てはいけない、聞いてはいけないような心持ちで今か今かと我が家の前にやって来るのを待つ時間が何とも言えない。
3つ目のお気に入りは、吉田剣鉾巡礼祭の夜稽古です。
3人1組になり鉾を差す。独特の足運び、前後に翻る鈴の踊る姿。鉾の受け渡しの際のかけ声なんか、とにかくぐっと来る。「はい。もろた。」鈴の音は途切れず鳴り響き吉田を清める。
ところで、働く人や物の音に興味を持ち始めたのはいつ頃だったろう。
思い返すと、自宅で指導するフェルデンクライス•レッスンに足を運んでくれた人達の仕事環境に興味を持ち始めたことがきっかけだろう。働く糧は、人それぞれライフスタイルや人生のステージによって変容することがわかった。時には、働くことに対して何をモチベーションに動いてよいか見失うこともある。そこで、機嫌良くからだをつくるにはどうしたらよいものか、と生徒さんらのために来る日も来る日も考えた。
その内、働くために必要な身体の機能や動きは、そう複雑ではないことが分かってきた。提案可能な動きの基礎は、たったの6つで後はバリエーションで成り立っている。
でも機能的に働くことばかりだと、身体が固まる。生きるリズムがいるよう。身体性や体力づくりに目を向けることに加え、音楽性を作業に追加することが最良の術ではないかと、考えるようになった。効率性をあげるために繰り返しの多い単調なリズムを転調したり、調べを変えてみる。そうすることで、意識もカラダの使いに変化が自ずと生まれてくる。こういったことを自覚的にできないだろうか。
効率性を強いられた作業には、効率性を求めたからこそできあがる特徴的な調べがあるように思える。それぞれの調べを自覚した上で、序破急のように作業の音を変えてみてはどうか。そんなことを実験して見ている。すべては、遊びモードで働く(人が動く)生態系を創造し、提供するため。
そんな境地(モード)の働く音を提案できないかなー。
当たり前のことかもしれないが、身体性と音楽性の相互関係の興味深さを実感している。小気味好い京都の働く音、いい。
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