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【自分語り】オススメの本『左ききのエレン』を語りたい

今回は突然ですが、僕の人生に大きな影響を与えてくれ続けている『左ききのエレン』という作品について、一部内容紹介と是非一度読んでもらいと思い、オススメな点を語る記事をちょっと作ってみました!

『左ききのエレン』の名言を紹介している記事もありますので、コチラも参考にしてみてもらえると嬉しいです。

『左ききのエレン』とは…

『左ききのエレン』は広告業界を舞台に繰り広げられる群像劇で「天才と凡人」を描いた作品であり、天才を目の当たりにした凡人の生き方について熱く描かれています。

いろんな視点からこの作品をオススメしたいですが、特に僕は「人生の岐路に立たれている方」へオススメしたいマンガです。

この作品を一言で表現するならば『天才になれなかったすべての人へ――』でしょう。

これは僕の言葉ではなく、この『左ききのエレン』のキャッチコピーそのままです。

「そこをパクるなよ!」と思われるかもしれませんが、本当に申し訳ないですが、作者が想いを込めたこの一言以上の表現は存在しないと思っています。

そして僕は、友人たちや後輩、いろんな人にこの作品をオススメしてきましたが『左ききのエレン』は読者によって正直作品の好き嫌いは分かれます。

どんな作品かというと、簡単にまとめるなら登場人物がひねくれてて、病んでいて、拗らせていて、その人たちは圧倒的な天才と平凡な凡人に分けられ、そんな「天才と凡人が織りなすストーリー」が醍醐味のマンガです。

よくありがちな「凡人として描かれていたけど実は天才でした!」というパターンではなく、天才は飛び抜けた天才としてガチで描かれており、凡人はものすごく普通の人として描かれています。

主人公の光一は「何者かになりたい」と、デザイナーに憧れているデザイナー志望の凡人で、才能はないんだけど『何者かに俺はなる!』という謎の情熱を持っています。

作品のタイトルにもなっているエレンは光一と同い年の天才で、絵がめちゃくちゃ上手い天才です。

絵が天才的に上手い才能の塊だけど、自分の絵の才能が嫌いなんです。

絵を描くことが嫌い。でも絵は上手い、それもめちゃくちゃ上手い。

そんなエレンはある日、むしゃくしゃしてスプレー缶で美術館の壁に落書きをします。

エレンから見たら美術館に展示されている作品が下手過ぎて、ムカついて「下手くそ!」と言って落書きします。その落書きのレベルが高すぎて「誰だ!このスプレーアートを描いたやつは!」と注目が集まります。

そもそもなぜエレンが絵を嫌いになったかというと、エレンの父親は売れない画家で売れないまま交通事故で亡くなってしまいました。

エレンは父親が自分の才能のなさに絶望して自殺したんだと思っているんです。それで絵が嫌いになっているんです。

そんな絵が大嫌いな天才のエレンに対して、凡人の光一は謎に張り合おうとします。エレンは才能がないけど頑張ろうとするやつが大嫌いです。父親がそれで死んだと思っているから…。

ある日、光一がエレンに張り合って「俺と勝負だ!」と、下手くそな絵を美術館の壁に描きます。

その下手な絵にエレンはブチキレて「勝手に盛り上がってんじゃねーよ!」と、渾身の張り手打ちでぶん殴り、馬乗りになって胸ぐらを掴みます。(ちなみにこのとき、光一とは初対面なのに…。)

そしてエレンは光一に向かって語り出します。

「お前、デザイナーで有名なやつの名前を何人言える?10人くらいだろ?美大生目指してるやつは10万人くらいいるんだ。万が一。これが現実なんだぞ!向いてない人間が人生賭けたって不幸になるだけだ!」と。

光一はそう言われて泣きながら「やってみなきゃわかんねーだろ!無理だって言われていちいち諦めてたら誰も何もできねえだろ!俺は何かになるんだ…。何かにならなきゃ退屈で生きていけねぇよ!」と言い返します。

