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日記:水はどこで出会う?

レイモンド・カーヴァーの詩集「水の出会うところ」を読む。翻訳、黒田絵美子。最近は声を出して本を読んでいる。小説よりも、詩集の方が声に出していて楽しい。小学生の音読の宿題くらいていねいに読むように心がける。上手く、なめらかに読むんじゃなくて、目の前に赤ちゃんと老人がいて、その人達に読み聞かせているイメージで声を出す。まずはゆっくりと。句読点だけじゃなくて、文章をどこで切るか。声の抑揚。強弱。どうすれば目の前の赤ちゃんと老人に伝わるか。そんなこと考えながら読んでいる。手探りで何かをしているのも楽しい。レイモンド・カーヴァーを読み終えたら、トイレに置いてあるヘルマン・ヘッセ詩集を読もう。それから、足元に積んである舞城王太郎の詩集「Jason Fourthroom」を読みたい。

そんなこと考えながら声を出しているから、時々言葉のイントネーションが変になるときがある。言葉がなまる。今まで一度も口にしたことのない言葉になる。そんな時、ぼくはニヤニヤしていて、それをごまかそうとしている。何気なく使っている言葉でも、意識するとずいぶんとへたっぴになるもんだなと思う。

”遠くからは大きく見える 近づけばそれほどじゃない
からっぽに見えるけど きれいに澄んだ水がある”

天神の地下街を歩いていると、イヤフォンからハイロウズの「月光陽光」が流れてくる。なつかしくて、ぼくはニヤニヤしている。

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