見出し画像

絵本を選ぶのは大人、気にいるのは子ども

絵本ってだいたいが子ども向け。
これに大人が向き合うとはどのような場合でしょうか。

おそらく一番一般的なものは、子どもに「読み聞かせ」るときでしょう。

読み聞かせと言ってもいろんな動機があります。
例えば教育のため。
言葉や文字や社会のルールを教えるために絵本を使います。このとき絵本は教科書的な役割を果たします。情操的な教育の面もあるかもしれません。これは道徳の教科書でしょうか。

他には、親子の絆を深めるためだったり、親とは読み聞かせするべきものだという価値観からだったり。

純粋に楽しみで読み聞かせする場合もあるかもしれません。あとは待ち時間の時間つぶしに、とか。

こんな感じで「使われる」絵本なので、研究されることもあります。
絵本にはこのような社会的意義があるとか、文化的側面があるとか。
さらには、こう使うと言葉を覚えるのが早くなる、いうことを聞くようになる、早く寝るようになるとか、機能があるとか。その機能を研究したり。。

あとは懐かしんだり、癒しを求めたり、絵を楽しんだり・・・


いろんな向き合い方がありますが、大半の大人は絵本に割く時間が多くありません。ごく少ない時間。その少ない中でもほとんどは子どもへの読み聞かせになるでしょう。

あ、ちょっと待ってください。
もっと大事なことがありました。
それは「絵本を選ぶとき」。

本屋さんで絵本を買うとき、保育園・幼稚園とか歯医者さんとかに並べるとき、図書館図書室に収めるとき。

選ぶのは大人です。
そして読み聞かせるのも大人。

であるならば、「購入主体である大人が気に入る=読み聞かせる価値がある≒読み聞かせしても構わない≒子ども自身が読んでもOK」という絵本である方が良いということになります。これが市場のニーズですね。


戦略としての「読み聞かせてもいい絵本」

すこし前、寝る前に読むと早く寝る絵本。これが売れました。市場のニーズですね。
この絵本を読むと言語能力が上がるとなればそれも売れるでしょう。
マーケット的にはそのような絵本を作るべきです。

あとは、読み聞かせの負担が少ない絵本。
文字が多いと大人の負担が大きい。寝る前なのに辛い。

それにあまりに下品すぎる作品とか思想が強く出ちゃってる作品も敬遠したい。。

こうして選ばれた本が子どもたちに届くわけです。

世の中に出回っている絵本 > 大人が選ぶ絵本 > 子どもが気に入る絵本

すると、上のように不等号で表せるというわけですね。
子どもが「もう一回読んで」という絵本があるということは、上のような奇跡を経た結果というわけです。ラッキーですね。


じゃあわれわれ作家はどのような絵本を作るべきか・・・

ここから先は

784字

見ていただきありがとうございます!