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茶色い街、京都へ。 Part.2(10月エッセイ①)

 こんばんは、土曜の夜ダノです。今週のダノの表裏noteを公開します。タイトルは、『茶色い街、京都へ。 Part.2』です。今回も前回と同様、京都の話です。

1.京都に到着

 目を瞑り、マスクに涎が垂れそうになって目が覚める。京都駅八条口に着いた。ここから新幹線で四条駅まで向かう。古臭い、コンクリートが剥がれた階段を登る。幡多小学校を思い出す。京都弁のアナウンスを聞いて、京都に来たんだと実感する。"○条"と付く駅名が散見される。東京の地名は見つからない。看板も風情のある錆のつき方をしている。京都は良いところだ。決してコンクリートが少ないわけではないが、コンクリートも灰色じゃなくて、茶色をしている。中学校時代の地理の授業で、京都市の政策で街の色を茶色っぽくしているみたいな話を聞いた。灰色の東京をあまり感じない。同じコンクリートでもこんなに差が出ている。これだけでも来た甲斐があった。

 四条駅までは地下鉄で2駅で大体6分。東京と同じように、駅の間隔が狭いのだろう。改札で待ち合わせをしている友達を探す。見つけた。変わっていない。でも、多分、どこか変わっているのだろう。私には分からないが。

 事前に行きたい場所を伝えてあったので、そこをできるだけ回れるように予定を組んでくれていた。ありがたい。まずはスタバでお茶をする。六角店に行く。先行販売の焼き芋フラペチーノを注文する。美味しい。PTRなので、"職務上”試作を飲んだことはあるが、自分が作るよりも、可愛いPTRさんが作ってくれたものの方が美味しく感じる。京都のスタバは東京に比べて落ち着いた人が多いイメージがある。人が少ないのもあるのだろうけど、大声で話している人もいないし、モバイルオーダーの注文音が鳴り響いているわけでもないし、みんなが各々の時間を過ごしているように感じる。生き急いでないというか。日本史の中でも、生き急いで失敗して殺されたり、天下を取れなかったりした人は大勢いるし、私たちが知っている教科書の中に登場するような有名人以外にも、そういう人はいるんだろう。生き急ぐのは良くないよなあ。でも、早歩きしちゃうこともあるよなあ。2泊3日の旅行なので、足早に目的地に向かう。

2.建仁寺

 まずは建仁寺に向かう。あの風神雷神図屏風があるところだ。あとは石庭が有名だ。以前にも訪れたことがあるが、日本史を一通り履修してから行くと見え方も変わってくる。俵屋宗が江戸時代に描いたもので、金箔が装飾効果だけでなく、無限空間の中に現れた鬼神を描くという表現意識を裏打ちするものになっている。「綺麗な背景」で終わらせていた中学生の時に比べると成長したものだ。石庭も見事だった。東京にこんな石庭はないと思う。人々を見下げる展望施設なら山ほどあるけど、石を眺める縁側はあまりない。パンフレットや立て札をしっかり読む系男子なので、勉強になる。風神雷神図屏風が京都国立博物館の所有物であることは知らなかった。


3.安井金比羅宮

 次は安井金比羅宮に向かう。ここは縁結びと縁切りの神社。悪縁を引き離し、良縁を引き寄せるという石潜りをした。東大寺の柱の穴を小学生にして通ることができなかったので、今回もやばいんじゃないの?と思いながら、潜ってみる。肩をくすめてなんとか通り抜けた。友達が動画を撮ってくれていたが、石からゾンビが生まれた的な感じの仕上がりになってしまった。やっぱり、体験系の参拝は向いていない。「好きな人と付き合えますように」というベタ中のベタなお願いを書いて貼り付ける。「ダノ」とペンネームを書いてあるので、見に行きたい人はどうぞ。入口の絵馬にも同じ内容のことを書いて飾っておいた。話は変わるが、絵馬に書いてあることがすごい面白かった。名指しで縁を切りたいとか書いたり、逆に、名指しで付き合いたいとか結婚したいとか書いたりで、もうお笑いだった。中には、カップルで「〜君と結婚できますように。〜ちゃんと結婚できますように。」みたいなラブラブ絵馬を見せつけている激イタ世俗煩悩カップルもいた。鐘で叩き割ってやろうかなと思った。こういう絵馬に突っ込むことができるのが私の悪いところなんだと思う。他人のことは放っておけば良いのに。

