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クレバーな撤退など犬に食わせろ。

19歳から17年間働き続けて、令和元年にワーキングライフのターニングポイントを自ら創ったわけだけど、いったんの区切りとして自分なりに何に重きを置いてこれまでの日々のビジネスに臨んでいたかを振り返ってみた。

市場分析やツールの説明、国内外ニュースに言及するというのは有識者の方々にお任せした方が良くて、どちらかというと僕なりのビジネスに対する歩き方としてどこかの誰かの参考noteになればいいなと。

■僕がビジネス上で意識していることはたった2つ

・五感で受け取る情報に対するリスクを常に考え、それが顕在化する前提で自身の行動を決定する

・五感で受け取る情報を、好奇心に従って迅速に追加、アップデートする

ビジネスにおいては専門スキルやマインドセットが重視されるのは当たり前のことだけど、それらを洗練させていったり、未来創造をしていくにあたってこの2つはとても大事なことだったと認識している。

[リスクを常に考えること]

「常に」というのは、「癖付け」と捉えていただきたい。断続的にではなく定常的に日々の生活の中でリスクをイメージしてくことができるようになれば、日々の生活の中にあるビジネスというカテゴリーにおいても自然とリスクに対する感度が高くなる。

何をリスクとして捉えていいかなどと難しく考える必要はなく、純粋に五感で得ている情報に「こうなってほしくない」と純粋に思えるだけでいい。

シンプルに、普通に歩いているだけでも相当な量の情報が五感から得られている。前から歩いてくる人とぶつかるかもしれない、ガムを踏んでしまうかもしれない、曲がり角からわき見運転で車が飛び出してくるかもしれない・・・くだらない話かもしれないが、そんな些細なことから始めて定常化させることで、あらゆる情報に対して周りの人間よりも早く様々なリスクを想定できるようになる。

"○○ファースト"なんて言葉があるけれど、「こうなってほしくない」という純粋な気持ちを蔑ろにして「こうなりたい」「こうしたい」を優先させるということに僕は何ら興味が湧かない。「こうなってほしくない」から得られるものは「こうあるべき」。「こうあるべき」が明確になってこそ、"○○ファースト"なんて言葉が活きる。ビジネスにおいてI wanna be、I wanna doは捨て置け。

[リスクは遅かれ早かれ放っておけば大体顕在化すると思うこと]

リスクを口にすると、自身としては悲観的になってしまったり、プロジェクトなどでは"やりたくない言い訳"だの"非協力的"だのと周りに誤認識されやすい。(辛辣なことを言うと、リスクの洗い出しをそのように誤認識したりストレスを感じたりするようなメンバーとは、とてもじゃないけどビジネスをやることはできない。失敗する。)

リスクを常に考えることは、決して誰もを納得させてクレバーに撤退するためにしているわけではない。リスクを瞬時に想定していくことの目的は、そのリスクが顕在化したときに自分がどういう行動を取ることが正しいかを同時に考えさせ、顕在化する前にその行動に移れる準備をするということ。あわよくばリスクを事前に潰したいが、事前に潰すことに体力を使うことは比較的非効率にリソースを割くことが多いように思える。顕在化したときに取る行動が明確で、その行動に向かっていれば時間が経つにつれてリスクはリスクとして認識されなくなっていくと考えている。

結果的にリスクを洗い出すと頓挫するプロジェクトもあるかもしれないが、それはリスクが顕在化した際に個人として組織として取り得る行動が無いということ。また、それをI wanna be、I wanna doの精神で推進することは愚の骨頂と言える。

[情報を自ら増やしていく行動を取ること]

とても単純で、今ある情報に留まらずに、とことん動いて享受する情報量を増やすこと。

これは自分が持ち合わせていないスキルに対する知見や理解の深度を深くしたり、経験したことのないアクティビティを増やしたり、興味の無いことに興味を持ってみたり、様々な経験値の人間と会話してみたり飲んでみたり。

僕はよく多趣味というか、いつ休んでるの?とか言われることがある。事あるごとにFacebookで公私混同した投稿をしているが、仕事の他に、神輿、フットサル、ラン、映画やアニメの鑑賞、料理、娘と全力で遊ぶ、焼酎、ワイン、旅行と、スケジュールが何も無い日は月に1日程度。ビジネス書を読むにあたっては20代にAmazonで販売している数百円の中古本を中心に読み漁った。専門スキルを取得するよりも、専門スキルで使われている共通言語や仕組み理解を優先し、深堀りをしないようにしている。どの情報が何に繋がるかなど考えず、ただただ情報の面を広げることに振り切ってしまっているが、それが良いか悪いかというと人それぞれかなと(笑)

ただ、広く情報を持ち、それぞれに課題意識を持つことでその分野の人たちと共鳴することができ、そこからまた新しい情報の面が生まれていく循環ができると、今まで繋がらなかったものが繋がったり、ダイバーシティを受け入れやすくなったりした。

リスク想定が重要ということを前提とすると、リスクを想定するための材料となる情報が多ければ多いほど、新鮮であれば新鮮であるほどそれは現実的なイメージになっていく。

今までリスクと思っていたことがリスクと思わなくなったり、今までイメージできなかったリスクをイメージできるようになったりすることで、散見していたリスクが洗練され、その本質が凝縮されていく。本質が凝縮されることでリスクが顕在化したときの自身の行動もテンプレ化、効率化されていく。

まずは自分の好奇心や探究心、追求心に従い、新しい情報を享受し、また新しいそれらの気持ちを自身に開発し続けていくこと、そういうことがこれからより求められていくことだと考えている。


クレバーな撤退など犬に食わせろ。
by アクセル・ワールド 黒雪姫

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