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自分が最強だと思ったやつが最強説

この前、メルロポンティという哲学を専門にしている大学教授と生徒何人かで飲みに行った。


「JKって最強じゃないですか?」

友達(主に女子大生)と話すときにちょいちょい上がる話題をあげてみた。

哲学講師の答えが聞いてみたかった。

YESかNOか…


結論から言うとNOだった。

「どこらへんが最強なの?」

と聞かれて、何をしても許される人種だからという意見が出たりした。

「先生はJKを最強だと思わないんですか?」

と聞くと、

「俺の周りのおじさんたちでJKの話題が出たことはない。」

と言われた。たしかに、”おじさん×JK”というちょっと犯罪臭がするこのワードはドラマやニュースで組み合わせを聞くが、意外と現実世界でぴんとくるものがなかった。

じゃあ体力的な問題はどうだろう。

真冬でもスカートをぎりぎりまで短くし、靴下はくるぶしソックスで颯爽と走っていくJKを駅で見かけた時、最強だと思った。

確かに自分も高校生だった時、朝7時くらいに舞浜駅に着き、閉館のチャイムがなるまでディズニーをはしゃぎまくっていたことがあった。罰ゲームでもない限りいまはもうできない。

そういうと先生は、

「それってその当時の若者みんな一緒じゃない?」

と言ってきた。


ではこれではどうだろう、と思ってJKが新しく言葉を創り出している説を言ってみた。直近でCM2本に抜擢されたKemioもなんで流行っているのか考えた時、彼独自の言葉を作っているからではないかと思った。言葉は文化を作る。その言葉を知らない人間には入れないコミュニティになり、内部にいる人たちは同じ言葉を使うことで結びつきがより強くなる。KemioもJKもそういう意味で言葉を創り出し、だからこそ最強であるゆえんなのではないか、と我ながら今までで一番いい説だと思って言ってみた。


すると、先生は

「彼らは言葉を作っているというよりは省略していますよね。」

と答えた。

その時はたしかに、そうかもと納得したがいま改めてnoteに書いてみるといや?意外と文化を創り出しているかもしれないと思ったのでまた今度先生に言ってみようと思う。今回は話がずれてしまうので、いったんこの流れを止めないことにして、ではなぜ最強と思われているのか?という疑問をみんなで考えてみることにした。


「自分が最強って思ってるだけじゃないの?」

と誰かが言った。

たしかにJKは自分が絶対的で「JK」というくくりでくくられていて、その人個人はもちろんあるけれどそれ以上に一歩社会に出てみるとその個人は失われ、#制服#スカートというタグで「JK」とまとめられる。私が駅で見かけた女の子に対して「あ、JKだ」と何気なく思ったように。ポジティブネガティブどちらの立場にも立たずにあくまでもフラットな立ち位置から「JKはJK」として確立されている。

そのブランドはおじさんたちがつくりだしたのか、社会がつくりだしたのかは分からないが素敵な女性が持っているかばん=Samantha Thavasaのような女子高校生=JKとしてのブランド価値が確立した。

そこまではおそらく「最強」というイメージはなかったのではないのだろうか。

ただ、ブランドを理解し始めたJKまたは、もうJKを終えた女子大生が制服ディズニーをやるなどJK近辺で「JK(自分たち)は最強なんじゃないか」という考えが起こってきたのではないかという仮説が生まれた。


JKの話をやめて今度はギャルの話を持ってきたい。

明日のライターゼミというオンラインサロンで鈴木涼美さんという元AV女優で元日経新聞記者というおもしろい経歴の方の講義を受けたことがある。「鈴木さんの最盛期はいつですか?」と聞かれた時に「まあいまも大学生のときも楽しいのはかわらないですけどね、大学生の時は堕ちていくのを恐れない強さがありましたね。」と言っていた。

AV女優をやっていた当時、身の回りの付き合っている人たちにまともな人はいなかったという。歯の抜けたおじさんだったり、道端で朝まで寝たり、明日のことなんか考えずにその日を生きていた。世間体にもなにもとらわれずに生きていた。さすがに今路上で寝るのは体力もないししないという。

さっき話していたKemioも自分のことをギャルと言っている。「渋谷は日本の東京」と唄いそれが歌詞に入っている歌は一時期ラインミュージック1位にもなった。

ギャルの強さもJKの強さとジャンルは違うがどこか共通点がある気がした。

それが「自分で自分を最強だと思っている」ということだった。


おそらくJKやギャルが最強と思われているのは周りが作り出しているのではなく、彼ら彼女ら自身が自分たちで創り出しているものなんだと思う。


それは彼女らが気づいているいないに関わらず。


そんなことを考えながら彼女らを見ると、自分の周りの世界は意外と自分の思い通りに変わるのかもしれないと気持ちが軽くなった。

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