ファイナンス機械学習:Bars

 市場からの不規則な頻度な観測系列を、規則的なサンプリングと同期させ、均一系列に変える。time bar, tick bar,volume bar,dollar barがこれに當る。一方で、ある情報が市場に届いた時にサンプリングの頻度を上げるのが、情報ドリブンバーで、期待値から均衡が乖離した場合に作動するtick/volume/dollar imbalance bar、連続性が逸脱した場合に作動するtick/volume/dollar run barがある。

Time bar

 一定の時間間隔で情報をサンプリングする(秒、分、時間、日、週、月)。通常、始値(Open)、終値(Close)、高値(High)、安値(Low)、出来高(Volume)、出来高加重平均価格(VWAP)がサンプリングされる。
 このtime barは、シミュレーション等の計算機に頼っている今日の取引状況においては、一定時間のサンプリングよりは、CPUサイクルのデータ処理時間の方が実態に合っていると言える。また、取引が閑散な時と活発な時間帯を同じに扱うことにより、サンプリング自体が不均衡となり安い。

Tick Bar

 あらかじめ定めた取引数で、サンプル変数を取得する。取引時間の閑散の影響を受けることなく、安定したデータを扱えるため、time barより優位な推論が立てやすい。しかし、板寄せでの取引はシステムにより、1tickと勘定されても、実際には数千ticksである場合もある。

Volume Bar

一定数の売買が施行されるごとに、サンプリングを行う。この方法によって、分割注文で起こるtick barのシステム上でのサンプリングの不都合を回避できる。

Dollar Bar

一定の売買代金(建値代金単位)が取引されるごとに、サンプリングを行う。価格変動が大きい場合の分析には、サンプルの安定性の高いdollar barを使うのが合理的である。

Tick, volume, dollar barsには、あらかじめ定める閾値が必要で、この閾値の値により、サンプリングの安定性(週毎のバー数)が上下する。
よって、Barの安定性を比較するには、それぞれの閾値間に一貫性を持たせることが必要である。

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