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Dear Ayase Ueda.

(7,282文字)

 いつまで経っても僕はサヨナラには強くなれません。
最近主にアイドルの方でお別れの機会が多く訪れましたが、(守屋茜、生田絵梨花、渡邉理佐、渡邉美穂etc)、いまだに全て泣いてしまうくらいには。

 自分はこういう時はとことん落ち込んで悲しむタイプなので、今回も相当落ち込んでドン底まで行くはずです。ただ、そうしているうちにも時は流れる訳であり、いつかは現実世界に戻ってくるはず。それまでは悲しんでいてもいいよね。(という正当化)


 さて、柏戦を明日に控えた今、完全に思いつきでこの文章を書いています。ひな誕祭の時も、べりさの卒コンの時も、「絶対にnote書く」とか言ってサボってましたが、そうならないように思いついたその日に書こうと。多少ぐちゃぐちゃでも、正直な今の思いを全て吐き出しておこうと思った訳です。


 というわけで、半分お手紙のような感じで、自分の気持ちに正直に書いていこうと思います。そして早く寝るんだ。




▪️2022年7月1日。いつかは来ると分かっていたお別れ。



 2022年7月1日。午前10時過ぎ。公式からのお知らせで、仕事中チラッとスマホを覗いた僕の意識は一瞬吹き飛びました。
 6月末からメディアが急に騒がしくなり、綺世の移籍話が舞い込んできました。
 大抵こういう時はほぼ移籍確定であることは頭では理解していましたが、心は受け入れようとしてませんでした。そんなこんなで強がっていた自分ですが、さすがに公式からリリースが出てしまったら信じないわけにはいかず。

 ただ、最後の謎のプライドで、Twitterもインスタもいいねだけは絶対に押せませんでした。




▪️上田綺世という男


 ここで話変わって、自分なりにこの上田綺世という選手を紹介していこうと思います。あまり専門的な話は求めないでください。

・基本情報

誕生日:1998年8月28日
サイズ:182cm、76kg
出身:茨城県
経歴:鹿島アントラーズノルテJY→鹿島学園高校→法政大
Jリーグデビュー戦:2019年7月31日 J1第16節 鹿島VS浦和
Jリーグ初ゴール:2019年8月10日 J1第22節 鹿島VS横浜FM
年度別成績(リーグ戦)↓
2019年:13試合4得点
2020年:26試合10得点
2021年:29試合14得点
2022年(現在):18試合10得点


・プレースタイル

https://youtu.be/PzrXlvZf0UE


 この動画を見ればかなり良くわかると思います。(DAZNさん、ありがとうすぎる。これには頭が上がらない。)
 元々ストライカーとしての動きの質が非常に高かった選手ですが、年々身体能力も大きく飛躍。左右両足、特に利き足の右足から放たれるシュートは威力抜群。ペナルティエリア外から決めたゴールも数多く存在します。シュート力は実際他のJリーグの選手とは格が違く、インパクトの際の音が何か違います。A代表活動期間でも、他の代表メンバーと比較しても遜色ないシュート力を見せていました。

↑これの10:50〜あたりから(もちろん他の選手も凄いです。)


 また、単純なフィジカルも年々目に見えて成長中。バネが半端なく、体をムチのようにしならせるように動き、エアバトルの勝率もピカイチです。本人もInstagramで「Float like a buttefly,sting like a bee」とプロフィールに書いている通り、「まさに蝶のように(空を)舞い、蜂のように(シュートを)刺す。」そんなプレイヤーです。

 もちろん足元の技術も年々向上中で、ポストの動きもできるようになってきています。

 守備も、決して2度追い3度追いをするようなプレイヤーではありませんが、しっかりコースを切ってプレスをかける等の原則は守り、上手くこなすプレイヤーです。特に2022年はヴァイラー監督の元でかなり成長が見られた印象があります。守備時の約束事が決められているチームであれば、守備面でも全く問題ありません。(ただし、原則がないチームだと世間からの印象は悪くなってしまうというのは昨年の五輪の某代表を見れば分かること。)


 ここまで読めばお分かりだと思いますが、そうなんです、彼はストライカーとして必要な能力を全て兼ね備えた完璧な選手なんです。元々ポテンシャルは無限大と言われてきた選手ですが、それが開花してきた現在、もはや欠点が全くないと言っても過言ではないレベルの選手になってしまいました。今年は何度も「The”理不尽”」と呼ばれ恐れられる存在にまでなりました。



