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豊かさのなかで暮らす作用・反作用

木は、切って燃やしてもまた成長してくれる、循環エネルギーです。

なんだか電気とガスを使う私たちには、うっかり忘れてしまう資源ですが、現在でも発展途上国の多くのエネルギー源は、石油や石炭でもなく木材であると聞きました。

以前私が読んだ本では、ロシアから天然ガスを買っている小国が国民の意思決定により、国の殆どのエネルギー供給を、豊かな森林から賄えるよう仕組みを整え、エネルギーをロシアに頼ることから脱した、という内容でした。

エネルギーを自国で生産することで、大変な脅威となっていたロシアの圧力からの解放、政治的独立の意味合いを得たようです。

高価なエネルギーをソ連から買わざるをえず、更に戦争や政治の重圧を負うことになっている周辺の同じような国が、エネルギーを自国で生産したくとも、豊かな森林に恵まれていていないと出来ない、ということでした。

エネルギー資源を他国に頼ることは本当に恐ろしいということ、また、日本はその遠い小国に劣らない豊かな森に恵まれていて、仕組みさえ整えれば原発の脅威から解放される道がある事が分かりました。

豊かさは、あたりまえで見えにくいものです。


私たち日本人は、その日の気分で食べたい魚をスーパーで選ぶのは当たり前ですが、世界の多くの町ではそれが海岸線沿いの町であっても、魚があまり無いのだそうです。

「あまり」というのは、種類のことです。どれだけ海岸線がつづいていてもその一定の土地の近海では、食べられる魚といえば単種類や、少ない種類しか獲れない事のほうが普通だそうです。

古くからの水の都でも、美しい島でも、魚の種類というのはそうそう無くて、アジアの港に並ぶ魚市でも、日本で魚を好きに選ぶ感覚とはまるで違うそうです。

日本では食用で50種類(冷凍で120種)ほどが流通しており、周辺海域の魚の種類は4,000種を越えると言われています。世界に類を見ない、とんでもない多さなのです。

日本はどうしてこんなに魚が豊富なのでしょうか。
海が(微生物からの食物連鎖が)豊かなのです。

どうして海が豊かかのでしょうか。
森が豊かだからです。(森の土の栄養を含んだ山からの肥沃な土壌が川をつたって海に注ぎます)

どうして森が豊かなのでしょうか。
水が豊かだからです(山脈における雪から地下水まで)

どうして水が豊かなのでしょうか。
土地が豊かだからです。(保水力が大きい)
その土地が豊かな理由は、地球の岩盤プレートの隆起地点であり、火山国だからではないでしょうか。

世界で起きる地震の20%が、この日本で起こるらしいのですが、そういう大地なので、日本には多くの種類の石があります。

鉱石というやつです。ミネラルや遠赤外線を豊富に含み、水の粒子を整えます。

金や銀も日本ではたくさん取れていました。レアメタルがあるとか、天然ガス資源があるとか、とにかくこの土地じたいが豊かすぎて、目に見える魚の数からさかのぼり、見えない微生物までの食物連鎖をおもうと、植物や生き物のユートピアです。

地殻プレートのぶつかり合いが、豊かな土地をうみ、潮の流れをうみ、四季を彩り、私たちを豊かに暮らさせてくれています。
飲める水が国全体に配給できている国は、世界に15ヵ国しかないそうです。

さらに、もうひとつ。

ある研究では、日本の土地で成長期を過ごすと、(それは人種に関係なく、暮らしたら、ということです)
一定の音に対して処理する脳の部位が、日本で生活をしていない人と違っているそうです。

成長期に日本の土地に暮らした人は、風や虫の鳴き声のような自然音を左脳で処理するけれど、そうでない人は右脳で処理するため、雑音としか捉えられず、虫の声の聞き分けなどは、思いもよらないそうです。


世界の人口74億ぶんの、1億2千万人…である私たちが、超絶恵まれた土地に住んでいるという自覚は、得にくいです。

あたりまえのなかにこそ、不満が湧くからです。

幸せがあたりまえになると不幸になる、このロジックを、越えたいとモゴモゴしています。

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