👑日本ウェルター級タイトルマッチ10回戦
王者：坂井 祥紀（横浜光）
VS
挑戦者：豊嶋 亮太（帝拳）

王者 坂井祥紀選手ってどんなひと？

★日本ウェルター級王者、OPBFウェルター級3位

デビュー：2010年6月26日
戦　　績：45戦29勝(15KO)13敗3分
誕 生 日：1991年1月3日 (33歳)
身　　長：175cm
出　　身：兵庫県尼崎市
スタイル：右ボクサーファイター
獲得タイトル：元WBC世界ユース・Sライト級王者

今回の防衛戦は、
「どんな展開でも対応できるように。」

ー今回の試合の相手は豊嶋選手にどんな印象を抱いてますか？

何回もスパーリングしたことあるんですが、堅実で、良い意味で”かたい”選手ですね。ガードが固いし、メンタル的な硬さも感じます。崩しにくい選手の印象ですかね。

ースパーリングしたのはいつごろですか？

3年前くらいですね。小原佳太さんと試合する前にスパーリングしてます。その試合の8か月後（2021年12月4日(土)）に豊嶋選手と試合をしました。
基本的にどんなことでもある程度できる選手ですし、今回どんなスタイルでくるかはわからないですが、身体の強さを出してくると思います。

ーご自身は何を活かして、どう対抗しますか？

前回の試合は自分の引き出しの少なさ、選択肢のなさで負けた感じがあるんですよね。今回はどんな感じになっても対応できるように練習しています。石井会長もアドバイスをくれていますし、これまでロッキーさんがトレーナーで2人でやってましたが、松永宏信さんに関わってもらう時間を増やしています。ロッキーさんと松永さんといろいろ練り直しています。
具体的な準備をしているというよりは、なんでも対応できるようにしている、という感じですね。

ー松永さんも！前回の試合から半年間隔が空きましたが、練習などに変化はつけましたか？

特にしてないですが、以前よりも松永さんに積極的にミットを持ってもらってます。ロッキーさん主体だったんですが、今回は週3回松永さんにミットをお願いしています。それぞれ良さが違いますし、僕の動きに関して「こういう動きをしたらいいんじゃないか」という意見も違います。でもそれぞれ違う2人の意見が僕にはまっていて、良い練習が出来ていますね。

ー半年試合が空くと、モチベーションが下がったりしませんか？

次がある、というのはモチベーションになってます。そもそもボクシングが好きなのでモチベーションが下がるということもあまりないですね。好きで始めたボクシングなので、ずっと好きでいたいという気持ちがあります

ーこれまでのインタビューからもボクシング愛がすごく伝わります…！

ボクシング人生において良い経験になった前回の試合

ー前回の試合（2023年12月2日(土) VSシーサー皆川選手）は激しい打ち合いでしたね。

バッティングだけはしたくないと思ってたんですけどねー。まあそういう
アクシデントがあっても、メンタル面でも立て直してボクシングできましたし、良い経験にはなりました。それに、練習してきたことが発揮できたので収穫がある試合でしたね。

印象に残る試合は「日本で初めての試合。」
ボクシング人生第二章の幕開け

ーもっと過去にさかのぼりますが、これまでの14年のキャリアの中で、最も印象に残る試合はなんですか？

WBCユースを獲った時もそうですし、ラスベガスで初めて試合した時も印象に残ってます。あと、日本で初めての試合も印象的ですね。

ー日本での試合はどんな風に印象に残ってますか？

その試合は重田裕紀さんとの試合でした。
当時アメリカで4連敗して結果は出てなかったんですが、気持ち的には成長している感覚はありました。焦りはないんですが、周りの評価は気にしますし、これ以上負けられないという気持ちがありました。しかも初めての日本での試合だったので、初めて僕の試合を観る人がほとんどだし、勝って印象付けたいと思ってました。だから、一番緊張したし変なプレッシャーがありましたね。試合には勝って、連敗から脱出することができました。
ボクシング人生の第二章がスタートしたという感じで、フレッシュな気持ちでやってました。

エネルギーをもらえる、横浜光ジム。

ーボクシング人生第二章の拠点である横浜光ジムですが、みんな仲良さそうですよね。

仲は良いと思います。プライベートで遊ぶということはないですが（笑）年が近い現役の選手もいないんですが、三代大訓選手や千葉開トレーナーとよく話しますね。三代選手とは世間話もしますし、「どんな練習してるの？」という話もしてます。この前のタイトルマッチもエネルギーもらいましたし、良い刺激になってますね。