・日本のアグエロ


 そんな綺世を、僕は兼ねてから「日本のカバーニ」と勝手に呼んできましたが、最近少し印象が変わり、「日本のアグエロ」と勝手に呼んでいます。(他に誰もこう呼んでいる人見当たらないけど、共感してくれる方がいたら嬉しい。)

・長身というわけではないが、ストライカーとして得点を積み重ねてきた。
・左右両足からのシュート力が破壊力抜群。ペナ外からも普通に決める。
・動き出しの能力が抜群に上手い。決定力も高い。
・ほとんど全ての人から愛されるスター性がある。
・下半身ムッチムチ。

 このような共通点から、自分が勝手に任命しました。

 実際にアグエロのゴール集を今一度見てみるとあら不思議、綺世が決めたような既視感あるゴールがちらほら・・・
 特にこれ↓の1:20〜なんて、綺世が今年のホーム湘南戦で決めた理不尽ミドルとそっくり。




▪️僕が上田綺世を愛する理由


 ようやく(?)本題に。なぜ僕がここまで綺世のことが大好きなのか、オタク特有の早口で言っていこうと思います。(元々中盤のパサーが好きだった自分がストライカーを好きになること自体珍しい。)

・出身、年齢
→まずきっかけとして大きいのが、同学年の同い年であり、なおかつ出身が市町村単位で同じであるということ。サッカーの競技経験はないので当時は知りませんでしたが、彼の小中学校も友達伝いで知り、あまりの近さに驚いた記憶があります。
 普段から仲良くしている高校の友達の中にも、話を聞いたらなんと小中学校時代に同じ少年団やトレセンで一緒にプレーした経験もある人がいました。どうやらその当時はフィジカル含めてそこまでバケモノではなかったそうです。(ただ、逆にフィジカルに恵まれなかったからこそ動き出しを極められたのではないかと推測しています。)
 僕は単純な人間なので、自分と共通点ある有名人はすぐに好きになる傾向があります。綺世も最初のきっかけというのは、このような共通点がありました。

・熱意
→僕が彼の存在を知ったのは、2019年の夏。ちょうどコパアメリカに日本がアンダー世代中心で挑み、そこに唯一大学生で代表入りしていた「上田綺世」の文字を見てからです。当時調べて、大学2年時点で鹿島入りが内定しているという情報を知った自分は一気に注目しました。そして初戦のチリ戦、決定機を何度も外してしまい批判の対象となってしまった綺世ですが、逆に僕はそこでまた一層注目することになりました。
 そしてコパが終わり、7月末。なんと法政大学サッカー部を退部し、鹿島への入団を前倒しすることが決まりました。正直この判断は驚きでしかなかったです。ただ、「現状に満足せず、常に上を目指す」この姿勢に上田綺世というサッカー選手の熱意が強く表されているのだと感じました。

・賢さ
→綺世のインタビューを聞くと、毎回唸らされます。常に自分を冷静に、淡々と分析する姿には賢さを感じざるを得ません。ある意味典型的なストライカーらしくない性格だと思いますが、そうやって自分自身の能力を高め、淡々と求められる仕事をする、結果を出す。(元々知性的な人が好きな僕は、)その姿が異常なほどカッコよく写りました。
 また、元々プロ入りする時期も少し遅らせたとのこと。その理由が「大学のチームメイトに自分の経験を伝えたい」とのこと。
・・・もう人としても格が違いすぎて、頭が上がりません。どんだけスゴすぎるんだ、この人は。

・愛嬌
→笑顔がキュートすぎるし、普段の仕草もなんかプチ天然さが滲み出ていてかわいい。試合中のゴールに向かう冷徹な姿とはまるで違うその姿に、ギャップ萌えしない訳が無い。特に現名古屋グランパスの相馬選手、元川崎フロンターレの三笘選手との絡みは毎回かわいすぎます。見るたびに癒されます。
(急に緩くなったなとか言わないで)


◯これまで

 そんなこんなで、コパで初めて名前を知り、鹿島の1選手として認知していた2019年。
 開幕時は控えがメインだったところ、途中出場から結果を残すスーパーサブとしてブレイクし、最終的にはエヴェラウドとの強力2トップを形成した2020年。
 背番号を本人憧れの18番に変更し、1年通して試合に出続け、得点ランク4位にランクイン。Jリーグサポで名前を知らない人はいない存在になった2021年。
 開幕戦で2ゴールを決めると、その後も理不尽ゴールを連発し、前半戦のチームをリーグ上位に導き、本人も得点ランキングトップを快走していた2022年。

