極私的法務あれこれ

0.はじめに
この記事は「法務系Advent Calendar2018」の12月10日分の記事です。
redipsjp先生からバトンをいただきました。

まずは自己紹介から。
現在、とあるIT系のベンチャーにて無資格のいわゆる一人法務として仕事をしています。
twitterのbioに記載していますが、社会人キャリアのスタートは公務員から始まっており、企業法務に転職してまだ4年目です。

なぜ公務員から事業会社の法務に転職したのか、というところについては「twitterに長しブログに短し」という感じになりますがそれはまた別の機会に。

今回はどういう内容にするのかとても迷いました。
あまりに迷いすぎて意味が分からないツイートをしてしまいました。
担当日の数日前とは思えない無責任おじさんです。

結局、色々と考えましたがチラ裏的な内容を徒然に書くこととしました。
日頃の業務におけるもやもやとか自分のキャリアに対するもやもやとかの棚卸しも含まれ非常に私的な内容となっており大変恐縮です。ただもう好き勝手書くと決めたので、暇つぶしにお読みください。


1.「攻めの法務」ってなんぞや
突然ですが、若干使い古されたネタでございます。
が、改めて個人的な考えを整理したいと思います。

「攻めの法務」という言葉は従来的(?)な「法務」に対する危機感、アンチテーゼ的なお話の流れで出てくることも少なくない気がしますが、FinTechの盛り上がりに前後して流行ったように記憶しています。ベンチャー(スタートアップ)の「おいおい、あのサービス大丈夫かよ」みたいな印象と相俟って胡散臭さを感じる人も少なくないはず。

ここにいう「攻め」「守り」というのはなんぞや、ということなのですが、私の理解をごく簡単に書くと、リスク(「不確実性」という意味ではなく損害・費用・手間を含めた「コスト」という意味です。)に対するスタンス(回避的か受容的か)と考えています。

このような法務のスタンスは所属する企業がどのようなフェーズにあるのか、どのようなカテゴリのサービスを提供するかによって大きく変わるはずです。
マーケットが成熟しており、シェアを大きく握っている大手企業がリスクテイクして「攻める」必要があるかというとそういうワケでもないでしょう。
他方で今まで存在していなかったマーケットをゼロから作り、成長させ、かつ、シェアも伸ばしていく必要のあるベンチャーがリスク回避的に「守る」ことが正しいかというと必ずしもそうではないはずです。営業、企画、エンジニア、デザイナー等様々な職種の中にメンバーとして入る必要があります。

これは当然逆のことも言えます。上記のような大手企業であっても新サービスの立上げの際にはベンチャーと同様の状況になるのであれば「守る」だけで良いはずもなく。またベンチャーといえどユーザーの生命身体にダイレクトに危険が生じるようなものであればリスク回避的であるべきでしょう。

少なくとも、私自身は「攻め」とか「守り」といったものはその時々で使い分けるべきもので、法務がどちらかのスタンスで固定して存在している、ということはないと考えています。
更にいえば、この「攻め」とか「守り」というスタンスのみで法務が評価されることはないでしょう。どのようなスタンスであれ、結局どういう「アウトプット」が出せるのか。ここに尽きると思います。


2.事業部との関わり方
上記のとおり「攻め」とか「守り」とか場合によっては「受け」という局面があるかもしれません。繰り返しになりますが、これは自分が所属する企業、自分が携わる業務の内容、状況によって大きく変わってくるはずです。

ではこの「攻め」とか「守り」というスタンスをどう決めるのか。
法務担当者が勝手にその時の気分で決める、なんてことはもちろんないでしょう。
ここではマーケットインという発想が大切だと思っています。そしてこの「ニーズ」は単に事業部担当者から表面的に出てくる内容だけではなく、いわゆる「インサイト」をつかみに行く必要があります。事業部担当者から丁寧にヒアリングします。ただヒアリングするだけではなく仕様書、見積書、営業用資料等までもらいます。これはまさに伝聞法則と同じ「誤り」が生じる可能性があるからです。実際に、自社担当者も相手方担当者も共通して認識していた契約条件と出てきた契約書ドラフトの条件が全く異なっている(相手方にとって特に有利となる内容ではなかったので騙し討ちというわけではないです。)ことがありました。

このような事業部との関係性の構築・維持って非常に大切で、特に「守り」
の局面で効いてくると思っています。いつも前向きな回答をくれている法務担当者がいつもと違って消極的な回答をしてきた、これはきっと事業部としても冷静に考えた方が良いはずだ、ということになりやすいのではないかと思いますし、実際に「話を聞いてくれている」と実感します。


3.法務としてのこれから
※結論はありませんのでご了承ください。
よく分からないトピックですが、ざっくりいうとキャリア論です。
これまでの法務系ACでも触れられており、結構ホットなトピックだと思っています。

最近、TwitterのTLでも法務から他の職種にキャリアチェンジされた方が最近増えたように思います。
私も上司からもどのコースに進むの?と言われました。

ただでさえ社会人デビューが遅く、公務員という法務のキャリアとしてはゼロと評価される期間が長かった自分としては非常に重いトピックです。

最近では他の職種にキャリアチェンジされる方も増えているようです。
うらやましくないか、と言われると否定はできませんが、私自身は今後も「法務パーソン」として生きていきたいと考えています。

もちろん自分の市場価値を高めるために漠然と「経験を積めばいい」というわけではないということは百も承知です。法務パーソンとしてどのような武器を身に着けていくのか。
単に「法務」だけの深堀をしたとしても限界が早々に見えてしまうのではないかと思っています。

振り返ってみると、自分にとって前職で新サービスの立上げの初期から参加した、という経験がベンチャーへの転職要因として大きかったようにも思い、これからの法務のキャリアについて重要な意味があるのではないかと思っています(今年の法務系ACのこの記事はそういう意味で個人的インパクトが非常に大きかったです。)。

この点はもう少し考えを深めたいと思います。


さて、本当にチラ裏的内容になってしまいました。
ここまでお読みいただきありがとうございました。

今後は140字の制限に甘えず、こういうブログの形でもアウトプットしていきたいと思います。


お次はhomu_ganbarudeさんです。
よろしくお願いします。












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