米国株、ダウ反落し332ドル安 米金利の上昇が重荷 ナスダックは続落

米国株、ダウ反落し332ドル安 米金利の上昇が重荷 ナスダックは続落

米国・欧州株概況

2023年10月19日 5:52



【NQNニューヨーク=矢内純一】18日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反落し、前日比332ドル57セント(0.97%)安の3万3665ドル08セントで終えた。米長期金利が上昇(長期債価格が下落)し、株式の相対的な割高感を意識した売りが出た。高金利が米国の景気を冷やすとの見方も相場の重荷だった。

18日発表の9月の住宅着工件数は前月比で7.0%増とダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(6.8%増)を上回った。金利水準が切り上がる中でも、住宅市場が底堅いことを示した。市場では、米連邦準備理事会(FRB)が高い政策金利をより長く維持するとの見方が一段と強まった。同日の米債券市場では長期金利が4.9%台に上昇し、2007年7月以来の高水準を付けた。

金利の上昇で相対的な割高感が意識された高PER(株価収益率)のハイテク株に売りが出た。高金利が米景気の下押しにつながるとの見方から、景気敏感株にも売りが出やすかった。

中東情勢を巡る緊張が高まっていることも、投資家心理を冷やした。17日にはパレスチナ自治区ガザの病院の爆発で多数の死傷者が出た。バイデン米大統領は18日にイスラエルでネタニヤフ首相と会談したが、アラブ首脳らとの会談を延期した。周辺国を巻き込む事態に発展すれば、中東からの原油供給に影響があるとの見方から、18日の米原油先物相場が上昇。インフレ再燃への警戒も株売りにつながった面がある。

米連邦議会下院は18日、解任された共和党のマッカーシー氏の後任となる下院議長を選出する2回目の投票を実施。共和党が候補に選んだ保守強硬派のジム・ジョーダン司法委員長は再び過半数の票を得られなかった。市場では「財政運営に対する懸念が高まり、株式相場の重荷となった」(オアンダのエドワード・モヤ氏)との見方があった。

ダウ平均では、顧客情報管理のセールスフォースやソフトウエアのマイクロソフトが下落。建機のキャタピラーや化学のダウ、金融のゴールドマン・サックスも売られた。一方、18日朝に四半期決算を発表したプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)が上昇。外食のマクドナルドとスポーツ用品のナイキも買われた。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続落した。前日比219.445ポイント(1.62%)安の1万3314.302で終えた。米政府による先端半導体の対中輸出規制の強化を受け、アナリストが目標株価を引き下げたエヌビディアが下落。ネット通販のアマゾン・ドット・コムと交流サイトのメタプラットフォームズも安かった。

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