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MaaS先進国フィンランドのいまを体験#2

こんにちは。竹川です。
2019年8月にMaaS先進国として話題のフィンランドの首都ヘルシンキに行ってきました。MaaSは、日本においても高い関心が寄せられているテーマの1つです。フィンランドのMaaSといえば、MaaS Global社の「whim」。すでに実現化されたサービスとして、日本でもMaaSの先駆けとして認知されています。今回の執筆では、現地で体験してきたヘルシンキの交通の現状やMaaSについてレポートします。

 前回のレポートでは、「ヘルシンキのいま」を交通事情に触れながら紹介しました。ヘルシンキという都市の価値観や高密度なコンパクトシティという特性が、MaaSの発達に影響を及ぼしていることを感じてもらえたでしょうか。この第2回では、ヘルシンキの人々に利用されているモビリティサービスの一部を紹介します。

トラム

 主要な場所にはほとんど通っているため、滞在中、最も利用した交通手段でした。停留所間の距離が短いため、ちょっとそこまで行くときにも気軽に使えます。トラムは路面にレールを敷けば走らせることができため、地下鉄や鉄道を拡充するよりも、低コストで整備できるというメリットがあります。また、延伸や不要な路線の見直しも、都市の現状に合わせてスピーディに対応できる点も非常に魅力です。

トラム

 運賃は、車内や停留所で支払うことはできず、ヘルシンキ市交通局(HSL)のアプリをダウンロードして事前に支払うか、キオスクやスーパーマーケットなどで事前にチケットを購入しておく必要があります。アプリには、チケットを表示する機能と、ルート検索と現在地表示の2つの機能があります。

チケット

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シティバイク(レンタルサイクル)

 ヘルシンキ市内では、自転車での移動を選択する人の割合が東京と比べると多く感じました。東京ほど公共交通がきめ細やかに、且つ広範囲にカバーされていないためではないかと思います。そこに、ヘルシンキのコンパクトシティという特性が加わることで、ヘルシンキに暮らす人とっては、バス、トラム、地下鉄よりも自転車の方が生活にフィットしやすいというのも一因なのかもしれません。

 自転車の交通環境もしっかり整備されています。自動車レーンと歩道に加えて、自転車専用レーンがほぼすべての道路に設けられています。この点からも、自転車が1つのモビリティとして明確に位置付けられていることが分かります。

シェアバイク

 ヘルシンキで展開されているシティバイクは、トラムと同じくヘルシンキ市交通局(HSL)が運営しています。サービス自体は、日本でも展開されているものと大きな違いはありません。ヘルシンキと隣接するエスポーを合わせて343箇所にステーションが設置されていて、そこでピックアップと返却を行います。利用できる環境が充実しているため、多くの人たちが気軽に利用していました。通勤にも利用されています。

電動キックスクーター

 電動キックスクーターも街中で見かけます。どうやらいま若い人たちの間で人気なようで、多くの若者たちが街中で利用していました。シェアバイクと違ってステーションがないため、街路樹に立て掛けてあったり、路上にころがったりしてます。私が滞在中に見かけたのは、下の写真にあるLime社(米国)の電動キックボードでした。他にも、Voi社(スウェーデン)、TIER社(ドイツ)、Hoop社(フィンランド)のものがあるようです。

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 電動キックボードは、ちょうど日本でも実証実験が開始されました。福岡市の協力のもと、Lime社・デジタルガレージ・KDDIが主催し、9月7日と8日に実証実験を実施しました。福岡市としては、「電動キックボードを駅・バス停から目的地までの“ラストワンマイルの移動手段”として活用したい」と考えをもっており、新しいモビリティサービスとして導入を検討していくようです。

 現在、日本の法令における電動キックボードの扱いは、原動機付自転車(原付バイク)に分類されています。ただ、これでは、気軽さというメリットが活かされないため、自転車とみなそうという方向で福岡市は検討を進めようとしているみたいです。日本の新しいモビリティサービスとして利用できる日は、そう遠くないかもしれません。

最後に

 今回は、ヘルシンキで利用されているモビリティサービスの一部を紹介しました。きめ細やかとは言えないヘルシンキ市内の交通網を補完する役割として、シティバイクや電動キックスクーターなどの新しいモビリティサービスが取り入れられています。利用する人々もそれぞれのモビリティサービスの持つ特性を理解してうまく日常に取り入れている印象を受けました。

 これから日本でも新たなモビリティサービスの検討が進んで行くことと思います。その際、MaaSそのものが目的化したり、海外の先行事例やテクノロジーを輸入し社会に実装するだけでは、地域生活に馴染むものは実現しません。街が抱えている課題や価値観を十分に理解し、モビリティを変革する目的を明確化した上で街全体のデザインと次世代モビリティをセットで議論していくのが望ましい進め方なのではと考えます。

第1回に引続き、第2回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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【DTL】sttaff's note

福岡から世界へ! 『日本のデータテクノロジーを支える​プロフェッショナル集団』 データテクノロジーラボ のスタッフブログです。 【Webサイト】https://www.datatech-lab.com/

”国際系” note まとめ

This magazine curates notes relating to stuffs between globalness and localness.
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