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【獺祭社員日誌】vol.6最終回 「国内最大規模の精米工場へ」

今回が最終回となります。vol.5を先にお読みください。

今日は山口県のお土産をいただき、早朝に外に出てみると細かい雪が降っていました。
私は高雄で生まれ育ちましたが、雪景色の中にいるのは初めてです。 全く寒さを感じず、興奮して体が熱くなってしまいました。

しかし、山に入ると雪が重くなり、初心者の私には手に負えない量になりました。
髪に雪が積もって、ダウンジャケットに残り、さらには目に飛び込んできて開けられなくなりました。
道路はツルツルしていて楽しくないし、早めに会社に入りたかったですが、今日の見学は精米工場に行く予定です。
高雄市民として生涯見える雪量すべてを見ることができました。

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自社精米100%の精米工場へ

精米工場は岩徳線の周防高森駅近くにあり、広大な敷地に巨大な倉庫4棟と事務所があります。倉庫に入った途端、酒米の深い香りがしました。蔵の蒸し米の香りとは違い、生米の香りが濃く重く漂っています。
生酒米の香りは軽々と鼻孔に入ってくるのではなく、ずっと空間に安定して留まりです。香りを嗅ぐと自分がその空間に侵入しているような気分になりました。

精米工場の作業のほとんどは機械で行われています。
精米機は高く、2列に整然と並んでいて、真ん中は人が操作や監視をするスペースになっています。
精米機の原理は実はとても面白く、簡単に説明すると、精米機に山田錦を入れて精米度を設定すると、精米後のお米の重さが計算され、目標の数値になるまで連続して精米機が働いてくれるというものです。

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連続運転とは、精米はゆっくりと行う必要があり、激しすぎると摩擦や熱が発生して米に悪影響を与えるので、ゆっくりと連続して磨くことです。
 機械の内部動作では、米は機械の高い部分から中間部分は磨く作業、米の粉は機械の下部に集められ、目標重量に達するまで下部から米が引きあげられて連続作業します。

蔵元日記【山田錦は捨てるところなし】にも書いてありますが、旭酒造では、農家の方が育てて届けて頂いた「山田錦」を、決して無駄にしないようにしています。弊社の平均的な精米歩合は31%で、米粒の外郭部分は米ぬかになりました。
一見、もったいないと思うかもしれませんが、米粉は食品原料にも使える、人気の高いものです。

山田錦の農家の皆様、そして獺祭を愛してくださる消費者の皆様に感謝しています。 一番の恩返しは、資源を無駄にせず、美味しい商品を作ることです。

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直営店「獺祭ストア」へ

会社に戻る途中、雪が止んで晴れたので、会社の向かいにある「獺祭ストア本社蔵」に立ち寄りました。
訪れたことのある方はわかると思いますが、オフィスとショップの間には小川が流れていて、橋を歩いて渡ることになります。
古い橋は3年前の洪水で流され、新しい橋は名建築家・隈研吾氏の設計で現在も建設中ですが、完成したイメージはとても美しいです。

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渓流の反対側に立ち、山と旭酒造を眺めながら、この数日間に見聞きしたことを振り返りました。
獺祭の魅力を体験し、製造工程にも参加してみて、獺祭の一本一本はメンバー全員が最高の味だけを消費者に届けるために努力した結果であると実感しました。
山奧の中で、最高の日本酒を目指し、その美味しさを世界に広めようと努力している人たちがいますよ。

皆様、いつもお世話になっております。私の満足と喜びを皆様と共有できることを光栄に思います、今後も宜しくお願いします。

~おわり~


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