ーちなみにWHO’S NEXTのプロスペクトボクサーである堀池空希選手と眞下選手が所属しているのですが、印象はありますか？

ありますよ！堀池とはスパーリングしてますし。すごい上手い子ですね。エネルギーをもらってます。2人ともセンスが良いですし、僕が若い時より強いし上手いと思います。

目標の選手は、アントニオ・マルガリート選手

―現在のウェルター級は世界でも層が厚い階級ですが、目標にしている選手はいますか？

うーん。今の選手はそんなに好きな選手はいないんですよね。
昔の選手ですが、目標にしているのはメキシコのアントニオ・マルガリート選手です。（第9代WBO世界ウェルター級王者。第12代IBF世界ウェルター級王者。元WBA世界ウェルター級スーパー王者。）メキシカンですごい打ち合いをするんです。ただただ打つのは芸がない。ある程度レベルの高い選手同士の打ち合いが良い

ー今回の試合はそんな試合が期待できそうでは…！？

なれたらいいですよね。作品として面白い試合になると良いですね

ー作品…！？と言いますと…？

「この試合は面白かった」と言われたらいいなと思ってます。作品として後世に残せたら良いなと。
やっぱりベルトを巻くっていう結果を重視する部分もありますけど、また別の意味合いとして試合内容にも意識を向けてます。もちろん大きい舞台できればそれは良いんですが、日本国内でも作品として残るような試合をしていきたいです

ーまるでボクシングの1試合を1つの映画作品のような、独特な捉え方ですね。ボクシングファンとしてのボクサーの側面を垣間見れたような気がします…！

尊敬する選手は、ジョニー・ゴンザレス選手

ー憧れのボクサーとしてボクシングモバイルさんにはジョニー・ゴンザレス選手のお名前を挙げていますが、変わらないですか？

ジョニー・ゴンザレスとは一時期同じジムでやってました。2－3年くらいですね。4回戦の時だったんですけど、スパーリングして鍛えてもらいました。当時は僕はフェザー級で、ジョニー・ゴンザレスはライト級で、2階級下だったんですが、今まで受けたことがないくらい強いパンチをもらいました。多分だいぶ抜いてもらってたんでしょうけど、すごかったですね。

ーすごいですね…さすが生きる伝説。

人柄としても、人格者という印象でした。人としても優しくて気取らない。王者なのに偉そうにしてないんですよね。こういう選手になりたいなと思える選手で、ボクシングももちろんかっこよくて、人としてもすごく尊敬しています。

ボクシングを知らない人に観てほしい選手は、イサック・クルス選手

ーボクシング好きな坂井選手に聞きたいのですが、最近のおすすめの選手は誰ですか？

単純に素人向けという意味では、イサック・クルスじゃないですかねー。
メキシカン全般は打ち合いが好きなので、僕は面白いと思います。もちろん足を使う選手もそれぞれ良いところがありますけどね

デビューから14年。
日本のレベルの全体的な底上げを感じる

ー今年でデビューから14年。ボクシング業界のここ、変わったなーみたいなものはありますか？

うーーーん。それこそ僕のスタートはメキシコ。今のメキシコのボクシング界は知らないしな。でも日本の軽量級のレベルがものすごい上がりましたよね。4回戦も含めてみんなうまくなった。底上げされていると感じます。

ーたしかに。なぜだとおもいますか？

軽量級に良い選手がいて、真似して研究しているんじゃないですかね。中谷潤人選手に井上尚弥選手。そういう世界トップクラスの選手とスパーリングする機会も増えてきてますし。パッキャオがでてきたときのフィリピンで良い選手が多くなったのと一緒ですよね。

メキシコと地元・兵庫県尼崎市は似ている？

ー最近地元には帰ってますか？

生まれも育ちも尼崎市ですし、両親も今も尼崎市に住んでるんですが、去年の夏に帰ったきりですね。年に1-2回とか1-2年に1回とか…そんな頻度です。メキシコにいるときより帰る機会が減りましたね。国内にいるしいつでも帰れるなーという気持ちで。

ー地元はお好きですか？

好きですね。試合後は帰りたいなと思うんですが…。

ーここが好き！とか、何かおすすめはありますか？

おすすめですか…。住宅街だから観光地はない。大阪にでるか、神戸に出るか。公園で遊んでたりしてましたけど（笑）あとは地元のジムに行ってましたね。おすすめとは違いますけど、関西ってメキシコに通じると思ってます。

ーそれはどういう…！？

メキシコのおばちゃんも関西のおばちゃんも温かいんですよ。悪く言うとずけずけ入ってくる感じなんですが（笑）でも僕にとっては居心地がいいですね。

ーそんな共通点があるんですね…ボクシングのはなしをたくさんうかがえたインタビューになりました！ありがとうございました！