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よむ図鑑から“なれる図鑑”へ。『MOVE生きものになれる展』/講談社

PRアワードグランプリ2018 ゴールド

エントリー会社:(株)電通
事業主体:(株)講談社

・ファクト

生物系の企画展は展示が多くその展示に来るのは本当に生物に興味がある子供たちだけ。

・内容

講談社が発行する「動く図鑑MOVE」は本にDVDを組み合わせた”躍動感があり印象的な情報”をコンセプトにした全く新しい図鑑。シリーズ累計250万部を売り上げている。そんな図鑑「MOVE」のコンテンツや世界観をベースとしながら、五感で生きものの知恵や技術を体感できる展覧会を開催した。

・結果

大好評のため大阪でも開催決定。

来場者3か月で10万人突破。

・ターゲット

生物に興味がある子供たち

・このキャンペーンで果たす役割、目的

図鑑の世界観をそのまま生き物になる展にすることで子どもたちに生き物に対する興味を持ってもらう。その結果としてMOVE図鑑購買促進。

・ターゲットインサイト

展示は見るだけのものと思ってたけど自分が生物になりきるのは楽しい!いっぱいはしゃげる!動ける!

・このキャンペーンのイメージ

たのしい、体感、なりきる

・メモ

新しいポイント

①MOVE図鑑が新しい

いままでの図鑑は動植物のカタログ要素が強かった。それを本という媒体にもかかわらず、「躍動感があり印象的な情報」というコンセプトにすることでDVDやインパクトのある写真を作る新しい図鑑にした。

②出版物の世界観そのまま企画展に

→でもアニメとか漫画の企画展はやってるか。これが新しいのは図鑑っていうノンフィクションなものをそのまま企画展にしたというところ。

③図鑑のPRをするために企画展を開催する

一般的に本を売るとなったら著者イベント


出版社としての役割を考えたことが評価された?

本を売るという観点でいえば、図鑑は情報量に対しての売れゆきが少ない。出版社としての売り上げを考えるならば著名人の書いた本を連発することがいいかもしれない。しかし、今回講談社はあえて図鑑をイベントにした。

なぜか?

お金目的ではないならばなぜこのような企画を行ったのか?

それはPR TIMESのリリースに書いてあった。

観察対象としての生きものを学ぶのではなく、じぶんが主体となることでその生きる知恵や技術をより鮮明に理解し、これまでにない形での「生物多様性」や「他者理解」の学習を目指します。「なれた!」と実感したときの喜びをきっかけに、さまざまな知識への興味を喚起し、学ぶ楽しさを伝えます。

「図鑑を売る」の上位概念

【目標】

図鑑を売る×

なんのために図鑑を発行するのか〇

→生きる知恵や技術をより鮮明に理解し、これまでにない形での「生物多様性」や「他者理解」の学習のために図鑑を発行する

そのために有効な手段は?

イママデの動物系企画展:展示されたものを鑑賞

→鑑賞するだけで「生物多様性」「他者理解」はできないのでは?

→人間からの上から目線ではなく、自分が生き物になることで動物を動物としての視点で見ることができる



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