見出し画像

五月雨登校とお母さんの気持ち。

ちょっと昔の気持ち。

息子が小2の頃。コロナより前で、
当時は今よりも、不登校の子ってまだ少なかった。

学校には、週3回程度通っていた時期があった。
いわゆる五月雨登校というやつだ。

その頃の息子は、学校に対して、
「行きたいけれど、行けない。(けれど行かなくちゃいけない)」と思っていたのだと思う。

その後、
「辞めたい訳ではないけれど、今が楽しいから学校には行かなくていい」に変わった。

五月雨登校の頃、
私は親向けの本を山のように読んだ事がある。

大体の本には

お子さんが元気になり、幸せに生活するためには、まずは本人が自信を取り戻せるように、
親は学校に行けない我が子も丸ごと受け入れてあげましょう。


と書いてあった。


これはもうその通り、ということはよくわかった。

息子は確かに、さまざまな想いが絡まって
自信をなくしていたし、
私も息子に幸せになって欲しいって思ってた。

身体の調子が悪いときは行かせようだなんて
思わなかった。

でも、体も気持ちも少し元気になってきて、
五月雨登校する我が子を見ていると、
「もう少し学校に行き慣れたら、
もしかしたらまた登校できないかな?」
とも思った。

学校でも、
「好きな教科だけでもいいから、きて」と言われたし、そのために下準備をしてもらったこともあった。
実際に、それで行ける気持ちになる子もいるのかもしれない。

でも、息子はなんとなく疲れてた。

子どもが学校に行かないことを
心から受け入れるって
「頭でわかっちゃいるけど、できない」
ってやつだった。

不登校専門カウンセラーなんて、人にも相談して
「今は登校、押しどき?引きどき?」なんて聞いたりもした。
でも、子どもを見てるのは私だけ。
そのカウンセリングは1回でやめた。

自分の何がどう変われば、心の底から
「学校に行かなくていい」と言えるような気持ちになるのか。
当時の私にはわからなかった。

そんな風に戸惑うこと。
今振り返っても、「そりゃそうだよね」と思う。

だって、学校に行くことを疑いもせずに、
学校に毎日通ってきて親になった私には、
学校に行かない生活がどんなものなのか、
想像もつかなかったのだもの。

今まで当たり前だと思っていた価値観を変えて、
心の底から、全く違う価値観を信じろなんて、
頭で分かっても、すぐにできるわけないのは、
人間だもの。当たり前のことだ。

だから思う。

そんなふうに思う自分を
「そりゃ、戸惑って当然だわ〜。」と、
まずは、自分で受け入れてあげることが
大切だったんだ。

それは、子どものことを受け入れたいって
思う気持ちと一緒で。
自分のことを受け入れる。

自分にしてあげられると、
人にももう少し素直にしてあげられるように
なるから。

「親が変わればいい」という言葉のプレッシャーを
「私が変われないからいけないのか」と
書き換えてインプットし、
やっぱり自分を責め始めていた私に対して、

「そりゃ、変わろうとしてすぐに
変わるわけないよ!笑」と言ってあげたい。

自分の中に染み込んだ価値観を変えようって。

それは子どもにはしないように
頑張っていることなのに、
自分にしちゃって苦しくなっちゃってんだな。

フリースクールに通って、息子は笑顔が増えた。

彼が自信を取り戻していく様子を見るたびに、
私は少しずつ、

「学校じゃなくてもいいのか」と心から思い、
「学校に五月雨登校していたときは無理してたんだ」と気づき、
「自分で行くと選んだ場所では、こんなに生き生きとするのか」と驚き、
「結局自分で決めないと、親が促してもいいことないなあ」と悟った。

これが、現実だ。

今だって、将来を考えると不安もあるし、
「本人の興味や学びたい気持ちが見えてきたら、
その時に合う学校や場所があればいいな」
という気持ちもある。

でも学校という組織には、
もう行かないかもしれないとも思っていて。

当時と違うのは、
「本人が自分で決めるしかない。
けれど、その決める時には
勇気になるような親でいたい」と、
思っていることだ。

また先に揺れるかもしれないけど。

揺れ動く親心も、あたりまえだと思う。
だって、そんな風に思えるまでにだって、
親だって、たくさんいろいろ悩まないと、
心からそう、思えなかったんだもの。

そして親が出来ることは、
そんな自分に優しくしてあげること。
そんな気持ちになった自分を、
認めてあげることだと思う。


「学校に行く意味ってなんだろう」とか
「学校は何をするための場所なんだろう」とか
教育哲学、みたいなこともさんざん考えた。


一個一個全部、無駄じゃない。
その時に読んだ本、感じた想い、考えたこと、
変化した自分。
それら全てが今の自分を救ってくれている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?