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天使産んだと思ってたらちゃんと私の子だった話。

今年小学1年生になった長女を、通い始めたばかりの学童に迎えに行った。
教室の外で帰り支度をしている長女を待っていたら、私の母より歳上であろう指導員の先生に声をかけられた。

「長女ちゃん、とぉっっっても可愛らしいですね!!!」
オタクが推しを語る勢いのそれに面食らった私はトンチンカンな返事をしてしまったと思う。
どこらへんが可愛かったんですか?
よくぞ聞いてくれましたとばかりにその指導員の先生は、今日の長女との出来事を話してくれた。

"もちろんお顔も可愛いらしいんですけどね!性格がね!もうすっっっごい可愛くって!!!
今日私、生徒達が帰ってくる頃に所用で教室の外におりまして、そしたらちょうど帰ってきた長女ちゃんが私を見て『先生が濡れちゃうよ〜!こっちこっち!この傘に入って!』って言って、自分も濡れちゃうのに私に傘をやってくれたんですよ!もうすんごい優しいの!!!どうやって育てたらあんなに優しい子に育つんやろうねって指導員達で話してたんですよぉ〜!!!"

ということがあったらしく、推しの良さを聞かれたオタク並に語る先生を見てさらに混乱した私は、ちっさい傘やのにねぇなんて見当違いな事を言いながらドュフドュフ笑ってしまい、すごくキモかったと思う。
親の私が言うのもなんだが、長女はとても優しい。
最初に通った保育園の先生には「とても良い子が入ってきてくれた」と言わしめる程に優しい。
男の子のお友達のママさんには「うちの子が『長女ちゃんはとっても優しいから大好き』って言うんですよ〜」と言われ、男の子ママさんの好感度を欲しいままにし、体調不良で早退する際にはクラスの男の子達が我も我もとお見送りしに教室から出てくる。
その際も「給食の時間やし先生も待ってるからみんな座ってて〜大丈夫だから〜」と言って帰って行く長女を見て、"いいから座ってて!"とか"教室帰りぃや!"という言葉ではなく『教室で他の皆んなが待ってるよ』という、相手が受け取りやすい言葉を使っている。
しんどいであろうに、相手を思い遣る事を決して忘れない長女に私は脱帽した。
子ども達には、言葉を発する前に相手がどう思うか考えてから言いなさい、とは教えているが長女は産まれた時から優しいので、これはもう生まれ持った優しさなのだと思う。優しいというか、曇りなき眼過ぎて、本当に私の子か…………???と疑念すら浮かぶ。
きっと天使を産んだのだ。そうに違いない。でなければ、こんな口の悪い私に育てられてこんなふうに育つわけがない。

私は天使に、今日学童の先生が長女ちゃんのことすごく優しいって言ってたよ、と伝えたらよくわからない顔をしていたので、先生が濡れるから傘に入れてあげたんでしょ?と言ったら「あぁ、そのことか」といった顔をした後、照れたようにドュフフと笑った。
私の子だなと思った。

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