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New Zealand government /Keep it real-Pornography



Agency:Motion Sickness
Client:New Zealand gorvernment

全私が移住したい国、暫定第一位のニュージーランド。

ニュージーランドの首相は40歳の女性で、コロナ禍でも強いリーダーシップをもって対応したことが評価されていましたが、この前ツイッターで見かけた公共広告が結構ぶっ飛んでておもしろかったので久々にデコンしたいと思います~~!

では、スタート!

・FACT

未成年の子どもがネットで大人用ポルノ動画に簡単にアクセスできてしまうこと。それによって恋愛関係での性交渉のまちがった知識を得ていること。

・CONTENTS

ピンポンを聞いた母親が玄関ドアを開けるとそこに立っていたのは、ポルノ動画に出演する男優、女優。

「おたくのお子さんが私たちの動画をいろんなデバイスで見ていますよ。でも実際のリレーションシップはそれとは違うことをお伝えしたくて・・・」

と言う。1階に息子が下りてきて、驚きのあまり持っていた皿を落としてしまう。そこで母親は決心するこのことを話すべきだ、と。


未成年がポルノを見ることで「実際のセックスがビデオそのものだと勘違いしてしまいかねない」という問題を可視化させて、そのために親子での話し合いを解決策として提示した。

・RESULT

BBC, The Guardian ,Fox News ,Independent etc... 

正確なインプレッションなど分からないけど、日本でもねとらぼ、ハフポストなどに取り上げられていて、ツイッターで多くの人が反応している(私もツイッターで見た)から世界中でかなり大きな話題になっているのではないかと思う。

・TARGET

①未成年を我が子に持つ保護者、ネット時代にこれから生まれてくる子供の親

子どもがアクセスしていることを頭ごなしに否定するのではなく、対話をすることを目的としている。

・TARGETS INSIGHT

①子どもにスマホやパソコンを与えている。ネットリテラシーが心配だけど、どんな問題があるのか分からないから、どう話し合えばいいのかわからない...

↓ 広告をみたあと

①ポルノを見て、実際のリレーションシップがこういうものだと勘違いしてしまってるのね!話し合うことが大事なのね!

・Why is this campaign useful?

1.問題提示から課題解決までを示したところ

ターゲットインサイトを考えていた時に思ったことだけど、中高生(12~18歳)を持つ親は30歳くらいだとすると、子供のころにスマホを持っていた経験なんてなかったはずだ。インターネットが個人まで普及したのが、Windows 95発売後の96年から、IphoneⅠは2007年に発売された。

だから、子供がスマホを持つことが当たり前になった今の時代、心配はあるけどどんな危険が潜んでいるかがリアルな実感として分からない。

一つ目にこのキャンペーンの素晴らしいところは「性犯罪に繋がるのでポルノを見るのはやめよう!」というメッセージではなくて、「実際の恋愛関係とポルノのセックスは違うよ」と訴えているところだと思う。

そう訴えかけることで親も何が問題か分かるし、子供にも(この広告を見たら悪夢にはなりそうだけど)えっそうなの、、?っていう気づきは与えられるかもしれない。

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(https://www.youtube.com/watch?v=KkTGKb3KlkAより)

そして二つ目の素晴らしいところは「会話をしよう」という解決方法の提示。政府だったら大義名分を掲げて性犯罪につながるので未成年のポルノは禁止です!禁止!!禁止!!!みたいな啓発広告になりそうだけど、この広告はムーブメント広告だ。見た人に行動を起こさせる。しかもウェブサイトには話す時のコツが書いてある!動線が完璧だ~~!ポルノの何が問題か分かった親はなんとなく子供と恋愛の話をしてみようという気持ちになると思う。

・note

この広告があらゆる国で拡散された要因は”普遍性”

未成年×ネットポルノは家族はもちろん、学校、国でも問題になっている。

ネットとの付き合い方みたいなインターネットリテラシーの話は中学で1,2時間くらいやったような気もするけど、国が学習指導要領つくって学校に配ってる時間に配慮してくれるはずもなくインターネットはどんどん進歩していく。iPad授業とか電子黒板とかITのプラスの側面を取り入れていくのはとてもいいことだけど、マイナスの側面にも真剣に向き合わなきゃいけないよね、といった問題意識が感じられる。

それはニュージーランドだけが抱える問題ではなく、どこの国でもネット技術が進歩すればするほど対峙していかなきゃいけない問題だ。NZ政府はインターネットで起こる様々な問題に対して親子間の対話を進めるためのTipsをのせたウェブサイトまで作っている。

CMで問題と解決方法の提示→webで解決方法の詳細

ネットでなんでも調べられる時代に人が動くかどうかは興味をもって検索した時に「こうするといいよ!」とつまずくポイントをあらかじめ提示しておくことがとても大事なんだなぁとこのキャンペーンで分かった。どうすればいいの?と思わせてしまった瞬間にママは今日の献立を考えはじめるし、パパは野球の録画をしはじめるだろうから。自分にとって優先度の高い自分の日常の問題を解決する方に脳は意識を働かせてしまう。どうすればいいの?と思わせる前に課題解決を提示しなきゃ見向きもされない。(スピーディな時代だなぁ。。。)

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デザインもめっちゃかわいい!これ政府が作ってるの信じられないくらいかわいい!

パソコンを使えない人が政府のサイバーセキュリティ担当大臣だった国に住むものとしては、「えっ!!?こんなん政府でできるの!?!」って感動するしかない。

→禁止ではなく対話をする

だけど、これもし自分が多感な時期の男の子だったらまじで嫌だよな、、、子供からはすくなくとも話せない。親の方がこの問題に対しては危機意識をもっているだろうから、親がどう子どもに話していくかが重要になってくると思うんだけど。

参考

NZ政府のHP↓

子どもと親がどう話し合っていけばいいかアドバイスが書かれている。



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