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起業1年目の苦労話。前編

会社を辞めて独立までに時間があれば有給を消化したり失業保険をもらったりして余裕を持って独立の準備が出来るはずだった。

しかし、僕は仕事(美容師)をしながら独立準備を着々と進めていた。

なぜなら有給なんて取れないし退職金もでないので早く仕事を取らなければと焦っていた。

貯金がたくさんあるわけでもない。

だから早く事業届けを提出し、独立に必要な資金を調達しなければと準備を急いだ。

僕は訪問理美容サービスという高齢、病気、ケガなどが理由で外出出来ない方を対象にご自宅や介護施設、病院などに出向き理美容室と同等のサービスを行う事業で起業をすることにした。

訪問カットを専門にする事で店舗が必要ないということは

・設備投資が抑えられて賃料などの固定費がかからない。

また美容師の仕事は

・在庫のコントロールがしやすく、食材などと違い廃棄ロスもない。

・利益率が高い。

しかも僕の場合、自分ひとりでやるので人件費もかからない。

なので

店舗を持たずに美容師の仕事が出来るならば

先行投資を抑え、ロスを出さずに利益率が高いビジネスが可能。

ということだ。

さらに近年、高齢化が社会問題になっているので今後は訪問理美容の需要も十分に見込まれている。

課題があるとすれば、まだ知らないであろう価値(訪問理美容サービス)をどうやって世間に認知させていくのかということだった。

そこで自分の働く地域から訪問理美容というニーズを作る。

ということを目標とした。

なので仕事をする以前にまずは市場の開拓(知ってもらうこと)が必要だった。

サロン勤務をしながら、ホームページの作成や名刺やチラシの作成をしていたが正直、営業ということに関してはこれまで経験が全くと言っていいほどなかった。

もちろんお店に来てくれるお客さまに対してヘアスタイルの提案やカラー、パーマ、ヘッドスパといったオプションメニューをお勧めするという経験はあったものの。

この当時、自分や自社のサービスを売り込む方法がなにも分かっておらず

とりあえずポスティング(チラシ配り)をする

不慣れな営業トークで施設へ飛び込み営業をするが企業から相手にされない

そもそも自作のホームページ、チラシなどの出来が悪い

など失敗の連続だった。

人生を賭けて起業をしたにもかかわらず、

僕の営業活動は

なんの成果も!!得られませんでした!!

という漫画のシーンが脳裏に浮かぶほど失敗した。

自己資金40万円。

国金(日本政策金融公庫)から200万円の融資。

石の上にも3年。

という、ことわざがあるくらいだから3年を勝負と位置づけて返済期間を適当に設定。

金利も入れて3年間、毎月6万弱を返済することになるが

この時、月々の返済が脅威になるとは思っていなかった。

こうして自己資金と融資を合わせた240万円が事業資金となった。

店舗を作るわけではなかったから大きな設備投資は必要なく

最低限の設備を用意し宣伝広告費などを引いた後の運転資金もそれなりに確保した。

ただし、融資を受ける為に書いた初めての事業計画書の数字は予測でしかなかった。

案外あっさりと融資の審査は通ったけど

初めてやる事業の見通しなんて分かる訳ねーよ

が本音だ。

やってみなくちゃ分からないけど、(起業した直後は)借金を膨らませることだけはしたくなかったので。

設備投資を抑え小資本で始める

固定費をかけない(店舗、テナント料、リース代不要、人件費なし)

ということだけは徹底した。

そして2017年4月に融資がおりて本格的に事業を開始する。

しかし、想定した事業計画書通りにうまくいく訳がない!(そりゃそうだ)

ここで特別に訪問理美容サービス ディライトの売上をちょっとだけ公開。(2017年4月〜6月)

※収入ではなく売上高です。融資の返済が毎月6万弱とその他に経費がかかることをお忘れなく。

4月(融資を受けて1ヶ月目)

¥15740

ま、まぁ最初はこんなもんかな…。

まだ運転資金もあるし大丈夫大丈夫。

5月

¥20960

あれーチラシ配ったり営業もしてんだけどなー。

SEO対策も必要だな!!

6月

¥18140



こりゃ死ぬわ!!

何が石の上にも3年だ!!恥ずかしい。

3年我慢するどころか起業3ヶ月で悟りを開いてしまった。

賢者になれるわけもなく3ヶ月間ほとんど仕事がないただの遊び人(無職)だ。

融資の返済どころか家のローン、生活費だってあるのに…。

資金調達をする際に運転資金として無収入でも3ヶ月は維持出来るように借り入れを行ったけど。

ここまで結果が出ない月が続くと資金もどんどん減っていく(白目)

このペースはヤバ過ぎる!!

と個人事業主になってまだ数ヶ月ですでに危険であると察知出来るほど僕の勘は冴えていた。

通帳みたらびっくりしたもんね。

そこで事業を維持する為にアルバイトをすることを決意した。

ポスティングに始まり早朝からの仕事や夜勤をして身を削った。

念願の起業をしたにも関わらずアルバイト生活とかダサすぎる。

だけど、引かれたレールを毎日のように頑張って走る機関車トーマスの様な日々を送る人生より

ゼロから自分でレールを引いて自分だけの道を作りまだ見たことのない景色を目指すことの方に魅力を感じ、起業をした。

息子の大好きなトーマスを引き合いに出して文書がまとまらなくなったをすごく後悔している。

一念発起して始めた事業を維持する為ならばちっぽけなプライドは捨ててなんだってやると覚悟をきめた。

早期に資金がショート寸前になる絶望的なスタートダッシュ失敗という理由で

人生を賭けた起業という挑戦が強制的に終わらされることだけは避けたかった。

自分を探す旅でまだ家を出れていない状態だ。

そう、諦めるにはまだ早い。


僕にはこの時1歳にも満たない子供や奥さんとの生活があったから

結果が出ない時は隙間時間にアルバイト生活をすることになった起業1年目の苦労話。

前半の話はこれでおしまい。

当時のアルバイトの内容や報酬など

そこらへんの話はまた起業1年目の苦労話

後編へ続く。

後編
https://note.mu/danno0718/n/n8f43d7e725b9

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