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#ダースレイダーの音楽話 #36 ニール・ヤングの至極の10年間

Neil Young 『Decade』(1977)

77年までのニール・ヤングのベスト盤はとにかくいい曲しか入っていない。
どこをどう切っても素晴らしく、僕の学生時代をずっと支えてくれていた。
入院した僕は折れた矢のようなものだ。
病床で改めて聴いた"Ohio"の力強く、それでいて繊細、というこの人にしか成しえないバランスの表現が、力が弱って、意識が散漫になっている僕の節々まで力を送り込んでくれる。
脳梗塞で三半規管をやられて吐き続けた、激しい船酔いのような三週間はハリケーンに立ち向かうニールの後ろ姿に針路を合わせて乗り切るんだ。
アステカを滅ぼしたスペインの英雄、コルテスをKillerと歌う感覚こそ苦境に立ち向かう者へのエール。
看護士に注射を注される度に彼の曲が脳内再生されたのも言うまでもない。いてて……。
ダメージ、ダン!


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