作業療法(OT)とは

今回は近所の芝桜。
桜以上に芝桜が好きです。
長く楽しめるのもいいですね。
花は心に安らぎをくれます。 
正に今必要なことですね。

今日は「 作業療法(OT)とは」というテーマで書きたいと思います。

私は普段、作業療法士として病院で働いています。
自律整体は休みの時に取り組んでいます。
自分にとって作業療法(以下OT)も自律整体も同じくらい大事なものです。

というわけで今回はOTについて書きたいと思います。
このOT、知名度は低いのですがとっても面白い仕事です。
そんなOTについて紐解いてみましょう。

OTの「作業」がまず理解されにくいのですが、一言で言えば「その人にとって大事な活動」が作業です。
例えば…主婦の方にとっては料理をすること、事務仕事をする方にとってはパソコン操作、ドライブが好きな方にとっては車の運転…というように人それぞれ大事な活動は様々です。
作業療法士は、病気やケガでそういった「作業」が出来なくなった方に対してまた作業が出来るようにする、もしくは作業を通して心身を良くしよう、とする人です。
なんだか分かりづらいですね^_^;
もう少し具体的な話をしましょう。

作業療法士の具体的な働き方(急性期病院編)

急性期病院とは病気・ケガをしてすぐ入院するところです。
当然症状によって対応は千差万別なのですが、脳外科を一例として挙げましょう。
脳卒中になると身体の片側が麻痺するなどの症状が出て、多くの方が身の回りのことを出来なくなることが多くあります(麻痺が生じないこともあります)。
OTではそういった方の身体の回復をサポートしたり、食事動作やトイレ動作などの身の回りの動きを練習したりします。
時には自助具という補助道具を使うこともあります。


※写真は斉藤工業社製の「箸蔵くん」という、箸をうまく持てないような方が使う自助具です。

また、身の回りのことができても元の生活に戻れない方も多くいます。
そうした方と料理や書字、パソコン操作など様々な練習・支援をします。


つまり、作業療法士は「普通の生活」を取り戻すサポートをする存在なのです。
日々OTを実践していると何気ない日々の活動が持つ力に気付かされます。

例えばヒゲ剃り。
女性にとっては理解しにくいかもしれませんが、ヒゲを剃ることはとても大きな意味がある、という男性は多いです。
サラリーマンをしてきた方の多くは毎日ヒゲを剃っていたはずです。
それこそ何万回も繰り返してきた「作業」です。
というわけで私はよく患者さんとヒゲ剃りをします。
全然目が開かない方、注意が散漫な方、体を起こせない方…。
様々な症状の方がいますが、一緒にヒゲ剃りをするととても反応が良いことが多いです。
何万回と繰り返してきた動きが身体に定着しているんでしょうね。
こうした「作業」を通して心身の回復に日々関わっています。

書き出すとキリが無いのでこれくらいにしますが、OTは本当に奥が深く、とてもおもしろい仕事です。
どうやら「AIに出来ない仕事」の一つに挙げられているようです。
またその内OTについて書きたいと思います。

病気・ケガなどで当たり前の「作業」が出来なくなってしまう人が多くいます。
そんな方を支えるOTの存在を多くの人に知ってもらえたらうれしいです。

※ここでは作業療法を「OT」と書いていますが、作業療法士もOTと呼びます

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