そして「エレン見てろよ!俺は何者かになるまで諦めねぇからな!」叫ぶ…。

とんでもない衝撃的な2人の出会いですが、でもこのシーンを紹介するだけで左ききのエレンがどんな作品なのか伝わるんじゃないかと思っている自分がいます。

光一はその後、凡人なりに頑張って、そこそこの美大に行って、そこそこの広告代理店のデザイナーになれるんです。凡人だと言いながらもかなり頑張るんですよね。

そしてエレンのことは頭の片隅ではいつも意識しながらも疎遠になっていくんです。

この話の後からの展開は、光一の勤める広告代理店での話がメインになっていきます。

光一とエレンの話ではなくて、主に光一目線の話でエレンと光一は別々の道を行きます。

この光一の広告代理店の話がめちゃくちゃリアルです。というのも実は、作者のかっぴーさんは大手広告代理店のアートディレクターとして働かれていた経験があるんです。

かっぴーさんの人となりをもっと知りたい方は、noteのプロフィールページへどうぞ。

僕も人生で1回だけですが大手広告代理店の方にがっつりプレゼンをしていただいたことがあるので、作中に登場する大手広告代理店のアートディレクターを「あぁ、こういう感じの人いたわー。」って思い出しましたし、めちゃくちゃ共感しました。

この広告代理店の仕事のリアル感もこの作品の大きな魅力の1つです。

主人公の光一は頑張るんだけど、どこまでいっても基本的に凡人なんです。デザイナーだけど飛び抜けたセンスはありません。

そしてエレン以外にもデザイナー、トップモデル、カメラマンといったいろんな分野の天才たちと出会っていきます。

その出会う天才に、まともな人間は1人もいません。みんな頭のネジが飛んでます…(笑)。

光一は自分なりに頑張るんだけど、なかなか何者にもなれず、その中で葛藤していく光一。

そして進んだ道の先で1つの答えを出します。

『何者かになる』とはどういうことなのか。

僕の中で左ききのエレンを超オススメしたいと思う決定づけさせた理由は、第一章「横浜のバスキア」~第二章「アトリエのアテナ」の単行本でいうと2巻まで内容の完結です。

第二章「アトリエのアテナ」の最終話の完結の心地よさ、気持ちよさは異常です。

これを初めて読んだときは思わず「うわぁぁぁ、ここで来たぁぁぁ!!」って絶叫し、興奮でソファーに寝ころんでいたはずなのに、勝手に立ち上がっていました。

第二章を読み終わった後は、「よし!俺も自分の人生精一杯やるか!」って気持ちになります。

第二章以降は実際に学生時代やサラリーマン時代が描かれ定期ますが、凡人である光一は腐ることなく、自分の強みを見出して社会で活躍していきます。

光一のサラリーマン編のリアルな熱量も相まって、すごく魅力的なんですよね。

逆にエレンのニューヨーク編は「天才vs天才」と王道展開ですし、実際にバンクシーを題材にした話があり、主人公エレンがバンクシーと対決するワクワク感もすごく、エレンと光一のそれぞれ違う熱量のストーリーが交互に展開されていく面白さがあります。

自分の経験がよみがえる“才能”への葛藤

『天才になれなかった全ての人へ――』

このキャッチコピーは、天才でない人たちを「お前らは落ちこぼれだ!」とか「落ちこぼれなりにどうやって生きるんだ!」と煽っているというわけではありません。

僕は天才になれなかった全ての人へというのは、世の中のすべての人だと思います。

子どもの頃、誰もが一度は憧れたスポーツ選手、歌手、芸能人、漫画家、もっと身近なものだったかもしれません。

いい大学に行く、部活でレギュラーになる、いい成績を修める。誰もが一度はあの人みたいになりたいと何者かに憧れたことがあると思います。

僕は野球でスター選手になってみたかったですし、野球が無理だと思ったときは身近な球技ができる同級生にも憧れました。

プロなんかではなくて、部活や授業レベルでいいんで、お前が1番上手いと言われてみたかったです。

でも諦めてしまいました。なれなかった…。

勉強も本気で東大を目指そうと思ったこともありました。でも地方国立大すら無理でFラン大学へと、どこかのタイミングで逃げる方に梶を切ってしまいました。

適当な理由をつけて諦めました…。

民間企業へ一般就職したときも、教員の道に憧れがあったのに「働く環境がブラックだ、自分のやりたい教育ができない、教育実習で心が折れた…。」といった感じで、教員ではない道に進んだのに、自分のやりがいが見つけられませんでした…。

