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超flatCSのためにアドバンス調整した話



GPに、落ちた。


しかも一次ではない、二次受付である。


当時の心境はとても複雑なもので、
GPという舞台を体感出来ないことによる虚無感と、あまり得意でないオリジナル環境の調整を投げ捨てて良いという謎の解放感が自分の中で駆け巡っていた。


しかし、GP受付する際に心に決めていたことがある。

「超flatCSには出よう」


GPに出れたとしてもそうでなくても、それだけは確定させた。

今回のGPは1日開催かつオリジナルだったため、自分の好きなアドバンスをやる機会が薄れると思っていたが、
flat氏の粋な計らいによってアドバンスの大型CSを今回のGPと同じく名古屋で開催してくれるというのだ。
それを聞いて自分は「これだけでも出よう」と思ったのである。

GPに落ちた瞬間は残念だと思ったが、
数分後には「よし、アドバンスやるか」という自分の中で今までに無いくらいの切り替えを見せた。

ここから、約1ヶ月という長く短い調整の始まりである。


1.絶望の赤青

このアカウントの記事やアイコンからわかる通り、自分は赤青ギャラクシーをよく使っている。

環境の隙間を通しに行けるデッキリストの多様性、1枚のカードで変わるプレイの深み、ただのビートデッキでは感じられないものを持ち合わせているのが自分の相棒である赤青ギャラクシー。

無論、超flatCSの調整はこの赤青ギャラクシーから入った。


しかし、すぐに絶望した。


絶望した理由は主に2つ
①NEXT対面がしんどい
②不透明なパワー環境


①NEXT対面がしんどい


実はこのデッキ、赤緑NEXTに不利がついてしまうのである。

勿論、「絶対に勝てない」とまでは言わないし、お互いの構築だったり赤青側の振れで勝率自体は変わる。
ただそれを踏まえても勝率が不安定なのである。
そもそもメンデル2ブーストからのカツキングor助けてモルトを割り切らないと行けなかったり、ピットデルマグナして返されるケースがある時点でこの対面はしんどいものがある。
仮に構築をNEXT対面に寄せて、練度を底上げさせればある程度やれないことは無いのかもしれない。
そこで②が問題となってくる。

②不透明なパワー環境

雑まとめ

これは調整する上でまとめた、アドバンスに存在し得るデッキをまとめたものになる。
めちゃくちゃ雑に並べてるため粗っぽいところはあるかもしれないが、それでもこれだけの山がいる可能性があるのだ。
少なくとも上の7つ(ガイアッシュ覇道まで)の中の4〜5つには戦えるデッキにしないといけないと自分は考えた。
その時に明確に感じた。

「しんどい。」

ずっと回している山だからこそわかる、この山は完璧な訳がない。
出力が安定している訳でも無ければ、何かを見たら何かが欠けていくデッキだ。
尚且つパワー山に対して下振れたら負けとなりかねない所が大会に使う上で重くのしかかる。
サムライやバイク等の他の"出力を安定して出せるデッキ"に対してプレイを完璧にしても有利になるビジョンが見えない。
割り切る山が数種類+環境外だけならまだ戦えるが、それがNEXTが強いことしかわからない不透明な雑多環境と来たものだ。

赤青ギャラクシーは、環境が割れ切った状態から始まる山である。
そんな環境すら割れてない状態でNEXTにすら不安定な勝率になるこの山は勝てるわけが無い。
青黒のコンボデッキが強い時に環境を読み切った時こそ真価を発揮する山なのだ。



というような様々な御託を並べてきたが、結論だけを一言でまとめるのであれば


"勝てないから使わない"


この一言に尽きる。
環境のインフレは面白いものだが、時に悲しくなるものである。




そう感じた自分は、かつて握っていたもう一つの相棒に頼りに行くことになる。

再録おめでとう、ワニさん



2.第二の相棒、オービーメイカー

3ターン目に安定して手札の儀を利用しながらシビルカウントを達成させた上でオービーメイカーを着地させられるこの山は、NEXTにも有利で他のパワーデッキにもプレイを詰めれば戦える上に不利対面も多くないため立ち位置が言うほど悪く無い。

自分も赤青ギャラクシーを擦ってた裏でプレイが下手ながらもこの山を触っており、個人的にはめちゃくちゃ好みの山だった。

ただオリジナルのアポロと同じように淡白なゲーム展開になりやすいのと、環境外のデッキと当たった時に脆いこのデッキは調整開始当時〜GP直前までのアドバンス環境では不人気で母数が少なかった。
確かに何があるかわからないアドバンス環境の初見殺しを受けやすいのであれば、使いたく無い気持ちはわからなくもない。

