起業1年目の苦労話。後編

起業1年目はとにかく仕事がなくて苦労した。

事業が軌道に乗るまでとてつもなく険しい道のりを歩まねばならないと覚悟した。

体力勝負になると思ったが事業を維持するだけの余力(資金)は笑っちゃうくらいドンドン減っていき歩くことさえ困難だ。

起業したての頃はロゴマークにこだわり過ぎたり、時間をかけて作ったチラシや名刺を配りきらずに捨てるというおかしな行動がみられた。

何をやってたんだろうか。

今となっては他にもっと色々出来ただろうと思うこともあるが当時はとりあえず何かと忙しいと錯覚していた。

会社員の時にあった給与所得は個人事業主になった途端なくなり収入は事業所得という名前に変わった。

勤めていた当時はもらった給料に不満を持っていたが。

固定給があるのはとても魅力だ。

あと、12年ほど会社員(サロン勤務)を続けただけで家のローンを組めたり一定の社会的信用があったのは確かだ。

ところが起業後に仕事用のクレジットカードが経理作業上必要だったので申請したところなんの実績もない1年目の個人事業主の僕はクレジットカードの審査さえ通らなかった。

稼げていない自分にクレジットの審査まで落ちるという追加ダメージが加わりちょっと落ち込んだ。

(後日、事業所名義でビジネス用クレジットカードを作成出来た)

クレジット=[信用]を意味するとはよく出来たもんだ。

初めは信用なんてないけど少しずつ信用を積み重ねていくことの大事さをこの時に学んだ気でいる。

前編でも書いたように1年目は起業したにも関わらずアルバイトをしざる得ない状況になるほど仕事がなくて稼げなかった。

そこで事業を維持する為に本業の合間に出来るアルバイトを探した。

本業の合間といいながら実は仕事がないので時間だけは誰よりもあったのだ。

①チラシ配り

自分のチラシを配るついでにポスティングのバイトでもするかぁと軽い気持ちで臨んだものの新聞紙くらい大きく、そして重い。

あまりのサイズ感に自社のチラシと併用して配ることはさっさと諦め、チラシ配りアルバイターに専念する。

チラシをリュックパンパンに詰めこむと15キロくらいの重さになる。

大きな紙袋にもチラシをたくさん詰めた。

そのチラシ1枚1枚折込んでポストに投函する作業は地味にしんどい。

自分のペースで出来るのはいいがノルマがあるので必ず配り切らなければいけない。

時給に換算すると700円前後とかなり効率が悪い

(めちゃくちゃブラック)ってことに気付き2ヶ月で辞めた。

この仕事は運動のついでに小遣い稼ぎが出来るくらいの感覚じゃないと続かないと思う。

ポスティングアルバイトは 運動>報酬だぞ。

本業で稼げないのに効率の悪いアルバイトをしてる場合じゃない。

やるなら高収入、高時給というアルバイトに目をつけた。

②ゴルフ場スタッフ

ゴルフ場で最も効率良く稼ぐにはキャディーになることらしいが僕はゴルフに全く興味がない。

キャディーになる為の試験や勉強などに時間を割くのが嫌だったのでゴルフ場スタッフとしてゴルフバックの積荷やカートの移動、ゴルフ場の整備などをすることにした。

ゴルフ場の朝は早く朝7時前から午後3時、4時くらいまで働いた。

起業してから1人で黙々とパソコンと向き合いチラシを作成したり配ったりしていたので大自然の中、たくさんの人(若い女の子も)がいるゴルフ場での仕事は気分転換になった。

しかし現状では

自営業だけでは生活が成り立たないことにモヤモヤ。

早く自分の起こした事業で家族の生活を支えれるようになりたいなぁ。なんて思いながらカートの洗車をしたことを覚えている。

ゴルフ場での仕事は通勤時間など入れてほぼ1日をアルバイトに捧げることでなんとか本業を維持するだけの収入と日焼けした体を得ることが出来た。

しかし本業の仕事がなかなか増えないこともあって時間の使い方と体が日焼けして黒いことに疑問を持ち始める。

ゴルフ場では日給8000円〜9000円と稼げたが自分の事業で早く稼げるようになることを優先すべきだと気付く。

矛盾しているが、アルバイトで事業を維持出来る収入を得たいが、もっと事業に専念したい!

とワガママな僕はゴルフ場の代わりとなる仕事を探した。

③夜勤

時給に釣られて深夜にとある加工作業をする未知なるアルバイトを選んでしまった。

夜10時に始まり深夜から明け方になるまでの数時間で8000円から1万円近く稼げる夜勤の仕事だ。

この時、若干ゴルフ場でのアルバイト時期とも重なり立派な掛け持ちアルバイトくんだった。

夜勤の仕事内容は詳しくは書けないのだが(大人の事情)

常に人手不足で慌ただしく加工現場でこけて骨折する人や機械に手を巻き込まれてギャース!!

という事故を側で見てしまったりとかなり危険な職場だった。

自分も怪我をしたら本業にも大きく影響するので細心の注意を払いながら夜勤をこなした。

深夜から明け方までの仕事は時給が良いだけにハードだし気を抜けない状況だった。

起業する前の生活をイメージすると

仕事を終え帰宅してから家族との時間を過ごす。そして子供を寝かしつけて1日が終わる。

だがこの当時

夜勤を始めたら事業に専念出来る時間が増えた。(嬉しい)

子供の送り迎えや家族と一緒に食事も出来る、お風呂だって一緒に入れる。(楽しい)

しかし、子供を寝かしつけてる途中で夜勤に行く時間を迎える。(地獄かよ)

結論、夜勤はめちゃめちゃ大変。


帰宅は深夜3時半を回り、仮眠を取って朝、子供を保育園まで送る。

奥さんも仕事をしてくれていたので最寄駅まで送る生活を週に2、3回ほど眠たい目を擦りながら乗り切った。

なんとか本業に専念する時間を増やせて

夜勤で事業の維持をしながら宣伝広告費用にも力を入れた結果。

少しずつお客さんが増えて手応えを感じ始めたのは1年目の冬のことだった。

そしてアルバイト生活を終了させた。

皆、平等に1日24時間という時間の中で生活をしているが起業1年目の僕は時間の使い方や優先順位を全く理解していなかった。

起業1年目はがむしゃらに頑張った。

だけで

なかなか結果が出なかった。

だけどこの経験があったからなんとか2年目を迎えられたのだと思う。

苦労話を書くとどうしても辛くてしんどいことだけだったのかと思いきや、振り返ってみるとアルバイト生活は経営をするうえで気づきや問題点が見えたりしたので勉強になった。

今思えば良い経験をさせてもらったのでアルバイトを通して出会った人には感謝している。

あと奥さんと子供の存在が1番大きかった。

当時1歳に満たない子供を早くから保育園に預け美容師として職場復帰した僕の奥さん。

仕事と子育てを両立し、稼ぎの少ない僕に文句ひとつ言わず。

アルバイトをしなければ事業が維持出来ない状況になっても、稼げないなら自営業辞めて就職すればいいのに…。

なんて思ってたかどうかは知らないけど、こんな僕を影で支えてくれて見守ってくれた。

日々成長する小さな子供の存在がどれだけ力を与えてくれたか。

自分1人の為だったらとっくに諦めていたと思う。

そんな家族の存在に心から感謝している。

まだまだ事業が軌道に乗ったとは言えないが。

この経験を決して忘れない。

今の僕に繋がる起業1年目の苦労話。

おわり


















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