きっとあなたにも、どんな人でも何者かになろうと行動を起こして夢破れてきたはずです。もしくは夢が叶っても現実に打ちのめされたことがあるのではないでしょうか?

すべてそれは「自分のせい」だとわかっているんです。言い訳してはいけないと…。

でも、だからこそ才能のない自分という現実は重くのしかかります。

誰もが才能がある人でさえも、何者でもない自分と戦っている…。

そんな僕たちがどう生きるべきなのか、何者にもなれないと絶望したときにどうすべきなのかという思いを救ってくれるヒントが『左ききのエレン』には散りばめられています。

ハッキリ言って、答えはありません。

なぜなら天才になれなかった全ての人は世の中の全ての人であり、その人たちが成功や天才になるための努力、努力を努力として感じていない才能を磨いてきて生まれたヒントでしかないと思うからです。

でも、たくさんのヒントがあります。

『左ききのエレン』はそんな「広告代理店」と「グラフィティアート」の両方の観点から、天才と凡才の戦いを通してさまざまな影響を与えくれる”お仕事マンガの金字塔”とも言える作品です。

是非、人生で一度は読んでみて損はない作品だと思います。

まとめ&もう1作品の紹介

『左ききのエレン』には後日譚となる作品があります。

その『アントレース』というマンガは、服飾学校を舞台に才能たちが熾烈な戦いを繰り広げる作品で、毎年トレンドが変化し、ある意味その年・時代を代表するものでもある服を作るうえで、自分が信じるセンスや表現を貫き、それを服として表現する過程を描いている作品です。

ファッションは人によって評価されるものであり、そこには優劣がついてしまう場面が珍しくありませんが、デザイナー(服のデザインを作る人)、パタンナー(服の設計図を作る人)、モデル(服を表現する人)のそれぞれが自分の主張をしながらもチームとして機能して、自分を貫いていくのは鳥肌ものです。

使い方がわからず苦悩を抱える”追跡不能”の才能とそれすらも真似(トレース)する”超絶技巧”の才能がタッグを組むことで生まれる2人の化学反応は最高です。

『左ききのエレン』同様に“才能”に焦点を当て、「仕事の本質」や「業界の現実」が描かれていますので、全3巻とボリュームは少ないですが、圧倒的な熱量が籠っているので、『アントレース』も読んでもらいたい作品です。

アントレースの名言を紹介した記事はコチラ!

今回は僕の大好きは人生の教本にもなっている素敵な作品を2つ紹介させていただきました。

『左ききのエレン』に関しては24巻もあり、実は11月中旬から12月中旬までの約1ヶ月間、他の作品を読み漁りながらも毎日2巻ずつ読み返し、名言を拾い上げていました…。

なので12月の記事は巻数が少ないマンガの紹介となっています…。(ポケモンSVのダウンロードコンテンツに夢中になっていたことは内緒)

でも『左ききのエレン』と『アントレース』を読み終えて、またモチベーションが高まったというか、「また頑張ってみよう」「勇気を出して、新しいことに一歩踏み出してみよう」と思いました。

この記事をアップしているのは2023年の年末頃ではないかと思いますが、僕は新年を『左ききのエレン』の余韻に浸りながら新しい目標設定をしたいと思いますし、この記事を読まれている方に少しでも『左ききのエレン』の魅力を伝えられたらなと思っています。

それでは今回はここまでです。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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