4.清水寺

 その後はTHE京都の清水寺に向かった。入場料が大人料金しかないので、仕方なくまあまあ高い入場料を払って入園する。高い。学生料金とか作ってほしい。学生証出させてよ〜。清水の舞台で言わせてよ〜。慶應義塾ですって。ちゃんと写真も撮った。観光客らしき人に声をかけて撮ってもらう。声を掛けれるようになった。成長だ。その後恋みくじを引いた。「待ちなさい」的なことが書いてあり、待ってるばかりじゃダメだろ、そんなに待ってほしいのかよとか思いながらリュックにしまう。神様は私にステイを求めるらしい。今までステイできなかったのを知ってるのか?


 鴨そばを食べた。鴨なんて東京ではほぼ食べない、というか、私は食べたことがない。食べてみると、非常に淡白な味だった。ウインナーの味を少しだけ薄くしたような味。食べやすい。麺との相性も抜群。ダイアンとゴイゴイスーくらいの相性だ。

5.京都国立博物館で大恥

 国立博物館にも行った。国立系の施設なら私はキャンパスメンバーの大学在籍者だ。受付でのやりとり。

警備員の方:「今日は庭園しかやってないんですが大丈夫ですか?」

ダノ:「大丈夫です。キャンパスメンバーの入場券1枚ください。」

受付の方:「学生証の掲示をお願いします。

ダノ:「慶應義塾です。」#堂々とした慣れた手つき #ドヤ顔 #光る万年筆

受付の方:「あ、慶應は京博(京都国立博物館の愛称)の対象じゃないんです!!」#慌てて受付から登場 #まあまあでかい声

あわあわするしかない。え、まじか。恥ずかしい。ドヤ顔で大学名披露しただけやん。東京の方しか無理やって知らんかったわ。警備員の方も、どうしたんですかって寄ってくる。来ないでええ!大ごとに見えるからああああ。足早に立ち去り、バスに乗った。ちゃんと下調べはしないといけないな。京都国立近代美術館の方はキャンパスメンバーらしい。わかりにくいなあ。

6.平安神宮

 近くにあるからと急遽行くことにした平安神宮は閉まっていた。思いつきで行くとよくこうなる。ちゃんと計画を立てた方が良いのだろうけど、そうしてしまうと計画がうまく進まない苛立ちと葛藤しなければならないので、これはこれで良いのだろう。映えるような写真を撮りたかったが無理だった。やはり、”じゃない方”には難しいのだろう。生き様ブロガーの成れの果て。鳥居は見事だった。


7.鴨川デルタ

 友達の家に荷物を置いてから鴨川のデルタと呼ばれるに行った。三角州のようになっていて、多くの大学が近接することから、学生が思い思いに過ごしている。花火をしている人もいるし、酔い潰れている人もいる。私たちはそういう人を観察することにした。ただ、観察ばっかりでも飽きてしまうので、別の友達を呼ぶことにした。インスタのDMで「今から来れる?」と聞くとすぐに来た。見た目は変わっていない。高校生のままだ。3人とも4年目を迎えずに次のステージに進めたので、その近況を聞いた。そこそこ充実しているらしい。サークル活動も楽しそうだ。病んで北海道に弾丸1人旅を敢行する私とは雲泥の差だ。語り合っていると終電は逃すものだ。急遽、後から来た友達の家に泊めてもらうことになった。家から数分歩くと世界遺産があるような地域。東京よりも文化的資本が多い気がする。

 今回もこの辺で。また来週。

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