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NHKニュースクリップ(2024年4/7号)

新年度が始まり、NHKでも新番組が始まりました。ニュースを中心に、出演者やセットの刷新などリニューアルが行われた枠も多く、NHK公式アカウントによる浮かれた感じのSNS投稿も活発に行われています。

その一方、緊張感に欠けるからのか、実務力が無い職員が中枢にいるからなのか、ミスも相次いでいます。

一部報道によればチェック体制が機能していなかったとのことです。ニュースウオッチ9やクローズアップ現代の捏造報道のたびに「チェック体制を強化」とNHKは述べていますが、ニュース7でこの有様ということは、恐らく外向きに弁明しただけで、チェック体制の構築はできていないのだと思います。

結局今回も国際部の担当者の怠慢ということで決着がつき、NHKの組織としての課題としては扱われなさそうです。だから何度でも過ちを繰り返すのだと思います。

「ニュースーン」幹部50人が見守る中での放送

午後の新番組、ニュースーンの放送が始まりました。

のっけから短縮放送とのことでしたが、まさにバッファ枠として機能したのではないかと思います。ただ、内容に関しては私は疑問を感じました。

もっとローカル色がある作りになるかと思ったら、ほとんど「シブ5時」のようなNHK職員の内輪ノリの番組になっていました。

TVALの視聴率で見る限り1%いくかどうかなので初めから戦うつもりはないのかもしれませんが、横並びの競合番組の数字を奪えるような内容にする気はなさそうです。

せめてワイドショー的にジャーナルな話題を掘り下げないと、今のままでは「シブ5時」・「ゆう5時」が外側だけちょっと変わった程度に留まっていて苦しいと思います。

バッファ枠だからそれでいい、と言えばそれまでですが、士気も上がらないでしょうし、何よりせっかくローカルから参加するチャンスが増えると思っていた若手もがっかりではないでしょうか?いや、もはや全中参加なんてローカル的にもどうでも良いのだろうか…

「新プロジェクトX」作りの雑さに唖然

なぜか電撃オンラインまで報じている「新プロジェクトX」、ついに初回放送がありました。

詳しくは媒体向けのコラムなどで掘り下げるとして、私は正直つまらないと思いました。スカイツリーが出来るまでの一部を「説明された」だけという感じで、心に迫るものは全く無かったのです。

それには、大きく2つの理由があります。

新人の1試写を見ているかの如き構成の破綻

1つは構成の破綻です。最初に耐震性の要となる心柱の話などがされていましたが、番組のクライマックスである東日本大震災時点では心柱がありませんでした。当時、東京は震度5強ですが、それでも崩れなかったのは良いことである反面、心柱の話は何だったのかと思いました。

また、プレス工場の方々が取材を受けているのですが、あくまで部材を作る上での話で、主人公候補のストーリーと全然リンクしていません。プレス機と自分の人生を重ねるシーンは一部の方には受けるのかもしれませんが、要素としてなぜ入っていたのか私には理解できませんでした。

一体何の物語だったのかが曖昧で、正直、新人の1試写を見ている気分でした(いや、私が作った長尺番組もこんなもんだったけどさ)。

やぶれかぶれのコメントバックだらけ 映像のチープさに呆れる

もう1つは映像の雑さです。

主役であるスカイツリーがニュースの資料映像ばっかりだったのに個人的には呆れましたが、人を描くパートも雑でした。

2013年筆者撮影

この手の大型番組と言えば、紹介カット・インタビュー・接写には心血を注ぐものですが、いずれも淡白で「映っているだけ」といった印象でした。

インタビューはFIXのカメラと、往復スライダーでの物越しカットの2カメで恐らく撮影されていましたが、PDもカメラマンも話を聞いている風が全く無く、見ていて退屈でした。

何より酷かったのは接写です。旧プロジェクトXでも同じ写真が多用される傾向はありましたが、今回はまるで提供を受けた.jpgのファイルを編集機のタイムラインに貼り付けただけみたいなカットが何度も登場して、正直呆れました。

