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空白を満たしなさい 死と闇に飲まれないために

あらすじ

「あなたは亡くなったんです、3年前に」
ある日突然、身に覚えのない己の死から復活した男、徹生(柄本佑)。
会社の屋上から転落したというが、全く思い出せない。
最愛の妻・千佳(鈴木杏)と幼い息子の陸を残して、なぜ自分は死なねばならなかったのか……?
答えを追い求める男がたどりつく真実とは……。
「もしも亡くしたはずの大切な人にもう一度会えたら」
原作・平野啓一郎、出演・柄本佑×鈴木杏×阿部サダヲで、今を生きる全ての人々に、本格派のヒューマン・サスペンス。

感想

自殺した前後の記憶がない徹生が、自分の死の原因を探る中で、自分につきまとう佐伯の生きる意味を問う言葉に自分の価値観を揺らがされながら、自分の闇に向き合う中で、残された人のために奮闘する姿、母のせいで闇を抱えている千佳が徹生と過ごす中で夫婦の絆を深める夫婦愛、闇の象徴である佐伯の言葉が炙り出す「普通に生きるだけで大変」な日本への毒々しい風刺、自殺してしまう人の中にある闇と社会の関係や心理と残された遺族の罪悪感がリアルで、難役に挑んだ柄本佑や鈴木杏や阿部サダヲの演技が見応えあるし、人によってはとっつきにくいテーマだけど夫婦や家族や友人同士で見てほしいヒューマンサスペンスドラマ。

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