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20200617 大きな次男と小さなお母さん

今年15歳になる次男は、休校期間中に身長がぐんと伸びた。平均身長よりもずっと低くやせっぽちなのに変わりはないけれど、次男なりのペースで成長を続けている。

私たち大人は、体重が増えることはあっても身長が伸びることはない。もう横にしか成長することはできない。筋力は衰え、脂肪も重力に忠順だ。

日々、できるだけ体力を消耗しないことを望んでるのに、同時に引き締まった身体にも憧れている。40代を少し過ぎた私の矛盾した正直な気持ちだ。

毎朝体重計に乗り、ちょっと太ったり、ちょっと痩せたりしたことを確認している。だいたい3週間か。ぼんやりしたお腹の肉をつまみ、何とかならないもんかな〜?と思いつつ、1日5分くらいでできる運動をいくつかやっている。鉄分が取れるというシロップも毎朝なめている。体重にも見た目のシルエットにも劇的な変化はないけど、体調はとても良い。寝覚めもよくダルさがなくなった気がする。

次男は学校から帰ってきて一休みすると、公園にスケボーをしに出かける。日が伸びてきたので6時半すぎまで帰ってこない日もある。汗だくで帰ってきてシャワーを浴び、パンツ一枚でベランダに出る。夕方になると涼しい風が吹くとても良い季節。濡れ髪の薄っぺらい身体の次男を、夕飯を作りながら眺める。

部屋に戻ってきて「気持ちがいいなぁ!本当にこの家は気持ちがいい。全てが完璧だ」という。洋服タンスにしまわれないままの洋服があるし、机の上には整理してないプリント類が散らかっている。本棚やCDラックの掃除をしばらくしてないからホコリも積もっているだろう。それでも完璧な家だというのだから、そうなのだろう。

嬉しくてしばらくこの家がどんなに素晴らしいかを話し合う。そして、学校の話などもする。

「久しぶりに学校へ行った時、大きくなったねって言われたでしょう?」と聞いたら「そうなんだよ。びっくりしてた人いっぱいいたよ!でも、仲いいやつもめちゃくちゃ伸びててさ、もともと背が高いのにさらに大きくなるから永遠に縮まらない」と笑ってた。

「でもさ、身長が大きいとか小さいとかいうけどさ、たかだか2メートル以内の話なんだよね」

「いくら大きい人でも3メートルになったりはしないでしょ。人間っていうのはたかだか2メートル範囲で生きているんだなぁ。そう考えるとちっぽけな話だなと思うよ」

身長が低めの自分をみずから慰めているわけではなく、人間という存在がいかにちっぽけなものかという話になっていた。いつの間にか次男がまた遠くの世界に思いを馳せていた。恐竜とか宇宙とか、もっと大きなことを考えていたのかもしれない。それはわからない。

わからないけど、それはすごく素敵なことだと思う。

人と比べたり自分の無能感に落ち込んだりしがちな思春期という年頃に、こういう違う角度からものが考えられることはとても大切だと思う。誰とも比べずに、今のそのままの自分で生きる。これは大人になってからもすごく必要な能力なので、これからもずっとそのままでいて欲しい。

目の前にいるあなたのお母さんは、毎日体重計の100g単位というちっちゃい体重で一喜一憂しているから、なんだか耳が痛いよ!というと

「それはママが気にしたいと思っているからでしょう?だったら別にいいじゃん」

うむ。まったくその通りすぎる。今まで気にしていなかったけど、気にしたくなったから気にしているんだ!なるほどなぁ〜。

自分のことを否定している人も、次男から見たら「全てが完璧」なのかもしれないよなぁ。そんなことを考えていました。

完璧な人たちよ、またね!!


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