同じカットを2度使わないというのは編集の原則です。写真だって、プリントアウトした上で心象風景を具現化し、ライティングにも工夫した上で、様々なカメラワークをつけて心情を表現するようにロケするものです。

それが、今回の接写は本当にペタッと貼り付けただけか、カメラワークがついているものでもポスプロで機械的につけた動きかと思うほどでした。これでは心を動かせません。

時制の混在も理解を困難にさせる要因

また、これは一般視聴者にとっては本質的ではないかもしれませんが、私からすると資料映像と現在の映像が混在しているのも凄く嫌でした。

過去の資料映像に「資料」とテロップを入れていないのもまず不親切なのですが(恐らくほとんど全部資料だからでしょう)、唐突に現在の「デモンストレーション」が挿入されるので、混乱したんですよね。

まさにコメントのために画を強引に用意するような作りで、私からしたら新人のころにキチガイのCPに突貫でリポートを直されたときのVTRのような感じでした。こんな作りをしていたら、さすがに旧Xの人たちも怒るのでは?

こんな状況なので、新Xの出だしはかなり不穏です。ドキュメンタリーを作る体力がもう無いのでしょうね。ドキュメンタリーを軽視してきたツケだと改めて思いました。

スタジオ演出も要改善

ドキュメンタリーにはオマケみたいなもんですが、スタジオパートも良いとは言えませんでした。

MCがカンペを読むために変な目線になったくらいはご愛嬌ですが、模型を見せて話を聞くだけなら、もっと簡素なライトを背負っただけのスタジオの方が内容に集中しやすかったのでは無ないでしょうか?

番組に対してセットがゴチャつき過ぎていると感じました。

また、Vで聞く内容とスタジオの内容がほとんどリンクしていませんでした。発注者と、下請けのライバル企業同士という座組を成立させるためにMCが介入する必然性はあったかもしれませんけど、ならいっそスカイツリーで収録した方がドキュメンタリーらしかったのでは?とも思いました。

静岡局の報道・川勝知事への批判皆無の異常さ

本部だけでなく、ローカルでもおかしなことになっています。週末にかけてNHKも力を入れていた静岡県の川勝知事の問題、静岡局はどう報じていたのでしょうか?

匿名の記者からのDMを受けて静岡局の出稿を遡ってみると、妙なことに気づきました。新人職員の訓示を伝えた後、他社が失言問題を報じる中でもNHK静岡局は沈黙を続け、辞任の意向を表明した直前くらいのタイミングで初めて失言問題を報じていたのです。

訓示は本当に段取りだけの撮影だったのでしょうかね?それとも、立ち会っていながらNHKは問題視しなかったのか?はたまた、川勝知事との関係性を維持するため、「反発」と表現した全国とは逆に静岡では配慮をしたのか?

いずれにせよ、報道としては不十分だったのは事実です。静岡局は、以前に静岡市で水道管が破裂したときも第一報が全然出なかったことがありました。昔から南海トラフ対策で精鋭が集められる、とは言われてきましたが、いまや精鋭でもこのレベルということなのでしょうか…?

ネットワーク報道部・足立職員 JFCから降りる

私はブロックされているので人からの情報提供ですが、JFC(日本ファクトチェックセンター)に参加していた足立職員がそこから降りて、新しいラジオ番組を始めたとのことです。

内部に取材したところ、いつぞの「NG記者リスト」問題で放送前にお漏らしをしたことがかなり問題視されているとのことです。報道の現場から外されてしまうのでしょうかね?

それにしても、NHK自体が誤情報・フェイクをこれだけ発信している中、批判の対象を誰も信じていなさそうなネットの怪情報に絞ろうというのは本当に愚かなことです。ネットワーク報道部自体をファクトチェックすべきですよ。

印税を求める職員の源流か?

最後はこんなニュースを1つ。

私は全然知らないアナウンサーなのですが、こんなに巨額の印税収入を得ていたのですね。知名度を上げて著述業に進出しようとする職員が多い背景には、こんなこともあるのかも?と思った次第です。

※メンバーシップ向けには、「新プロジェクトX」関連の未発表原稿を掲載する予定です。番宣の直後に書いたものがあったのですが、タイミングがずれてリライトになりました。

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