しかし逆に考えれば、"自身の対応力を底上げできれば初見殺しされる確率も減る"ということになる。
仮に受けの強い山に当たって相手の都合良く踏んでしまって負けたらどうしようも無いことには変わらない。
しかし、そのデッキに対して対面理解があって少しでもケアができるのであれば勝率が0.1%でも上がってそれのおかげで本番勝てるのならば…

そう思い、9月末まではほぼほぼ1人の調整を行った。

3.9月中旬〜9月末の調整

対面想定される環境山をDeckMakerに入れ込み、出掛けた後やバイトから帰って風呂とご飯を済ませた後に時間があれば初手ドロー機能でほぼほぼ画面とにらめっこしながらひたすらオービーを回す生活。
超flatCSの直前までこれを続けていた。

たまにCS終わりの知り合いやDiscordなどでアドバンス調整の声をかけてくれる人とありがたく回させてもらい、限られた時間の中でできる限りプレイを詰めていく。
その上で本当に大事な対面には、思考をまとめるためにこういう形のメモを書いていく。

このような形で毎日オービーと向き合う生活は楽しいのと同時に、ただただ頭が疲れる。
特にガイアッシュ覇道対面は、オービー側の練度によって勝率が変わるため一試合ごとに取るべきプランが変わる。その上相手のマナ置きや挙動を見てからの手札読みがとてつもなく重要だったため無限に時間を使えた。さすがに1人回しだけではプレイの正解が判断し切れなかった。
結局この対面はどれだけ詰めても勝率は五分だった。

数少ないアドバンスCSもオービーでしか出なかった。

9/23 Wolf杯ベスト8

ある時はアドバンスをやるためだけに小山まで行った。ベスト8まで上がれたのは自信がついて良かった。
(全力でやってたが故に小山に行った話をした時に知り合いの何人かからは普通に引かれたw)



4.10月始め〜当日までの調整

そうやってアドバンスばかりして過ごしていたら、とある人から連絡が来た。

あんだんてさんかれんさんである。


関東のアドバンスCSに出るとよく見かける2人だ。あんだんてさんの独特な感性から2人は俺のことを「つるちゃん」と呼んで接してくれている。(sword→剣→つるぎ→つる、ということらしい、知らんけど)
去年の自分からしたらありえないことだから、このような形で口下手な自分に接してくれてるだけでも本当にありがたい話である。

その2人から、アドバンスの調整に誘ってもらったのである。
かれんさんからは個人で調整相手になってくれるという話、
あんだんてさんからはあんだんてさん、かれんさん、葵唯さんの3人の調整会のグループにお誘いいただいた。
というのもその2人はGPのジャッジをするため、GPには参加せずに超flatCSだけ参加するという。
正直連絡来た時は驚いたし、自分からやりたいとは言いづらかったため本当にありがたかった。秒で返信した。

調整の内容自体は当たる可能性のある対面を先手後手で5本ずつやるのをひたすら対面を変えてぶつけていく。
自分がやってた1人回しの答え合わせみたいなもので、何かの分岐で迷ったり少し違和感を感じたら意見を求めるような形だった。
それを土日のCS終わりや大学からの寄り道で定期的にやっていた。それによってかれんさんとめちゃくちゃ会ってデュエマするようになった。

対面調整によってめちゃくちゃ思考が整理できただけでなく、新たな知見や情報を入れることができたため本当に有意義な時間だった。

これらの調整を経て、少し定まり切らなかった構築をしっかり自信を持って組むことができた。

最高の65枚(次元引いて実質57枚)

2コスのひっつきの悪さを少しでも軽減しようとテンプレでは4枚だった未来設計図を3枚にして4枚目をガガガンジョーカーズに差し替え、3枚入ってる構築もあるキャディを2枚にしている。
一見それだけにしか見えないかもしれないが、この1ヶ月の間に様々な試行錯誤した上での結論である。

ネバーループやオフコース、環境外のループを嫌ってリツイーギョを入れてみたこともある。
試した感想は、「それで有利対面の勝率を落とすくらいなら全て割り切った方が早いだろ(当たり前)」となるくらいこのデッキに貢献しなかった。

せめてパワー4000であってくれ、+3000でいいから

未来設計図4キャディ3の構築も無限に回したが、ソイソイミーとの噛み合いがめちゃくちゃに悪く2コスだらけになって3ターン目でオービーを出せないという事象が多かったためそれも没、そこでキャディは2枚という所に着地した。

