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20200619 思春期の親子に必要な場所

思春期の自分の子どもや、その友達やお母さん達をじっくり観察してきて思うことがある。

家や学校以外とは関係ない、宙に浮いたような場所があるといいよなぁと。

小学生も高学年くらいになると、思春期っぽい気怠い雰囲気をまとわせる子が出てくる。親は親で「まだまだ未熟」と思っているからあれこれ口うるさく言いがちだし、子どもの方は「親のいいなりになんてなりたくない」という気持ちが出てくる。

子離れのタイミングが親子で微妙にずれるこの時期は、お互いにとってなかなかしんどい数年になる。

反抗期と聞くと「うっせーなババア!」「あんた親に向かってなんて口きいてんの!」みたいのを想像するけど、実際にはそういうアグレッシブなやりとりじゃないパターンが多い。全身が不機嫌な雲に覆われていて、話しかけられることを拒否しているような感じ。機嫌がいい時と悪い時の落差が激しくて、コミュニケーションがうまく成り立たない。

赤ちゃんの頃みたいに眠ったら機嫌がよくなるわけじゃないし、抱きしめて「大好きよ」なんて言うわけにもいかないし。今までやってきたやり方が通用しなくなる。

子ども自身もどうやってコントロールしていいかよくわからなくて困っている。「なんかわかんないけど、最近むしゃくしゃするんですよね〜」と、習いごとに来ている高学年の女の子が言ってた。

「親とわりと仲良いほうで、このまえ友達のことを相談っていうか、ちょっと話したんですよ。そしたら、後から考えたら別に間違ってないんですけど、こうすれば?って言われても、お母さんはわかってないくせに!とか思っちゃって。私ってほんとダメですよね〜」

おお!これはまさに思春期の入り口だ!と思ったから

「ぜんぜんダメじゃないよ。なんとなくむしゃくしゃしちゃうのは成長期のホルモンのせいだし、ちゃんとお母さんに悪いこと言っちゃったなというのも自覚してるじゃん。立派なもんだよ。そうやって自分の気持ちを誰かに言葉で説明できることはすごいことだし、親とは違う考えがあるかもしれないって自分の頭で考えはじめた証拠なんだろうね。話してくれてありがとう!」

と伝えた。

女の子は「学校の先生とか親とかにはなんとなく話しづらいし、友達にこういう話をすると親の悪口の言い合いになって、それでスッキリする場合もあるけど、親のこともそこまで嫌いじゃないっていうか」

とも言ってた。なるほどね〜。

私がその子と話したのは、少人数制の絵画教室。成果を求められる習い事ではないので、ゆるい雰囲気でじっくり子ども達に付き合える。わたしの仕事は先生の補助で、手が止まっている子どもに話しかけたり、作品の様子が変わってきた子どもにさりげなく声をかけてみるとか、そういう漠然とした役割だ。

仕事をはじめてから、こういう場所がもっとあったらいいのになぁと思うようになった。学校と塾と友達関係とでちょっと心が忙しくなってきた子ども達が、絵の具をぐちゃぐちゃと混ぜながら、ぼんやりと過ごせる場所。

絵を書かなくてもいい。いい悪いのジャッジをしたり、アドバイスをしたりもせずに、ただダラダラと話せる場所があるといいよなぁ。

秘密も守ってくれて、ちょっと話を盛っても信じてくれて、何を言っても否定しないで、面白そうに話を聞いてくれる場所。

そういう場所に日常的に通える環境があれば、不機嫌を家に持ち込まずに済むし、余計なことで衝突して自己嫌悪に陥ることも少なくなる。

親にもそういう場所があるといいな。

秘密も守ってくれて、愚痴も聞いてくれて、お母さんよくやっていますよと言ってくれて、ちょっと美味しいお菓子を出してくれる場所。

あるといいよねぇ。不機嫌なのは、疲れるもの。

子育てにそういう時期はつきもので、それも過ぎればいい思い出になるなんて思わないよ。お互いに気持ちよくて楽しい時間が多い方がいいに決まってるじゃん!

外に頼ってどうにかなることは勉強だけじゃないよなぁ。英会話やプログラミングもいいけど、前向きに学べるには心の安定があってこそだものなぁ。そんな風に思っています。


迷える人たちよ、またね!








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