信じられない30球 9/8 ●0-5

眠い目をこすりながら市営浦和球場に到着したのは9時20分頃、既に選手紹介が行われていた。
台風15号の影響で試合開始時刻が9時半に早まったこの日の先発は松谷、試合開始直後にアストライア打線に捕まるとあっと言う間に先制点を許してしまった。

その後も失点は止まらず、たった30球で5失点を喫したところで松谷はマウンドから姿を消した。松谷が投じた30球の内容は、にわかに信じがたいと、今でも思うほどだ。
前日の試合で早いイニングから松谷の投球練習が見えた。そこで投げていた球の勢いはノビがあり、好投を予感させるものだった。予告先発の名前を見たときに、まさか「よーいドン」で5点を失うとは到底考えられなかった。

野球において「たら、れば」は禁物だ。だが、加藤の打席、2ストライクと簡単に追い込み有利なカウントからの4球目さえ投げきれていれば…。「大事に行けよ、大事に行けよ」と心で念じていた思いはむなしく真ん中にスーッと呼び込まれ、ライト・西山の頭を越えていった。

その後はエースの里をマウンドに送り込み、それ以上の失点を与えることはなかった。得点への流れを作れるような投球を続けたのだが、ついにホームに選手が還ってくることはなかった。流れを作るというのか、相手にそれ以上の得点をやらない為の流れと言ったほうが良かったのか…。

苦しんだ春季リーグから一転、夏季リーグでは勝ち星に恵まれなかったが内容が良く、状態が上がってきたと感じていた松谷。次回登板はいつ、どの場面になるかは分からないが「やっぱりあの日の松谷は早朝から見た幻だったんだ」と思わせて欲しい。

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