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データ分析初心者が外資ベンダーのBIツール比較してみた!


1. はじめに

BIツールをいくつか触ってみて、その面白さに徐々に惹かれ始めています(笑)
今回は、3つのBIツールを使用してみて、GUIとデータ分析の観点からそれぞれの有用性を考えてみたいと思います。
本記事は、データ分析初心者が実際に触ってみて感じたことを基に記載しているので調査しきれてない部分があるかもしれないです。ご容赦ください。

2. 比較方法について

下記のBIツールをGUIと分析(表現の幅や関数など)、リソースという3つの観点から考察してみます。
私自身、データ分析初心者であるため、初心者の視座から見た違いについてお伝えしようと思います。
今回は以下のツールを比較に用いる。
・SalesForce社:Tableau
・Oracle社:Oracle Anlytics Cloud
・Microsoft社:Power BI

GUI

①直感性と使いやすさ
直感的で、新しいユーザーでも簡単に理解できるかどうか、ユーザーが求めている情報に容易にアクセスできるかどうか
②カスタマイズ性
ユーザーがダッシュボードやレポートのレイアウトを容易にカスタマイズできるかどうか、色使い、フォント、レイアウトなど、視覚的要素が整っているか

分析機能

①データ加工
データに対してどのような加工を施せるか
②データの可視化
データを理解しやすくするための可視化ツールの豊富さと高度さ、チャート、グラフ、マップなど様々な可視化オプションがあるかどうか、またユーザーが異なる視点から情報を探求できるようなインタラクティブな機能(フィルター、ドリルダウンなど)があるかどうか
③ユーザー定義関数とカスタマイズ
ユーザーが独自の計算式や分析モデルを作成できるかどうか
④統合と互換性
他のシステムやアプリケーションとの統合が容易かどうか、幅広いデータソースに対応しているか

リソース

①リソースのアクセスのしやすさと充実度合
ユーザーが求めるリソースにアクセスできるかどうか

3. GUIについて

①直感性と使いやすさ

Power BI:Excelに慣れ親しんだ人
Oracle Analytics Cloud:業務ユーザーなどソフトウェア不慣れな人でも使えるUI
Tableau:噛めば噛むほど味が出る初心者から熟練者まで幅広いユーザーに対応するUI
UIに関しては上記のようなイメージです。

Tableau、OACともに画面構成としてはシンプルで分かりやすく、だれでも使いやすいです。
OACは、シンプルで分かりやすい画面構成でITツールに馴染みがない人に合わせたツールだと思います。社内全体で使用する場合、技術的な導入ハードルは低いと思いました。
一方でOACの方が直感的な操作感について劣るかなと思います。
Tableauはすべての項目を右クリック中心に行うのでサルでもわかるような操作感になってました。

Power BIは、Excelを拡張した感じでした。
分析機能も他と違い、左サイドバーにあり、操作も上部にあるバーを使用したりします。上部にあったり、サイドバーにあったり、わかりにくかったです。直感性に欠けるところが多く、ナビゲーションもないので操作に戸惑うときがあります。

②画面のカスタマイズ性

Power BIは、色の編集など基本的な機能は整っていると思いましたが、Excelの延長線上の機能という印象は変わらないです。
タイトルを動的に変動させることやデフォルトの地図表現がきれいに動作しないことなど気になる点がいくつかありました。
特に編集画面の枠自体が制限されており、グラフを自由に配置できないことが厄介でした。諸々の操作にストレスを感じるUIでした。。。

他方、Tableauに関しては、最もカスタマイズ性に優れておりました。
タイトルはMS wordのように文字のフォント等の編集が可能であり、挿入タブを活用すれば動的にも生成できるのがかなり便利だと思いました。
またフィルターの種類の指定や連続不連続の値を色で識別できるなどわかりやすいです。
OACは、十分なカスタマイズ性を持っておりますが、動的な表現やフォントの編集などはTableauの方が充実しておりました。

4. 分析機能について

①データ加工

基本的なデータ加工に関しては、TableauとOAC、Power BIどれも可能ですが、TableauとOACが秀でている印象でした。
前者の2つは、DBに比べるとデータ加工は劣るものの、日時のフォーマット変換やトリム動作などSQLのようなデータ加工は多少なりともできました。

Power BIはデータ型の変換や統合などの基礎的なものは搭載されていますが、最低限という感じでした。
データの加工に関しては、どれもビジュアル化ツールなので結局DBでやったほうがいいです。
元も子もない結論(笑)