あとは未来設計図とガガガンの配分、
未来設計図はオービーを引けないケースを全力で避けに行くためのサーチとして入っていたが、「それは固定観念ではないだろうか」と回していて常々思った。
そこで、とある記事でも同じようなことが書いてあったと思うが、未来設計図の4枚目を裏向きにしてこれがガガガンだったらという調整法を一瞬だけ行った。
(これは手元にガガガンの4枚目が無かったからこうせざるを得なかっただけである。例の記事の人ほど自分はロジックがしっかりしていない。)

・設計図をどう頑張っても3枚目以降は使わない
・1コスだからあまり嵩張らずストレスが無い
・そもそも後手で1コスメタを投げたいことが多いのにそこで設計図打つせいで1コス出せなくて負けるケースがある
・見れる枚数が少なくて少々心許ないが、サーチ11枚入れてオービー見えなかった場合はそもそもサーチの配分関係無く割り切り

これらの理由でガガガン4設計図3という構築を確定させた。

概ねそうする予定で調整してた所もあるため、結果論調整するまでも無かったが、万が一のために調整するのが大事だと思ったのと、「好み、音楽性、どちらでもいい」みたいな曖昧な理由で構築を決めたく無かったため一応やった。
せっかく色々な人に時間をいただいて調整してもらったのに、そんなことで構築に妥協を許していたら勝てないからだ。

それぐらいその対面調整は有意義かつ本当に楽しい時間だった。
このデッキはその努力から生まれたものである。

調整は前日までに終わらせた、前日は軽く調整メモを読んだくらいだった。
夜行バスだったためゆっくりは出来ないだろうが、全てを完璧にした状態で1日を過ごしたかったからだ。


5.戦績と感想

戦績は、2-3ドロップ

2戦目に予想したよりも早くネバーループに被弾してセガーレ2枚の盤面を余裕で返されて負け。

4戦目のNEXT対面で唯一割り切っていたカツキングの3枚目を引かれてとこしえを破壊されたことによって革命の絆からVolVal-8を捲られてリーサルが消えて負け。
4戦目終えた後、知り合いの前では明るく振る舞っていたが、内心は本当に落ち込んだ。4戦目の感想戦で若干態度が悪くなっていたかもしれないと思って帰り道に反省した。

5戦目で赤青アポロにオービー欠損してサンマックスビートしてクロック踏んで負け。
文章にしてみればあっけない幕切れだが、2敗して目が無い同士で通じ合っていたのか、お互いに笑顔でデュエマを楽しんでいた。それに負けてドロップしたことには何も悔いはない。


調整録で文章をめちゃくちゃ引っ張った分、結果が短く情けないものになってしまったのは読者には本当に申し訳ないが、しょうがない。
俺が弱かっただけである。

超flatCSはめちゃくちゃ楽しめたし、地方でしか会えない知り合いとたくさん話せて良かった。
結果には納得いかないし悔しいと感じるが、それと同時に改めてアドバンスは面白いと感じた。

殿堂レギュレーションに従ってさえいれば全てのカードが使えるなんでもありのフォーマット。
個人的に当たりたく無い嫌いなデッキや、逆に面白く好きなデッキ含めて、デッキ構築の数だけDMPがいるということを感じさせられる良いフォーマットだと思える。
情報量が多い上に難しいため敬遠されがちだが、
良く言えばカードパワーの高い自由な神ゲー、悪く言えば無法地帯。
全て引っくるめてデュエマを感じられるようなとてつもなく面白いフォーマットなので、現状オリジナルしかしていない人には一度は触れていただきたい。

宣伝というほどではないが、アドバンスのCSに慣れていない人には、PleiadesCSから出ることをお勧めする。


6.読者へ

この度はなんでもないごく普通なDMPの長くお粗末な調整録をここまでお読みいただき本当にありがとうございます。
何故か自分の文章が知り合いから好評で求められていたため、書き物の練習として本記事を書かせていただいた所存でございます。 

アドバンスの調整に付き合ってくださった方々、本当にありがとうございます!
まだまだアドバンスはやり続ける予定なので、これからも宜しくお願い致します。

もしこの記事を読んで「面白かった、良かった」と思った方はいいねやリポスト、メッセージや投げ銭をいただければ幸いです。

最後に名古屋でいただいたひつまぶしの写真を載せてお別れにしたいと思います。
ではまた!

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