3月17日DDT後楽園ホール大会で思ったこと【無料版】

週刊男色ディーノです。今週は特に私に響いてきたプロレスのニュースはなかった気がするので、昨日(3月17日)に行われたDDT後楽園ホール大会について、そして大会を通じて思ったことを語っていきたいと思います。

とはいえ、私の試合が大会の真ん中くらいだったので、あまり生では見ることができてません。なので、特に見てない試合に関しては薄い感想になる点はご容赦ください。

■オープニングマッチ “インターンレスラー”鈴木翼デビュー戦
高尾蒼馬 vs 鈴木翼

インターンレスラーてなんやねん、と思わなくもないけれども。
とはいえ私としては、学生プロレス出身の選手がプロに挑戦するのを応援したいです。
あとこれね、みんなけっこう勘違いされがちなんだけれども、学プロで出来ていたことをプロでも出来るかどうかってのはまた別の話になります。
最初から今回の記事のテーマにかかってくることを言えば「アマチュアの愛とプロの愛は別」なのです。
たぶん、鈴木翼がまずぶつかる壁がそこになるでしょう。
そしてそれは鈴木翼本人がもうすでに自分で気づきつつある。
学プロの延長でプロになることの難しさは確実にあります。
…いや、ちょっと違うか。
プロになること自体はまあできるかもしれない。けど、プロで通用するようになるために変えなければならない考え方があります、が正しいかな。
でも、ひとまずはようこそ。

■第2試合
To-y&イルシオン&瑠希也 vs 夢虹&高鹿佑也&須見和馬

ごめん、ここからしばらく見てない。
でも、超先輩風っていうか老害風に言うならば、このメンバーの中で今回のテーマに気づけた奴が抜け出すんだと思う。
私の目から見ると、まだ気づけてないようには見える。
ただ、それって誰かに教えてもらうことじゃない。
仮に言葉として分かったとしても(わからないよりはわかった方が早いんだけども)、すぐにどうこうできるもんでもない。
自分で経験して考えて、実践することだろうね。

■第3試合
大鷲透&ゴージャス松野 vs 石井慧介&川松真一朗

この試合も見てない。ただ、石井さんがDDTの周年大会に出てるってのが私的に感慨深い。

■第4試合
スーパー・ササダンゴ・マシン vs 彰人

やっぱ見てない。でも、眠ったってことは伝わってきた。

■第5試合
クリス・ブルックス&高梨将弘&アントーニオ本多 vs 佐々木大輔&KANON&MJポー

ごめん見てない。意外と結果が読めない試合になった気がする。見てないんだけどね。

■第6試合
高木三四郎 vs 大家健

ちょっとだけ見た。健さんは20年来の友達で、大きな意味でのDDTという家の中で一緒に育ってきた。そして、同い年なのにこの年齢で家を出ていく。背負う者として。一方で「ああ、高木三四郎はずっと背負い続けてきたんだな」と思った。あるかどうかもわからない次のこの二人のシングルが楽しみになった。

■第7試合
樋口和貞&納谷幸男 vs 石川修司&ヨシ・タツ

試合直前だったので控えてて見てない。ただ、信じられないくらい歓声が沸いてたのでプレッシャー半端なかった。

■第8試合
秋山準&男色ディーノ&大石真翔 vs 平田一喜&土井成樹&青木真也

自分の試合。実は前日から花粉症が酷く眠れなかった。そういえば毎年この時期のタイトルマッチの勝率がすこぶる悪いのだけれど、それは全部花粉のせい。で、今回もけっこうヤバくて勝てないかなーと思ってたら、大石さんが勝ってた。
で、試合後に平田さんが解散式やってたんだけど、健さんの試合後卒業式とちょっとかぶってて不覚にも笑ってもうた。

■第9試合 DDT EXTREME選手権試合~痛みを呼ぶジャングルデスマッチ
<王者>勝俣瞬馬 vs 岡谷英樹<挑戦者>

試合後だったのでちょっとだけ見た。勝俣さんの表現したい世界にどれだけ岡谷さんが食らいつけるかって試合だったけど、岡谷さんは食らいつけてはいたと思う。今回に関しては経験値が物を言ったかなという印象。最後の方しか見てないけど。

■第10試合 KO-Dタッグ選手権試合
<王者組>遠藤哲哉&飯野雄貴 vs 本田竜輝&安齊勇馬<挑戦者組>

全日本プロレス勢の可愛さは一体なんなんだろうか。
私は根っからのインディ選手だから逆に分かるんだけど、メジャーと呼ばれる選手のスケールは担保しつつ可愛いってけっこうすごいことなんじゃないかなと思った。なんだろう、可愛く見られたい可愛さじゃなくてにじみ出る可愛さというか。斎藤ブラザーズもそうだったし、田村選手もそうだった。そう考えると、私がイメージしている以上に今の全日本プロレスの持つ武器が変わって来てるのかもしれない。
一方で最近の動き的に遠藤&飯野は「対他団体」というテーマがあって、そこをどう自分たちのものにするか。結果、ベルトを落とせない落としちゃいけないチームだっていうのを自らの手で選んだ気がする。そこのチームコンセプトの設定の良し悪しはともかく、結果で黙らせるのもひとつの手ではあるのでね。そういう意味では今回ひとつクリアといったとこなのかも。遠藤さんも飯野さんも可愛いからね。

