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ダシヨ小説

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「文章でもお笑いを」 そんな耽笑主義ともいうべき精神でゆるりと低俗にお届け♪
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記事一覧

『頭の中は自宙』

「イヤですねぇ、今宵の月鼓は死唄かしらん」 車窓から注ぐ月光を男の眼鏡は拒絶していた。 拒…

ダシヨ
4年前
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「異日常」37/37

ピンポーン ピンポーン 「パラグアイchです~。集金に来ました~。」 ドアの外からはまだ声が…

ダシヨ
4年前
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「異日常」36/37

もはや俺の心を掴んで離さないパラグアイchは、その後も淡々と、あくまで興味深く続いた。スペ…

ダシヨ
4年前
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「異日常」35/37

その後に続いたのは料理番組。例の如く出演者は南米のタレントで、引退後のマラドーナを思わせ…

ダシヨ
4年前
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「異日常」34/37

ピンポーン ピンポーン 俺はインターホンの音で目を覚ました。どうやら日記を書いた後、寝落…

ダシヨ
4年前
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「異日常」33/37

とまぁ、こんな感じでダラダラと書いている。さて、今日はどんな職業になりきるとしようか。あ…

ダシヨ
4年前
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「異日常」32/37

【Sexual Dancingサイコ吸い師】 平日の朝、駅の構内を歩くのが好きじゃない。特にオフィス街の駅なんて最悪で。疲れからか憂鬱からか、表情のくすんだ大人達が全員黒っぽいスーツを身に纏い、僕の視界が悲哀に満ちたモノクロ世界になるから。 なんで色を使わないの? 電車の中になるとより顕著で。集団で葬式会場へ向かっている訳じゃあるまいし、下手したら誰か啜り泣いてるんじゃないか、もしくは自分が無意識に落涙してるんじゃないか、なんて不安を煽られる暗澹たる空気感。ずっとあの場所に

「異日常」31/37

不甲斐なくも父さんのお陰でなんとか前を向けた俺は、無事自宅へ帰り着き日常へ戻った。 両親…

ダシヨ
4年前
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「異日常」30/37

俺は力無く店を出て、ふらふら無気力に家路についた。何もかもがどうでも良かった。考えるのが…

ダシヨ
4年前
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「異日常」29/37

ブゥン。。。聞き覚えのある音で出現した光の穴に、それが福音かどうかもわからぬまま、俺は決…

ダシヨ
4年前
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「異日常」28/37

ブゥン。。。そんな音がした。 何の音かと思えば、目の前に丁度俺の背丈程の真っ黒い穴が出現…

ダシヨ
4年前
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「異日常」27/37

いけない、そうこうしている間にすっかり時間がギリギリだ。これからの予定とは晩餐会への出席…

ダシヨ
4年前
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「異日常」26/37

それにしても。それにしてもだ。犬には本当に申し訳ないことをした。再度言わせてもらうが、俺…

ダシヨ
4年前
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「異日常」25/37

それから俺は夜の予定の為、少しの家事をこなして身支度を整えた。(安定の百足コーデを基調とし、双肩にイーグル、ストールとしてアナコンダをプラス) いざ出掛けんと玄関を出ると、脇の花壇に不審な段ボールが一つ。最低限の警戒心を保ちつつ中を覗いてみると、なんてことはない仔犬が一匹。ただその仔犬というのが少々変わっていて、頭からすっぽり円筒状の箱を被っているのだ。スナック菓子のプリングルスの容器を思わせる筒。そんなプリングルス犬とでも言うべき妙ちきりんな犬の横には、一通のメモ紙が入って