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此の期に及んで最年少!?

「ザ・バンド〜俺たちはかつて兄弟だった〜」を観に、シネ・リーブル梅田へ。関西ではここと、アップリンク京都のたった2館で、しかも東京より1週間遅れの上映初日だ。

初日にしてまばらな客席は予想通りであったが、予想を超えていたのは観客たちのあまりの高齢、しかもお爺さんばかりで、女性は多分70過ぎた一人だけだった。

え?私が62歳にして最年少(爆)?
60歳未満鑑賞禁止の逆年齢制限あったっけ?

映画の内容は予想通りで、上映中はなんらの反応も私語一つすらも聞こえず、あったのはマスク越しでもほのかに香る、マスクをとって確認するとやはりかなり強烈な加齢臭。そして上映が終了するとほぼ全員がトイレに直行。鑑賞後の感動による震えではなく、頻尿の我慢から解放される、放尿による快感に伴う震え、つまりは単なる生理的達成感のみを表出しながら、それでもやはり押し黙ったまま皆よろよろと帰っていく。

これぞバンド、と名乗って文句の出ない五人。10年のメジャーな期間のうち輝いていたのはその半分以下の、実に短い輝き。そして三様のヴォーカルをとったリヴォン、リック、リチャードの最強トリオはいずれもアル中、ドラッグ中毒の果ての自死もしくは病死。その自暴自棄的生き方もロックバンドなのだと肯定したい方はどうぞ。

自己愛過剰なさしものロビーも、老いてはさすがに過去を反省し、先にあの世に旅立った三人のメンバーへの感謝、尊敬を表現してくれるのではと淡い期待を持った僕が間違っていました。ロビーに倍返しされてしまい、ちょっとやそっとでは立ち直れませんw。

彼の、老いてなお燃え盛る異様な自己愛のルーツがわかっただけがこの映画を観ての唯一の収穫でしたw。クイーンのフレディマーキュリー、エルトンジョンと全く同じ、悲しいルーツでしたが。

彼らこそ最高と崇めるファンでありながら、小心で家族第一、細々と長生きしかけてる私なんぞからすると、あの素晴らしい音楽は奇跡であり永遠のものとして手元の音源にザ・バンドの姿を妄想するに留めるがよし、と思いました。

これほど熱烈なファンさえも黙り込ませるロビーロバートソン、恐るべし。

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