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日記:ごまを絞るように。

朝、道を歩いている。イヤフォンから「melt bitter」「missed you」「Permanent Magic」「Strawberry Milk Ships」の順でさとうもかさんの音楽が流れている。温かいコーヒーが飲みたいけど、暑さに負けて、アイスコーヒーを飲んでいる。目の前で横断歩道の信号が青から赤に変わる。日陰のできないその場所で信号が赤から青へ変わる時間をまるまる待つ。信号を無視していく自転車配達員。

ごまを押しつぶすと油がにじみ出る。それを集めてごま油ができる。ごまの成分の約50パーセントが油。11万1千粒のゴマから、140グラムのごま油が取れる。ゴマひと粒から0.0013グラム。

自分の中の何かを絞りだして僕じゃない誰かが五感で感じることのできるものを作ろうとするとき、僕はごまのひと粒だなと思う。絞りつくしたところで0.0013グラム。ぎゅうぎゅうとゴマを押しつぶして出てくるそれがあれば、それだけでラッキーなのかもしれない。あるか?おでんのがんもや、高野豆腐のような人はいい。箸ですこし押されただけで、じゅくじゅくと沁み込んでいる才能がでてくる。そういう人もいるんだろうな。いいなあ。あこがれるなあ。

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