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オコエ選手にお声はかかるのか!?

先日、2軍選手のデータ分析をしているときにふとある選手に目が止まりました。
それは、オコエ選手です。
関東第一高校出身で2015年ドラフト1位で東北楽天ゴールデンイーグルスに入団しました。
1年目から一軍での試合に出ていて、期待の若手です。
今年5年目の年になる選手で時が経つのは早いものです。
そろそろ、今年はレギュラーを勝ち取りたいところです。
そこで、今回はオコエ選手のデータ分析をしようと思います。
まずは、簡単に2019年の2軍の成績からオコエ選手の分析し、2軍全体の成績を見て活躍具合を見ていきます。
次に1軍での成績を他の外野手と比較して、オコエ選手のタイプ、1軍での活躍するためのポイントを探っていこうと思います。
2軍成績ではパワーが目立っており、1軍では走力のほうがセイバーメトリクス指標の高さが目立っております。
一方で三振の比率が多い傾向にあり、1軍で良い指標を出している走力が活かせていないこと、1軍の成績ではパワーの指標が低く、1軍の活躍のカギは走力を活かすための出塁率を高めるための選球眼の強化かパワータイプになるかと言えるでしょう。

オコエ選手のプロフィール

オコエ選手は、右投右打の外野手になります。
185㎝、90㎏と良い体型をしております。
体型だけみれば長打も期待できる選手です。

オコエ選手の2軍成績からみる可能性

オコエ選手の2軍での活躍を見ていきます。
外野手でありますので、シンプルに守れるのに加えて、打力か走力を備えておきたいところです。
そのため、パワー、選球眼、走力、得点力でオコエ選手を見ていきます。
パワーはIsoP、選球眼はIsoD、走力とパワーのPSN、得点力はRC27で見ていこうと思います。

IsoPとIsoDを見る限り長打力を発揮している

IsoPは0.20より高いと長打力のある、つまりパワーのある選手として見て良いことになります。
一方でIsoDは0.10以上あると一流です。
二軍の成績ですので、どちらかまたは両方とも高い水準の成績が欲しいところです。
オコエ選手のIsoPは下の散布図の通り0.20を超えています。
IsoDは0.70程度と及第点レベルです。
2軍の成績では打力の成績が良くなっています。

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RC27とPSNから見るオコエ選手の攻撃力の高さ

続いてRC27とPSNを見ていきます。
RC27はオコエ選手一人で1試合に何点稼げるかが数値として表されます。
オコエ選手のRC27は約7と2軍選手の中でも上位層に入ります。
PSNは本塁打と盗塁を合わせた指標でパワーと走力を兼ね備えているかの指標になります。
オコエ選手のPSNは約7.5とこちらも上位層に入ります。
2軍の成績では打力も走力も兼ね備えている結果を出しており1軍でも試してみたくなる力を持っています。

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以上の結果を見ても、2軍の成績では十分な打力、走力、得点力を持っている指標を示しており、1軍に送るに足る成績を出しています。
では、1軍でも出場しているオコエ選手の成績は1軍の成績になるとどうなるか確認し、他の害車種と比較してオコエ選手のポテンシャルと課題を見ていきます。

楽天外野陣と比較したオコエ選手

2軍では、外野手として一目置かれる打力、走力、得点力を持っており1軍で試したくなる選手ということは分かりました。
ここでは、2019年の1軍の成績を見て、楽天外野陣と比較してオコエ選手のポテンシャルを探っていきます。

1軍での試合数から見る現状

試合

オコエ選手は2019年1軍で約50試合の出場をしています。
2019年の1軍登録のある外野手と比較すると5~6番目に出ていますね。
楽天の外野陣は辰巳選手、ブラッシュ選手、島内選手の3選手が120試合以上になり、完全にこの3選手がレギュラーです。
オコエ選手は今のところこの3選手の次に起用される選手です。
ここを抜け出せるかがポイントになります。
外野手は守備機会が内野よりも少なく、守備の細かな連携も内野陣よりも少ないため、打力または走力がある攻撃に貢献できる選手でありたいです。
次章では得点力、を見ていきましょう。

OPSは外野手の中で平均レベル

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得点力を測る指標として簡単な指標のOPSから見ていきましょう。
OPSは長打率と出塁率を足し合わせた指標です。
外野陣のOPSはホームランバッターであるブラッシュが0.8を超えてポイントゲッターになります。
オコエ選手は0.6弱と低い水準にあります。
最低でも平均ラインの0.70は超えたいところです。
OPSは出場数に比例する部分がありますのでレギュラー選手が高くなる傾向がありますが、辰巳選手は控え選手とあまり変わりがありません。
外野陣の得点力で見たときは、ブラッシュ選手以外は突出していませんので楽天としては外野陣に打力または走力がある人はもう一人欲しいところです。