②分析機能(データ分析機能、表現方法)

分析機能(データ分析機能や表現)という意味では、OACとTableauはしっかりしています。
OACは、グラフの自動提案機能の精度が一番高かったです。Tableauは、Ask dataという欲しいグラフについて聞けば勝手に生成してくれる機能が便利でしたが、OACは属性とメジャーの相関関係を自動で作成・説明してくれるのでユーザーが気付いていない示唆を与えてくれるのがいいと思いました。
またOACは使用できるグラフ数が最も多かったです。

Tableauでは、グラフのツールヒントに他のグラフを埋め込むことができることなどデータの表現方法が多彩でした。
ただ、データの表現はセンスが必要なところがあるので使いこなすには経験や勉強が必要ですね。。。

Power BIは、PythonやRなどデータ分析で使用する言語を使用できます。
一方で致命的だと思ったのは、OACもTableauも数値を軸としてではなく、グラフの色やサイズで多次元にデータ表現できるのに対して、Power BIはそういった機能がないのがBIツールとしていかがなものかなと思いました。
属性やメジャーが4つ以上ある場合、グラフ上で表現できないのはツールとしての最低限の機能を満たしていないんじゃないかなと感じました(実はある??)。

③関数

関数についてはTableauが持つLOD関数が優秀過ぎました(笑)
OACでもグラフの色やサイズで複数要素を表現できるのですが、グラフや色以外にも関数の固定値を用いてグラフの粒度をさらに細かくできるのがいいと思いました。

TableauのLOD関数は、グラフ上にある属性やメジャーに左右されることない要素を作成することができます。
例えば、売上と年月日の要素を持つ面グラフに対して、オーダーごとの利益が黒字か赤字どうかを組み込むことができます。
OACについては、前年同月の売上を出力できるAGO関数などデータ分析に特化した関数もありました。

④データ統合

どのツールも様々なDB製品と接続することができます。
ただOACに関しては、Oracle Cloud Infrastructureのサービス上にOAC、Autonomous Data Warehouseの機能があり、0からDB構築、データ加工、分析をスムーズに行えたのでデータ分析用のDBを保持してない人にとっては使いやすいなと思いました。

5. リソース

①リソースのアクセスのしやすさと充実度合
各ツールの課題解決のためのリソースについて、アクセスのしやすさやリソース量などの観点を記載したいと思います。

OACは、日本語で調べると、古いバージョンのAnalytics Cloudがヒットしやすいのが厄介です。日本語のバージョンですと、内容も基本的なものが多いです。
一方で英語で調べれば、YouTubeなどにリソースがかなりあるのである程度トラブルシューティングできるかなという感じでした。
Power BIは、YouTube上に初心者向けの講座が大量に載っているので包括的な情報をとるのにはハードルが低いです。ちょっとした問題に対しては英語を活用する必要があります。
Tableauは、資格も有名なおかげか、日本語も英語もリソースが充実していました。コミュニティもあるので入会すれば、どんな問題もすぐに問題解決できるかもしれないです。

まとめ

GUIについて
OAC:初心者の視座も持つシンプルで分かりやすいUIと必要十分なカスタマイズ性
Power BI:Excelの延長機能で表現に難あり
Tableau:誰でもわかる直感的なUI、かつ幅広いカスタマイズ性を持つ

分析機能について
OAC:初心者にデータ分析の示唆を与えてくれるような分析機能、Oracle ADW等との運用面の利点
Power BI:MS製品として導入ハードルが低い、表現の幅が狭い
Tableau:データ分析熟練者にとっては様々なデータの表現ができる

リソース
OAC:日本語のリソースが少なく、英語のリソースメイン
Power BI:日本語のリソースは基礎的なものが多く、少しひねったものになると英語も必要
Tableau:リソースは、日本語も英語も充実

上記を見ると、以下のシチュエーションが導入としては適切かなと思いました。
OAC:業務ユーザーにも使用する前提で全社的に広めたい、また分析用のDBも持っていないのでDBも欲しい
Power BI:MS製品を使っており、一旦、データ分析を試したい
Tableau:データ分析の部署をおいて、積極的にやっていきたい

それぞれのツールを試してみてすごく楽しかったです!
引き続き、いろいろ試したいと思います!
OACからちょっと学ぼうと思います!
では!

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