■第11試合 DDT UNIVERSAL選手権試合
<王者>MAO vs 正田壮史<挑戦者>

この試合のテーマがそのまま本日私が語りたかった内容になります。
「DDT愛とは?」
いや、DDTじゃなくてもいいんだけども。
プロフェッショナルな愛とは?と言い換えてもいいと思います。
詳しくは有料部分で語りますが、正田さんが試される試合でした。
デビュー以来、正田さんはスーパールーキーとして注目を集めてきました。
それが、ここにきて初めてと言っていいでしょう。王者MAOさんに普通の若手として扱われました。
MAOさんが正田さんに、そして他のDDTメンバーに対して何を訴えたかったのか、私なりの解釈で有料部分で語ってみます。
これはプロレスやDDTだけじゃなく、プロフェッショナルとは何かを問う話になるので、プロレスに興味なくとも興味深いかと思います。

■セミファイナル スペシャルシングルマッチ
KONOSUKE TAKESHITA vs 青柳優馬

この試合は、スケールが違った。
いい試合と言ってしまえばそうなんだけども、おそらく試合してた2人の目線は世界に向いていた気がする。
「会場に来たお客さんを満足させる」
これはエンタメにおける絶対的な正義なんだけれども、さらにその先を見据えて試合してた。それが映像なのか、それともⅩに切り抜いて出される動画なのかはわからないけれども。「画になる瞬間」が散りばめられていた。
たぶんだけど、これが竹下さんの「プロレス愛」「日本愛」ひいては「DDT愛」なんだろうなと思った。
そのスケールに青柳選手もしっかりと合わせられたという事実。前述の「全日本勢かわいい」というポイントとは別に、青柳選手も只者ではないなと感じました。
…何度も言うけど上から目線で恐縮ですが。

■メインイベント KO-D無差別級選手権試合
<王者>上野勇希 vs HARASHIMA<挑戦者>

超複雑な気持ちで見てました。
私がここに立っていたかった気持ち。
DDTのネクストステージを見守りたい気持ち。
我々の世代が押し寄せる時代に抗う気持ち。

超月並みな意見だけど、どっちが勝つのもどっちが負けるのも見たいし見たくない。
つまりはハッピーエンドとバッドエンド両方が確定している試合でした。
私にとってはね。

どちらの気持ちもわかります。
HARASHIMAさんの、時代に抗いたい想い。自分はまだ生きているって想い。
若い人は言ってくれます。「年齢なんて関係ない、共存しよう」と。
でもね。おっさんにもおっさんの想いがあるんですよ。
おっさんになるとね。自分のためだけに戦うことが難しくなります。
戦う理由が欲しくなる。いや、違うな。
戦う理由が勝手に増えるんです。
長く生きてると、絶対に何かしらを背負います。
自分のためだけに戦うことが難しくなるんです。
でも、王者上野は突きつけてきます。経験者は語る。
「自分のために戦ってくれ」と。
酷なことを。もう背負っちゃってるのに。それを脱げ、と。
でも。
そんな自分を欲してくれるのがうれしくて、つい乗っちゃうんです。
むき出しの自分で戦っちゃうんです。

上野さんはそういう王者。
私にとって、DDTはそういう団体なんです。
奇しくも今、限りなく昔のDDTっぽいです。
私の目から見て。
そりゃね、思い出は強いですよ。
でも絶対に今の上野さんの王者の戦いぶりは、後の世代に影響を与えるでしょう。
今、ひょっとしたら上野さんが歴代で一番ドラマティック・ドリームを描くKO-D無差別級王者かもしれない。
いつ王座から落ちるかわからないからこそ、今見といたほうがいいです。
断言します。今は特に、DDT面白いです。

そして、次は彰人さん。
上野さんとは相性がある意味で良く、ある意味で悪いです。
彰人さんは、上野さんの良さを全部ひっくり返す術を知ってます。
普通はその術を知っていても実行できないもんですが、彰人さんはやれる男です。
やった後に責任を取れる立場も手に入れてます。
上野さんが、私とHARASHIMAさんを相手にした時のようなスタンスで臨むと分が悪いです。
上野さんにとって、試合の?み合わせはいいはずです。
ただ、思い通りになるかどうか。
どうなるか、見てみましょう。

あと、ネガティブ要素も語らなきゃいけませんね。
大会の中で用意していたVTRが流れない、という事案が発生しました。
高木vs大家の試合前に流れるはずだった、今成さんが作ったVTR。
これ、聞いた範囲だとDDTが全面的に悪いですね。
誰が悪いっていうのではなく、DDTが悪い。
もちろん原因究明の中で責任者は出てくるんだけど、興行会社としてのDDTが良くなかったと言えるでしょう。
「誰かのせい」ではなく、どうすればよかったか、次は防げるかを実践できる会社であって欲しいもんです。
ソフトである選手もしっかりと商品力を上げなければならないのですが、選手を活かすハード面である会社の組織力を増強しなくては上は目指せません。そこは、選手が上を目指すのと同じテンションで会社も取り組まなきゃいけないでしょうね。
私もDDTの一部なのでこういう言い方だと「他人事だ」と思われるかもしれませんが、現実問題セクション違いの私が謝ってもピンとこないと思われるので、あえて距離を取って述べてみました。


とまあこんな感じです。
本来はここから有料に移行しようと思ったのですが、長くなりすぎたので別記事で有料版を書こうと思います。
戦前からMAOさんが口にしテーマに掲げた「DDT愛」、ひいては「〇〇愛」についてです。プロの愛の在り方というか、ただ「好き」じゃない話というか。
私の勝手な解釈ではありますが、たぶん、腑に落ちる内容になるとは思います。

では。

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