1軍でのIsoPとIsoDは低い水準を改善できるかがレギュラーへなれるかのカギ

続いてIsoPとIsoDを見て、オコエ選手のパワーと選球眼からバッタータイプを見ていきましょう。

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IsoPの数値としては0.20以上が長打力のある選手のラインになります。
ブラッシュ選手は大きく0.20を超えており、0.25よりも高いです。
0.25よりもIsoPが高い場合一流の長距離バッターと評価できます。
IsoDは0.08程度が及第点レベルで0.10が一流になります。
基本的に選球眼の指標になります。
一方でホームランバッターのようにストライクゾーンで勝負されにくい選手などで選球眼が良くなると相乗効果でとても高い指標になります。
ブラッシュ選手が良い例で0.14近くあります。

肝心なオコエ選手はどうなのかというと、残念ながらIsoPとIsoDの両方とも低い水準に位置しています。
IsoPは青ライン、IsoDはオレンジのラインを引いています。
IsoPのラインを超えている選手はブラッシュのみです。
外野陣は打力より選球眼の高い粘り強い選手が多い傾向にあります。
オコエ選手はIsoPを0.20ラインを超えられるかがポイントになります。
IsoDは上がったとしても、多くの選手がいるので優位性が出ないところは気を付けたいところです。

オコエ選手は打力、走力の両方活かせるポテンシャルを持っている

2軍の成績では打力も走力も良い評価でしたが1軍ではどうでしょう。
PSNとSpdという値でパワーと走力を見ていきましょう。
Spdは走力を表す指標です。
PSNはパワーと走力の両方を兼ね備えている値を示します。
オコエ選手は右上のポジションにいてポテンシャルを感じさせます。
グラフを見ていると外野陣は走力とパワーが専門化していると言えます。
PSNのグラフの範囲を見ていると一番下の値が1.0、一番上の値は1.8と範囲が狭いです。
PSNが高い選手は10を超えていきます。
例えば、ソフトバンクホークスの柳田選手などは15以上あることを考えると楽天の外野陣は走力と打力は専門化しているといえるでしょう。
オコエ選手は、下のグラフの右上に位置していることから走力と打力の両方を持てる選手のポテンシャルを兼ね備えてる点は長所になりうるでしょう。

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もう少し伸ばしたい得点力

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1軍ではパワー、選球眼がいまひとつ、走力は良い指標の結果がわかってきました。
ここで、得点力を深堀してきます。
オコエ選手はRC27では最低の位置にいます。
オコエ選手の得点を稼げないところに課題が浮き彫りになっています。
しかし、AB/HRの指標は目を見張るものがあります。
AB/HRはホームラン1本を打つまでにかかる打席数です。
オコエ選手は意外にも40弱で外野陣の中で3番目にホームラン打つまでの間隔が低いです。
まだ5試合、100打席程度でたまたまの可能性もありますがレギュラーを勝ち取るための一つの道筋になると考えられます。

三振率の高さとフォアボールが稼げないという弱点

IsoDの低さも気になるところでしたがPA/K、BB/Kの指標を見るとオコエ選手の弱点が如実に表れます。
PA/Kは三振1回するまでにかかる打席数です。
BB/Kは三振と四球の比率になります。
オコエ選手は左下にポジションしており、三振比率が多いことが目立っています。
三振が多くなると簡単に1アウトをリスクなしに取れるバッターになりますので、バッターとしてのいやらしさが足りないです。
もう一つ粘り強さが欲しいところです。
特に走力を活かす場合は特にゴロを打つだけでもプレッシャーになるので三振は減らすのは必須の要件になりそうです。

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オコエ選手って結局何タイプ?

これまでのセイバーメトリクスを見ると以下のようにまとめられます。
2軍成績では長打力も走力も良い指標。
1軍ではまだまだ活躍の機会は少なく、パワー、得点力、選球眼に良い評価は出ていない。
特に、粘り強さ、三振率の高さが弱点。
楽天にはない走力と打力を持ち合わせている選手へのポテンシャルがある。
走力指標は1軍でもそこそこ良い評価。
以上のことから、オコエ選手は走力よりの打力のあるバッターと言えるので、足の速い中距離バッターです。
バッターとしては3番、6~7番あたりが適任な位置でしょう。

オコエ選手の1軍での活躍の可能性と課題

可能性としては走力と打力の両方を活かせる選手です。
右バッターですので内野安打などの可能性は低いので塁に出て走塁、盗塁が走力を活かす場面になります。
そのためにも出塁率を上げたいところです。
IsoDは平均には持っていきたいところになります。
ただ、楽天外野陣はIsoDの高く、走力のあるチャンスメーカータイプ多いです。
有意差を出すためには、楽天外野陣の能力に偏りがあるところを埋める、そこそこ打てもするし走れもするタイプが重宝するでしょう。
オコエ選手は走力と打力を兼ね備える選手になれるかが今年の課題となるでしょう。
2020年の開幕の日も決まりました。
今年は大きく活躍してほしいたいですね!

参考

勝てる野球の統計学――セイバーメトリクス (岩波科学ライブラリー)
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主要なセイバーメトリクスのまとめ記事になります。

今回の分析のデータとプログラムがあります(有料)

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