 理想的な登り調子でキャリアを歩んでいる本人と比例して、僕も彼にどハマりしていきます。ターニングポイントは2020年後半、エヴェと2トップを形成してスタメンに定着してきた頃。加えて同2020年アウェーマリノス戦での信じられない超絶ゴラッソ。このあたりで、「この選手は格が違う。将来とんでもない選手になる」と確信しました。

https://youtu.be/xx0OimwHOts


 2021年は途中で監督解任もあり鹿島自体へのモチベが落ちていたのも少しありましたが、やはり綺世の凄みは増すばかりでした。特に荒木とのコンビはJリーグトップクラスと言っても過言ではないです。「来年は絶対に綺世のユニを買う」と、かなり早い時期から決断していました。
天皇杯で、後半から出てきてハットトリックした綺世を見られた経験は宝物。

 そして2022年、ユニフォームを購入。人間というのはやはり単純で、モノを手に入れるとその対象にはさらに思いが深まるものであり、この綺世の18番のユニを着てスタジアムに行くだけで、僕は心が弾み、綺世へ対する応援の想いも増すばかりでした。綺世とは今年でお別れだなという覚悟はできていたので、今までをはるかに上回るペースで2022年はスタジアムに足を運びました。「上田綺世を観たい!!」という一心でスタジアムに行ったり、そのように言ってくれた友人をスタジアムに連れて行ったこともありました。そのように、「”この選手を”見たい」と思わせてくれるくらい、綺世にはスター性があるのだと思います。
 たくさんスタジアムに行った結果は正解だったと、自分を褒めたいです。おかげで、綺世のホーム最終戦(6/18京都戦)、海外移籍前最後のJリーグでの得点(5/29FC東京戦)をこの目で見られた訳なので。


 また、今となっては鈴木優磨との2トップを見られた時間はかなーーーり贅沢な時間だったのだと、改めて気付かされます。元々優磨が帰ってきた時に「綺世も残るのに?」と思っていましたが、蓋を開けてみたら、まぁこの2人が相性いいったらありゃしない。文句なしのJリーグ最強2トップとして、ファンからしたらこの上ない楽しみを提供してくださいました。半年だけだったけど、この2トップを見られたことは今後も語り継いでいきたい。後から振り返った時、それくらい歴史的になる2トップだったのではないかと思っています。

まるで陰と陽のような対照的な2人が組み合わさったら、最強で最高のものが生み出されました。男も惚れる、最高にかっこいい2人でした。






▪️今、素直に思うこと


 早く終わらせて寝たいと言いながら、結局ここまで長々と書いて4600文字。全く、相変わらずの自分です。

 最後に、今改めて言いたい言葉を。
 ここら辺は最初Twitterで少し呟いたら、後から来る想いが次々に込み上げてきて止まらなくなったところ。Twitterでは収まりきらないから、noteに書こうと思いました。

・タイトルを取るために

 まずは本人に向けてというより、クラブに向けて。
 「これでいいのか・・・?」と言いたいのが正直な気持ち。本人のキャリアを重視する気持ちは痛いほど分かります。ただ、もう少し移籍金を釣り上げることはできなかったのかと。鹿島史上最高のストライカーと言っても過言ではない男が、1〜2億程度で海外に持っていかれるとは。
 クラブだって選手の育成機関ではなく、あくまでも強い気持ちでタイトルを狙う集団。鹿島アントラーズは特にそういうクラブだったのでは。
 上田綺世という選手が抜けて大きな穴ができた今、現有戦力の成長に期待しているだけでは優勝は難しいに決まっています。残してくれた移籍金で代わりの即戦力選手を確保し、なるべくチーム力を落とさないようにする。そのサイクルを作らないと、本気で優勝を目指すのにはあと一歩足りないと思ってしまいます。

 ただ、現実的に今のスカッドを見た時、最優先で補強したいのはCBとSB。ストライカーは確かにやりくりの工夫次第でなんとでもなる可能性はあります。
クラブには是非ともこの夏の移籍市場で、優勝を狙う上での本気度を見せていただきたいです。期待しています。


