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長野放浪記1日目

長野へ温泉放浪してきた
野沢温泉へ車で移動中、新潟と長野の境目の平滝あたりは山中だか雪があまり積もっていなかった
早朝で誰も何もない道の右前方に、コーチらしき男性に監視されながら8人くらいの黄色や赤のウィンドウブレイカーを羽織った女子中学生と思しき方々が腰をくねらせたり足を上げ回転させながら横向きで移動していた
車内BGMは粋な夜電波だ
野沢温泉は長野県の北東部に位置する村で、スキーで知られている
約100万年前に噴火した古い火山である毛無山の裾野にあり、共同浴場大湯の周辺には大小の旅館や土産物屋が密集している
道路は狭く曲がりくねっており、坂道が多い
13軒ある共同浴場は地元の湯仲間という組織によって管理されていて、観光客にも開放されており、寸志で入浴できる
外国の観光客が多く、そういった方々好みなカフェやお土産屋も点在している
げんなりする暇なく、大湯に入った

野沢温泉 大湯


外観は江戸時代からのデザインを引き継いでおり質素なのに迫力がある
硫黄泉で源泉温度が42℃ - 90℃と高温である
熊の手洗湯の源泉が比較的低温だが、他の源泉は温度が高い
掛け流しだったが、熱いので皆さんは水を足して入っている
ここは最初で最後だと思いながら、高山温泉郷へ向かった
高山温泉郷は高山村を深いV字の渓谷で分ける松川の谷筋に沿って八つの温泉が点在しており、奥山田温泉、七味温泉、五色温泉、松川渓谷温泉、山田温泉、蕨温泉、子安温泉、YOU游ランドで成り立っている
私は、七味と山田をチョイスした
七味温泉の湯の色は白っぽい緑色と黒の塩化物硫黄泉だった
七味温泉は信州高山温泉郷の中でも一番深部にある温泉地で、名前の由来は自然湧出する成分の異なる7つの温泉を混合していることから来ている
ここも熱いから水を足していた
お湯の色はレイリー散乱によって変色している
レイリー散乱とは光の波長よりも小さいサイズの粒子による光の散乱で、透明な液体や固体中でも起きる
典型的な現象は気体中の散乱であり、日中の空が青く見えるのは、レイリー散乱の周波数特性によるものである
脱衣所でロッカーの場所を聞いた男性の方は、仕事の有給をとって大阪から来てたそうで「ほんまええっすわ、またあとで入りますわ、おーあつ」とテンションも体温も上がっていた
こちらは秋に泊まりに来るべきだと思う
畳の部屋でドューク・エリントンをゴロゴロしながら聴いて、あとは朝から夜まで露天風呂に入って紅葉が見たい
2日で8回は入りたい
また必ず伺いたい

七味温泉 紅葉館


次の山田温泉は、森鴎外の愛した温泉らしい
文豪が温泉宿に籠るのはよく聞く話だが、温泉を愛してはいないと思っている
あるから気晴らしで入っているだけで、愛しているのは小説を綴る事なはずである
山田温泉は含硫黄 - ナトリウム - カルシウム - 塩化物泉で、白い糸状の湯の花が浴槽に多く舞っているのが特徴である

山田温泉 大湯


常連の地元の方と温泉話になった
山形から来たとお伝えすると、その方は年3回は山形にきて温泉に入っているそうだ
県外の温泉場で温泉話になると「山形もいい所いっぱいあるよね」となる流れがある
蔵王のあとに銀山と来るのがベターなのだが、私は肘折をプッシュする
お土産屋で信州ゆべしを買い、お店の方に山田温泉についてお聞きした際「ここのお湯はあったまりますよ」と話して下さった
「どんな温泉なんですか?」と伺った場合「あったまりますよ」としか言われた事がない
持論がある
地球の自然から湧出した地盤の様々な成分を含んだ「熱いお湯」は、科学的にどのように健康に効果があるか分析出来ていない状況がある
連鎖を繰り返して更新していく地球の流れを裸になり全身でその流れを受けとれる唯一の行為である入浴では、地球を更新していく為の潜在的な科学で分析出来ないなんらかの【すごいモノ】受け取れていると思っている
【あったまる】だけではない、言葉にならない【すごいやつ】を体感するのが、温泉で味わえる素晴らしさだと思っている
美しいとすら思う
山田温泉を後にし、伊藤まさこさんの住む松本へ向かった
諏訪にある柴田聡子さんバンドのドラマーの浜 公氣氏 が運営するCELLAR RECORDSや北澤美術館にも行きたかったが、旅全体の時間配分的に断念した
松本では最初にMARKING RECORDSに行った
男と大量のヤギのジャケットのブツとモード・ギャソンの【Mother Earth's Plantasia】のヴァイナルを買った
綺麗な女性の方がお一人で運営されていた
かっこよい店だった
来月、大阪に行くらしくタラウマラを紹介した
フライヤーを【これでもか】というくらいもらった
お店の方に、松本でおすすめのカレー屋はsomething tenderとBABAじぃとメーヤウ 信大前店と教えて頂いた
メーヤウには行く予定でいて、松本市内に3店舗あり信大前店が一番美味しいらしい
ちょっと遠かったので、夢心地に行ってからBABAじぃに行ってみたら激込みで並んでたので諦め(ほんとに混んでて並ぶのは苦手)緑の飲み屋街のカウンターの中華屋に入り、ペペロン焼きそばなるものを頂いた
ジャズ喫茶EONTAに入った

 EONTA


フンボワーズソーダで、1時間半くらいどっぷりやった
その間、スタイリッシュなベージュのワンピースのお母さんとカジュアルなパーカーの娘さん、女子大生と思しきコートやセーターを召されたお友達2人、仕事終わりっぽいアウトドアな雰囲気のバックパックを背負ったショートカットの女性1人が入店された
土曜の夜、スクリュードライバーを決めてジャズ喫茶でbebopを爆音で聴きに来る女性なんて、超素敵でまいってしまう
快活クラブ松本南店の鍵付き個室は空いておらず、私は爆音のいびきと寒さで松本のbopな夜に突っ込んだ

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