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中華格安プロジェクターを買うのをやめろ

結論を先に書くと、「同じ値段で中古のビジネス向けプロジェクターを買え」というお話。

プロジェクターと言うと、昔は高嶺の花というイメージでした。今でも家電量販店で買える大手メーカーのプロジェクターは安くても3万円はするので気軽には手が出せませんよね。

ところが、Amazonなどの通販サイトを覗いてみると1万円未満で買えるプロジェクターがいくつもあるのがわかります。大手メーカーの同じくらいスペックを謳っているものと比べると滅茶苦茶安いですね~なんとかlmとか1080p対応とか。実はこれらの謳い文句に落とし穴があるんです。

1000lmなのに暗い!なぜ?

ルーメンとは明るさ(光束)の単位です。照明器具にも書いてありますよね。
私は1000ルーメンと書かれた製品を購入しました。実際に投影してみると物凄く暗いです。普段見かけるビジネス用プロジェクター(たぶん3000ルーメンくらい)は照明を落とさなくても文字が読めるくらいなんですが、これは照明を落としてカーテンを閉めないと姿形すらわからないくらい暗いです。2000ルーメンも違うんですからこんなもんなんでしょうか……いやそれにしても暗い……

これは「光源の明るさを書いているだけ」だからです。大手メーカーのプロジェクターは「投影時の明るさ」をカタログ等に書いています。光源の明るさと投影時の明るさはイコールではないですよね。このプロジェクターは光学エンジンに1枚の液晶(大手メーカーのものはDMDや3LCD)を用いています。この液晶の透過率が結構低くて、それもあってかなり暗いです。

測定方法も動作原理も異なるので、明るさを大手メーカーのプロジェクターと数値で比較することはできません!

1080pはウソ?画像が荒い…

ほとんどの中華プロジェクターで1080p対応が謳われています。
「てことは高画質なのかな~?」「3万円のプロジェクターよりも高解像度じゃん!」
と思うと実はそうではなくて……

格安中華プロジェクターの1080p対応とは1080pの信号に対応しているという意味であって、映像が1080pという意味ではありません!

???

要は1920x1080の映像を800x480に縮小して投影できるという意味になります。タテ480ですから、アナログテレビとかDVDとか、ゲーム機で言うならPS2とかWiiとかの解像度ですね。なので、PS4なんかを繋いでゲームをしよう!ってなると、小さい文字がつぶれて厳しいです。この解像度ではPCを繋いでWebブラウジングなんてのはほぼ不可能に近いです。

用途次第ではありますが、結構痛い仕様なので要チェックです。

他にも細かい欠点が……

ちゃんとしたプロジェクターなら起こることがない問題も、格安中華プロジェクターでは起こります。些細なことかもしれませんが、私が購入したプロジェクターでは
・スクリーンとの距離が近い(1mくらい)とピントが合わない
・映像が縦に伸びる
・ネイティブ解像度に設定できない
といった問題がありました。

「映像が縦に伸びる」というのは縦横比を無視して拡大縮小を行うせいです。Wordなんかで画像を貼り付けた時に縦に伸ばしたら気持ち悪いですよね?具体的に説明すると、このプロジェクターは解像度が800x480で縦横比は16:10なのですが、どうやら内部で16:9として認識しているようです。PCの場合は少し面倒な設定をしてあげれば縦に伸びてない映像になりますが、PS4などゲーム機ではそうはいきません。

「ネイティブ解像度に設定できない」というのは、「どう頑張っても拡大縮小なしで投影できない」という意味です。例えば、1920x1080の液晶ディスプレイがあったら、PC側も同じ解像度に設定しますよね?PCのHDMI出力の挙動とプロジェクターの仕様のあれこれが絡んで「完全に同じ解像度で出力」することができなかったので「ぼやけた映像」しか得られませんでした。ちなみに720x480は綺麗に映せます。

実は中華格安プロジェクターよりもお得な選択肢がある

ここまでいろいろ文句を言ってきましたが、ちゃんとしたプロジェクターというのは基本的に高額です。しかし、中古であれば「より高解像度で明るいプロジェクター」同じくらいの値段で買えます!

私は10年以上前のプロジェクターの「ランプ使用時間が短いもの」をリサイクルショップで5400円で購入しました。HDMIはついてないのでVGAに変換してあげる必要はありますが、変換アダプタは1000円程度で買えます。ビジネス向けプロジェクターなので対応してる信号の範囲が広く、1080pでも大丈夫でした。

マジオススメです

それでも中華格安プロジェクターがいいと言う人は

消費電力は少なく、本体の大きさも小さい。しかも新品で5千円。中華格安プロジェクターにも良いところはあります。でも、私にとってはデメリットの方が大きかったので、同じ値段を出すなら中古のプロジェクターをオススメします。

追記 2019/02/08 中古のプロジェクターのいろいろ
Q. 中古だとランプ寿命が心配じゃない?
A. 大抵のプロジェクターは光源に放電管(車のヘッドライトのHIDとかに近い感じでしょうか)を用いてるので寿命があります。これは交換することができますが非常に高価です。
なので、中古のプロジェクターを買う際は必ず「ランプ点灯時間」を見て、残りの寿命の目安を把握することが必要です。
ただ、ランプ点灯時間は設定画面で手動でリセットできるので、当てにならないこともあります。実際に投影した画面の明るさもチェックしましょう。
あと使い捨てのつもりで買う。博打でもあるけどそれでも中華プロジェクターよりはマシだと思うなあ。

Q. 中古で安くてランプ点灯時間が短い優良物件そんなに転がってる?
A. 探せばある。企業や学校で大量導入してリース落ちで中古市場に出回るケースが多く、中には大して使われていないのに安いものもあります。筐体に傷や汚れがあったり、付属品が揃っていなかったりで安いやつもお得です。

Q. スペックちゃんと読めばダメなやつってわかるジャン……
A. 予備知識があればわかるかもだけど、そうじゃない人は難しいだろうね。それこそタイムセールで衝動買いしちゃう人にはまず無理。この記事はそういう人に向けたものであって、スペック表をウン時間も眺めて知らない単語をいちいち検索してようやく意思決定をするキミみたいなオタクには関係ないんだよ。

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