・最近の海外移籍に関して思うこと

 そしてこれはTwitterでも呟いた内容で、特に誰に対してではないけど言いたくなったこと。
 最近ベルギーリーグをはじめ、海外移籍する選手はかなり増えてきました。ただそれと同時に、すぐに帰ってしまう選手も多くいます。この「とりあえず海外に移籍したけど、上手くいかなかったから帰国します」という最近よくある流れが僕は正直好きではありません。(賛否分かれると思うけど)
 また、実際4大リーグやCL出場クラスのビッグクラブで活躍する日本人も、2010年代と比較したら明らかに減っています。個人的にこの状況は悲しい。ダイレクトに4大リーグ行く選手も、今はほとんどいない状況です

https://www.daily.co.jp/soccer/2020/08/24/0013631447.shtml


(今の状況に、この篤人さんの言葉はかなり響きます。僕は共感でしかないです。)


 これで何が言いたいかというと、綺世もそのような平凡な選手と世間から見られる可能性があるのが怖くて悔しいということ。綺世の能力を知っているから、そこまで不安視はしたくないですが、結果的にはベルギーリーグへの移籍です。
 申し訳ないけど「4大リーグじゃないのかよ、ベルギーリーグかよ・・・」と思ってしまったのが本音です。彼は今までの選手とスケールが違うからこそ、やはりダイレクトに4大リーグに行ってほしかった。(もちろんオファーあってこその移籍ではあるんですけどね。)


▪️上田綺世選手へ贈る言葉


 そして最後、上田綺世選手へ。
 本音を言います、寂しいです。日本にとどまる選手でないことは理解していたけど、できれば今年だけは日本で、鹿島で共に戦ってほしかった。チームのタイトルと得点王をお土産に、皆から快く送り出される未来を僕は想像していた。
 それと、もしかしたらヤットさんのようにあえて国内で貫くんじゃないかという淡い希望も一瞬思ったけど、綺世はそういう人ではなかったね。


元々法政大のサッカー部を退部してまで鹿島に入団してくれたくらい、常に向上心を持っていて、厳しい環境に身を置きにいく選手だもんね。
 そして綺世が言っている通り、今のこの年齢は全く若いという類になりません。世界を見ればエンバペ、ハーランド、ハヴァーツをはじめ、23前後の年齢で世界的プレイヤーになっている人がわんさかいます。そしてW杯を直前に控えた今、一刻も早く海外へ行って海外の選手と普段から鎬を削りたい、その気持ちも痛いほど分かる。だから、悲しい気持ちは消えないけど、全力で応援します。
 綺世は海外へ行っても間違いなくやれる。ましてやベルギーリーグ内では無双してくれないと困るくらいだよ。絶対に4大リーグでプレーできる、CLでも点取れる。いつかはプレミアで得点王争いだってするかもしれない。

 ただ、行くからには簡単に帰ってこないでください。ベルギーリーグに行くなら、例えば良い例として遠藤、鎌田、冨安のように、しっかり4大リーグへステップアップしてください。1、2年だけやってまた国内に帰ってくるのは、到底納得できないから。(もちろんその時は嬉しい気持ちにはなるんだろうけど、同時に落胆もするだろうから。)
 目指すは長友のようなキャリア。苦境に立たされても挫けず、粘り強く、何度もレギュラーを奪い返して欧州トップクラスのチームで出場を重ねる姿を、綺世にも期待してしまいます。そして同じく長友のように、晩年には鹿島に戻ってきてね。そんでリベンジとか言って得点王取ったりなんてしたら伝説になるね!


 ついに海外クラブで綺世が暴れる姿が見られるんだと思うと、ワクワクが止まらないね。あの右足での強烈ミドル、半端ない跳躍力でのエアバトル、絶対海外でも通用するんだろうなという期待しかしてません。
 まぁこれが永遠の別れではないから。毎回日本代表で見られるだろうし、代表戦がカシスタであった時に凱旋してくれるのが楽しみだな。代表でも「18番といえば上田綺世」と日本中がその名を知るような選手になっちゃってください。W杯でゴールも決めちゃってください。

 綺世の未来は明るい。どこへ行っても、今まで通りの綺世で戦ってこい!!
 あなたは日本一のストライカーだから、自信持って!!


 約3年間、綺世のプレーをこの目で見られて幸せでした。同い年で、同郷で、憧れだし誇りです。今まで鹿島でたくさんの思い出をありがとう。今年買えたユニフォームにタオル、今後綺世がいなくなった鹿島の試合でも使い続けるよ。



 see you soon…, また会おう!!!



 行ってらっしゃい!!!





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