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1年目の成績

藤井聡太四段の成績がとてつもなく凄いんですが、ほかの棋士は1年目どうだったのでしょうか。
具体的な数字を名棋士の1年目と比較してみます。

今回の記事は長文です。たくさんの棋士を紹介します。
メディアには挙げられていない名棋士はたくさんいるんです、って意味も込めて多くの棋士を紹介させていただきました。

では、比較する棋士は以下の13人。
・藤井聡太…説明不要
・羽生善治…説明不要
・谷川浩司…17世永世名人。史上最年少名人獲得。通算タイトル獲得数27(歴代4位)
・加藤一二三…史上最年少名人挑戦。歴代最多通算対局、負数(対局数:2505、勝数:1324、負数:1180)
・渡辺明…永世竜王、永世棋聖
・豊島将之…現在レート1位
・佐藤天彦…実力制第十三代名人
・中原誠…16世永世名人。その他棋聖、十段、王座、王位の永世称号を持つ。通算タイトル獲得数64
・米長邦雄…永世棋聖
・森内俊之…18世永世名人
・佐藤康光…永世棋聖
・屋敷伸之…タイトル挑戦、タイトル獲得、タイトル防衛、タイトル失冠の最年少記録保持者
・郷田真隆…史上初の四段でのタイトル獲得

※実質初年度の成績比較

■藤井聡太
(2017年度)
対局数:73
勝数:61
負数:12
勝率:0.8356
その他:
・29連勝(前年度連勝を含む)
・朝日杯優勝
・六段昇段
・年度四冠(最多対局賞、最多勝利賞、勝率一位賞、連勝賞)
・特別賞
・新人賞
・名局賞

■羽生善治
(1986年度)
対局数:54
勝数:40
負数:14
勝率:0.7407
その他:
・最大15連勝
・勝率一位
・新人賞
・初タイトルは3年目(竜王)
・1987年度に天王戦と若獅子戦で優勝

■谷川浩司
(1977年度)
対局数:35
勝数:22
負数:13
勝率:0.6286
その他:
・最大5連勝(最大6連敗)
・プロ初対局は加藤一二三九段(1976年度)
・初タイトルは7年目(名人)
・1978年度に若獅子戦優勝と新人賞受賞

■加藤一二三
(1955年度)
対局数:37
勝数:29
負数:8
勝率:0.7838
その他:
・最大8連勝
・初タイトルは14年目(十段)

■渡辺明
(2000年度)
対局数:38
勝数:25
負数:13
勝率:0.6579
その他:
・最大6連勝
・初タイトルは5年目(竜王)
・2002年度に新人賞

■豊島将之
(2007年度)
対局数:42
勝数:30
負数:12
勝率:0.7143
その他:
・最大10連勝
・王将最年少挑戦(2010年度)
・2009年度に勝率一位賞と最多勝利賞
・2010年度に新人賞

■佐藤天彦
(2007年度)
対局数:38
勝数:22
負数:16
勝率:0.5789
その他:
・最大6連勝
・前年度(2006年度)成績:11勝1敗
・初タイトルは10年目(名人)
・2008年度に新人王戦優勝と新人賞受賞

■中原誠
(1966年度)
対局数:39
勝数:32
負数:7
勝率:0.8205
その他:
・最大12連勝
・初タイトルは3年目(棋聖)

■米長邦雄
(1963年度)
対局数:23
勝数:11
負数:12
勝率:0.4783
その他:
・最大4連勝
・初タイトルは11年目(棋聖)

■森内俊之
(1987年度)
対局数:32
勝数:24
負数:8
勝率:0.7500
その他:
・最大9連勝
・新人王戦優勝
・初タイトルは16年目(名人)
・1988年度に新人賞

■佐藤康光
(1987年度)
対局数:48
勝数:37
負数:11
勝率:0.7708
その他:
・最大8連勝
・初タイトルは7年目(竜王)
・1990年度に早指し新鋭戦優勝と新人賞受賞

■屋敷伸之
(1989年度)
対局数:65
勝数:46
負数:19
勝率:0.7077
その他:
・最大9連勝
・タイトル(棋聖)挑戦
・新人賞
・初タイトルは2年目(棋聖)

■郷田真隆
(1990年度)
対局数:53
勝数:40
負数:13
勝率:0.7547
その他:
・最大14連勝
・初タイトルは3年目(王位)
・1992年度に新人賞と殊勲賞


■昔と今の違い

さまざまな賞が整備されたのは1973年度ですので、それ以前の人は新人賞とかはありません。

タイトル数は昔より今の方が多いのですが、非タイトル戦が今と昔でどのくらい違うかは分かりません。なので対局数での比較については分からないです。

それでも歴代の名棋士は新人の頃から素晴らしい成績を上げていますね。
今回調べた結果だと1年目の成績が良くないのは米長永世棋聖だけです。


■やっぱり藤井さんはずば抜けている

勝率8割越えは藤井さんと中原永世名人の2人だけ。羽生さんは7割5分を下回っています。
最近面白キャラが定着しているひふみんこと加藤一二三九段は7割8分と、こちらも素晴らしい成績。

が、ずば抜けた勝率、連勝記録、全棋士参加の棋戦優勝、さまざまな賞、最年少記録製造マシーンの藤井さんが一歩抜きんでているように見えます。


■タイトルの期待

名棋士は早くからタイトル戦で活躍しています。
だいたい3~7年目あたりでしょうか。

藤井さんはそれを上回っても不思議ではありません。
今年度か来年度には何かしらのタイトル戦に出るのはないでしょうか。

とはいえ、デビュー当初から時期羽生の呼び声高かった豊島さんがいまだタイトルを取れていないというのもあるので、本当にどうなるかは分かりませんが。

ともあれ、今も各棋戦で勝ちまくっている藤井六段から目が離せません。


■実は凄い大橋四段

藤井さんの活躍がキラキラしすぎて他がなかなか注目されないのですが、藤井さんと同じタイミングでプロになった大橋さんという方がいます。実は凄いんです。
大橋さんの初年度成績をこちらに記してこの記事をしめたいと思います。

(2017年度)
対局数:58
勝数:46
負数:12
勝率:0.793(2017年度の勝率二位)

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